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普通人転生-だけど前世知識で世界を変える-  作者: NOVENG MUSiQ
焦熱に沈む罪と赦しの迷宮

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15/60

白銀の耳、傭兵イヴの登場

 人里から外れた森の小道を歩むノーラン一行。王家の監視を避けたい一心だったが、険しい道中には牙をむく魔物が待ち受けていた。絶体絶命のなか、颯爽と現れた白銀の髪と狼耳をもつ女性・イヴ。凄まじいスピードと爪の一撃で魔物を一瞬にして蹴散らしてしまう彼女の姿は、まるで野性の化身のようだ。

 とはいえ、唐突な乱入に驚くノーランたちも、イヴのツンとすました態度に戸惑いは隠せず。裏の事情を匂わす発言からは、彼女が王家と深い因縁を抱いていることがうかがわれる。簡単に手を取り合うわけではないながら、ひとまず目的が重なる以上、道中を共にすることになった一同。増え続ける仲間(女性陣)に何もできない自分の心は、ますます騒がしくなるばかり。新たな仲間を迎え、王家の陰謀への糸口をつかもうとする物語は、さらに加速する予感を漂わせている。

 翌朝も上天気で、森の小道を歩く。王家の追跡を避けるため、あえて人里から離れたルートを選択することにした。ハルトとエリーが地図を睨み、「この先の獣道は魔物が出やすいから注意を」と警告する。フレイヤとクロエが前後を固め、トカリヤは雷の力を節約しながら歩く。俺は少し緊張しつつ、周囲を見渡した。

 すると、やはり魔物の群れが茂みから現れる。牙や角を持つ獣型の魔物が十数体。フレイヤとハルトが迎撃、クロエとエリーが遠距離攻撃を加え、トカリヤが雷の詠唱を始めるが、数が多く一気に攻められて苦戦を強いられる。俺も後衛でサポートを試みるが、武器が乏しく何もできない。


 「くっ……このままじゃ押し切られる!」

 フレイヤが剣を振るうが、疲弊が見える。トカリヤも呪文を放つタイミングを失いかける。そこへ突然、鋭い声が響いた。

 「どきなさい! あんたらが先に削ってくれた分、楽に片付けられそうだわ」


 視線を向けると、白銀の髪に狼耳をもつ女性が急襲する形で魔物を狩り始めた。両腕には篭手が装着され、鋭い爪のような刃が魔物の喉笛を容赦なく裂く。あっという間に数体の魔物が倒され、その動きに目を奪われる。フレイヤが小さく「すごい……」と息を呑むほどの速さだ。

 残る魔物たちも、あっさりと蹴散らされて森は静寂を取り戻す。女性は爪を収め、振り返ってこちらを睨むように見る。

 「あなたたち、王家の兵士じゃないわね? こんなとこで魔物狩りするのは冒険者か何か?」


 フレイヤが「ええ、まあそんな感じ」と答えると、彼女は「ふん」と鼻で笑う。

 「エヴェリーナ・デュヴァル。イヴって呼ばれてる。傭兵よ。まあ、あんたたちが私の獲物をいい感じに弱らせてくれたから、狩りやすかったわ」

 わざわざ助けてくれたわけではないらしいが、結果的に助かったのは事実。俺が「ありがとう、助かったよ」と声をかけると、「勘違いしないで」とツンとそっぽを向く。


 トカリヤが呆然としながら「あなた、すごい動きね」と感心を示すと、イヴは「獣人の血を引いてるからね。この程度は当然」と言い放つ。

 「獣人……そうなの?」

 クロエが視線を耳や尻尾に移すと、イヴは「文句ある?」と不機嫌そうに身構える。どうやら誰かに見られるのをあまり好まないようだ。


 フレイヤが怪我を確認すると、トカリヤが軽く腕を擦りむいていた。そこへイヴがスッと近づき、手際よく応急処置を始める。

 「私の嗅覚で傷の状態がわかるの。あと、こうすれば出血はすぐ止まるわ」

 トカリヤが「ありがとう」と言うと、イヴは「別に。役立たずが倒れられても困るし」と突き放す。まるでツンデレキャラだ……と思いながら、俺は素直にお礼を述べた。


 戦闘時の激しい動きで、イヴの衣装が部分的に破れている。脇腹や太腿が露わになっていて、俺は思わず目を奪われてしまう。するとイヴがすぐさま気づき、「あんた、どこ見てるのよ! 変態!」と容赦なく睨む。

 「ご、ごめんなさい!」

 慌てて頭を下げると、フレイヤは呆れ、クロエは苦笑し、トカリヤは困惑気味。エリーは楽しそうにくすくす笑い、ハルトは「相変わらずだね」と小さく呟く。


 「まったく、人間の男なんて……」

 イヴは嫌悪感を隠さないが、どうやら方向が同じらしく、仕方なく同行を認めた形になった。本人は「ついて行くわけじゃない。あんたたちに合わせてるだけ」と言うが、王家に敵対する者同士、利害は一致しているようだ。

 こうして、一時的にとはいえ白銀の狼耳を持つ傭兵イヴが仲間入り。エリーも加わったことで、女性陣が増えまくり、さらに賑やかになった。

 王家の陰謀がどこへ続くのか、この先何が起こるのか――わからないまま、俺たちは森を抜ける小道を再び進み始める。朝日が差し込む森の向こうで、新たな運命が待ち受けている気がしてならなかった。

 森の木漏れ日に煌めく狼耳と白銀の髪、そして強烈な戦闘力で魔物を圧倒したイヴ。その圧倒的な存在感はノーランたちのパーティーに意外な協調をもたらし、ハーレムめいた状況にさらなる刺激を与えます。危険な香りを漂わせる傭兵が、王家に恨みを持つ理由は何なのか。トカリヤの雷やエリーの研究、フレイヤやクロエの力がどう絡み合っていくのかも含め、道行く先での騒動は絶えそうにありません。

 王家が次に打つ手はどこで、どう仕掛けてくるのか。燃え盛るような情熱と、ツンとした態度をあわせ持つイヴが、どんな形で仲間たちと関係を深めていくのか、これからの旅がますます楽しみになってきます。果たしてこの先、彼女らの結束が王家の陰謀を打ち破る切り札となるのでしょうか――。

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