「期末残業地獄からの叫び:財布も心も虚無になる夜」
残業。
労働契約という名の奴隷制度に組み込まれた社会人が味わう特別なご褒美。
「残業なんてしたことない」と胸を張る会社員がいたら、その人は①宇宙人か②超ホワイト職場新入社員③上場企業の社長のどれかでしょう。残業0職場?それは都市伝説か、採用パンフレットの中だけだと思いたい。
独身一人暮らしの夜。疲労でアンデッドと化した体を引きずって帰宅した後、二つの選択肢がある。そのまま進化した猿から原始生物に退化して床に倒れこむか、それとも「人間の尊厳」という名の最後のプライドを保って食事という儀式を行うか。
大抵は後者を選びますよね。
キッチンに立つだけで、トライアスロン完走レベルの偉業に感じる疲労感。
「今日はいいか…」
そして訪れる悟り。コンビニ弁当かウーバーイーツ。ジャンクフードが舌の上で踊り、財布から紙幣が飛び出していく様子が幻視できる。
ここで恐ろしい真実に気づきます。
残業代=夕食代
数式として完璧すぎて笑えない。追加労働の対価は、疲労により調理できなくなった自分への慰めの食事代に消えていく。慰めの報酬。資本主義の完璧な循環システム。奴隷に与えた賃金は、結局、資本家の財布に戻ってくるという、古代から続く素晴らしい経済の仕組み。
「社会のために頑張ってます!」
なんて高尚な理由があるなら、まだ救われるかもしれません。でも正直に言いましょう。残業代が出るからやってるんです。シンプルに。そして皮肉なことに、その残業代は「生きるため」の食事代に消えていく。
残業に対する規制?いいえ、違います。私が望むのは、法外な残業代です。
「従業員を定時に帰らせないなら、高級フレンチに毎晩通えるくらいの残業代を払え」というシンプルな法改正。
「残業1時間=松阪牛ヒレステーキ肉100g 6枚 贈答用木箱入りギフト10個」くらいの計算式なら、会社も「あ、この仕事明日でいいや」と気づくかもしれません。
プライベートの時間を潰して稼いだ残業代で高級料理を食べている姿を想像してください。現実は、コンビニおにぎりを片手に、明日の残業を考えて黙食するだけなのに。
残業時間を規制するなら、残業代も増やしてほしい今日この頃です。