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一般人以下の俺は、世界最強を目指す。  作者: アリス
第二章:手に入れた能力
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第10話:出会い

のどかな町にいつもの鍛錬。そろそろなにか新しいことを始めるべきか?




【チャージ】


相手が大きな敵じゃない場合、足を動かさずに攻撃をよけるのは理論的にはできる。


『ブゴッ』


 いてぇ。

流石によけきれんかった。痛いの辛い。

今日もけがを負いながら帰路についた。



ーー


 最近はいつもこんな感じだ。別にこの鍛錬方法が嫌いなわけじゃない。

ちゃんと身を結んでると感じることはたびたびあるし、最近になって急激に強くなっている気がした。

 今までに比べて、だが。


ーーーー



 冒険者をはじめて様々な依頼を受けているうちに、冒険者ランクの昇級が迫っていた。


「初めての昇級だし、ちょっと難しい依頼を受けてみてもいいかもしれないなぁ」


 そんなことを呟いていると、近くの席に座っていた男性が声をかけてきた。


 「君、次で昇級なのかい?初昇級なら余程難しいのを選ばない限り大丈夫だろうが万が一があるからね、簡単な依頼にするのが一般的だよ」


 こういう大事なことを教えてくれる人は、全員いい人だと思う。大勢の人が昇級すると、報酬が美味しい依頼がなくなってしまうし、依頼自体が足りなくなってしまうかもしれないからだ。

 冒険者として、依頼がなくなることは良いことなのだが、冒険者を職にしていると、仕事がなくなってしまうようなものだ。

それでも教えてくれる人には感謝しなければ。


 「教えていただきありがとうございます。今回の依頼はいつもより少し難易度が低そうな依頼にしようと思います」


 さて、丁度いい依頼はないものかね。



 この時間帯だとやはりあまりものしか残っていないな。報酬が少ない割に難易度が高いものもある。

こういうのは数日間受けられなかったら協会からの指名依頼になるんだよな。

でも指名依頼は一定以上のランクのパーティーが受けることがほとんどだ。なりたてのルーキー、さらにはソロの俺に回ってくることなんてドブ攫いくらいだろう。



ーーーーー



 あんなフラグを立てておきながら、結局俺への指名依頼ではなかった。

面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだからな。これでいい。


 今日町の外に出ていた理由はほかにもある。薬草採取の依頼を受けたからだ。

薬草採取は町の外にでるにしても比較的安全な部類の依頼なので俺でも安心して受けることができる。


 「これ、依頼の内容より量が多いですね。」


 たしかに依頼内容より多い数をもってきてしまったかもしれない。

薬草採取の依頼は必要数よりも余分に採取するのはあまりよろしくない。

理由は単純で、町周辺の薬草を採取しきってしまわないためだ。


 うれしいことに薬草の中でもポタク草は育つのがはやいので、同時期に、しかも大量に採取しなければなくなるということは滅多にない薬草だ。

そのためポタク草は少しばかり採取量をオーバーしても大目にみてくれることがある。

今回も大目にみてくれるようだ。


 「群生地をみつけただけですよ。ですがもうあらかた採取してしまったので、次育つまで2か月ほどかかりますね」


 嘘ではない。

ただマップには一度手に入れたものを半径5km(キロメートル)の中から位置を教えてくれるという神機能が備わっている。


 「それならばこの量は納得いきますね。あまりとりすぎないようにしてくださいね!」


 「それはわかってますよ。次から気を付けます。すみません」


 「あ、昇格ですね!おめでとうございます!」


 ん?


 「今回の依頼達成でランクがFランクからEランクに昇格したということです!」


 今回の依頼で昇格だったのか、次のだとばかり思っていた。

Eランクに昇級、昇格したとしても、あまりFランクとは変わらないようだ。

ただ受けることができる依頼の範囲が広がったくらいだ。今はDランクの依頼までうけることができる。


 そろそろパーティなどを組んで安定性が欲しいのだが、このことは時間があるときに考えよう。

今は今日の晩御飯を何にするか考えなければ。



ーーーー



 せっかく昇格したんだし、いつもよりいい飯を食べようか。



 この店なんていいんじゃないか。

冒険者協会とも近いし、ランクが上がったことで収入が増えればこういう店の常連になってもいいかもな。


 俺が入った店は、定食屋というか呑み屋というか、なんかいろんな冒険者がいる場所だ。

どうやら冒険者たちの中でもポピュラーな店らしい。いいじゃないか。


 さてと、なにがあるんだ。


 俺は今の気分にピッタリなものを注文した。それは俺の口によく馴染んだ。


 今まで食べた味の薄い料理とは文字通り一味違うようだ。

しっかりとした味付けが施され、とても食べやすい料理だ。

 この店に来てよかった。


 「ごちそうさまでした。」


 とてもおいしかった、またこよう。



ーーーーー



 朝の独特の香りに煽られながら、重い瞼を開けた。


 今日は鍛錬を初めて6日たったので日曜日的な感じで一日休もうとおもう。

今の俺には目標もないし、鍛錬をするモチベーションがないからたまに休まなければ気疲れするだろう。

一日ゆったり過ごすことで、次の日からの6日間全力で取り組むことができる。


 もう少し寝ていたいが、外にでて体操だけでもしておこうか。

休みだといえど体は動かさなければ冒険者として支障をきたすかもしれないし、なにより体にいい。


 朝食を食べ、外に出て体操をして部屋に戻って読書をする。

最高だ。こういう落ち着いて休める時間があるのは楽なものだ。




ーーーーー次の日ーー



 今日は即席パーティで依頼を受けてみた。

昇格(ランクアップ)したことで少し難しい依頼を受けてみたんだが、今回の依頼はパーティ限定だった。

1人足りないというパーティに臨時で入らせてもらってはいるが、何と言ってもメンバー比率がおかしい。


 俺含め5人なのだが、3人が前衛で残りの2人は補助なのだ。

前衛といってもタンカー的な役割の人はおらず、前衛アタッカー3人で構成されている。


 依頼内容は北の森での魔物(モンスター)大量発生の原因の調査だ。

俺のような低ランクではパーティじゃなきゃ受けることができないらしい。

高ランクのソロ冒険者ならソロで依頼を受けることもできるらしいが。


 日課の鍛錬のおかげか、移動するだけでは疲れることがない。うれしいことだ。


 依頼内容では戦闘は極力避けろって書いてあったが、自己防衛ならいいらしいので、意外と楽しみだ。



ーーー歩くこと数十分ーーー



 「今のとこそこまで魔物(モンスター)が多いわけでもなさそうだけど、もう少し奥の方までいってみるか」


 たしかに、今のところ、大量発生というのは大袈裟だ。もっと奥がおかしいのかもしれない。

行く価値はあるし、何の成果も得られないまま協会に戻ってしまうと、依頼を失敗したことになるかもしれないからな。まだ先に進んでみるべきだろう。




ーーーーーー

 


 少しずつ魔物が増えてきている。

そりゃ森の奥深くに来ているわけだし当然といえば当然なのだが、この数は異常そうだ。


 「この数を捌き切るのは無理だ。ここは一度町へ戻ろう」


 まず戦ってもいないのだが、今回は量が多すぎるし、戦ったとしても勝てる保証もない。

それに、魔物大量発生は本当だったということがわかるだけでも成果といえる。町へ戻ろう。



ーーーーー



 町へ戻ってきた俺たちは、協会で何があったかを説明した。


「北の森でそんなことが、、あの森はほかの森に比べて比較的安全な森だったはずなんですが。このことは、協会長(ギルドマスター)に報告しておきます。」


 

 今のところ被害は出ていないそうだが、警戒せざるを得ない状況のようだ。

もしかしたらさらに調査が行われて、何かの魔物だった場合討伐隊が組まれる可能性もあるらしい。


 俺はそんな面倒ごとはごめんだ。今は少しずつでもランクをあげて、俺のスキルについて調べることに尽力するべきだ。



ーーー



 「報酬は当初の予定通り山分けにする。今回の依頼は報酬がほかの依頼に比べて多い。」


 そういえば、依頼書に山分けって書いてあったな。あんまり気にしていなかった。




 「ということで、一人銀貨7枚と銅貨4枚だ。」


 なるほど、確かにほかの依頼に比べて報酬がおいしい。それほど危険だったのだろう。


 銀貨は日本円で一万円くらい。銅貨は1000円くらいだ。儲けだな。

こういうお金についてのことは覚えてるんだけどなぁ、なんか考えるのも無駄に思えてきた。


 そんなことよりも、もっとお金を貯めて、大きな街に行きたい。

そのためには、もっと多くの依頼をこなす必要がある。


 「先は長いなぁ」


 今日初めてパーティを組んでみたが、戦闘することがほとんどなかった。

だから戦闘面での優位性が何一つわかっていない状態だ。

臨時パーティーもいいがパーティーを組んでみるのもいいな。けどそれはまた今度にしよう。

 今日はもう疲れたし、お風呂屋さんにでも行こうかな。お風呂に入って、疲れを癒そう。そんな疲れてないけど。



ーーーー



 風呂に入るのは一週間ぶりだ。水浴びはしてたけどな。

秒で服を脱ぎ、インベントリに収納する。便利なものだ。

大きな湯につかりながら、今日のことを思い出した。


 そろそろこの町を出たいし、北の森がおかしいだとか、そんなことは俺には関係ない。

それに、今の俺には北の森にいっても生き残るほどの実力がない。そうなると安全なうちにこの町から出たほうが賢明といえる。


 「よし、今週中にこの町を出よう!」



ーーーー



 そうは決めたものの、俺にはほかの町への行き方だってわからない。

この町だって、連れてきてもらったしな。

 セシリアさんにこの町まで送ってもらっただけだから、ほかの町へは時間がかかりそうだな。

道中で魔物に襲われない保証だってない。町に辿り着く前に魔物に喰われてしまうかもしれない。

 だからってこの町に居続けるのはいやだ。冒険者に護衛依頼をしたっていい。

 

 冒険者が冒険者に依頼をしてはいけないなんてルールはなかったはず。

 それなら別に問題ないし、安全にほかの町まで移動できるじゃないか。


 ただ、、その報酬をどうするか。だ。

今日少し多めにもらったとしても、護衛依頼を頼むには少なすぎる。

 護衛依頼ってのはほかの依頼よりも高いんだ。


 護衛依頼を受けてみたほうがいいかもしれないな。

今の()ならば隣町への護衛依頼だったら問題ないはず、多分、



ーーーーー



 「隣町クロタイへの護衛依頼ってありますか?」


 「クロタイへの護衛依頼ですか。えーと、今は、、、あ!ありますあります!

レイさん、どうしてこの依頼を受けられるんですか?この町を出るんですか?」


 「そうですそうです。この町を出ていこうと思いまして、王都に向かう予定なんですが、まずはクロタイに向かうといいと聞きまして、クロタイに行くついでに依頼でも受けようかと思ったんです。」


 「そういうことでしたか!今までの間、お疲れさまでした!寂しくなりますが、またこの町に来たときは顔を出してくださいね!」


 「ありがとうございます。それでは、またいつか。」



ーーー依頼当日ーーー


 俺以外にもこの依頼を受けた人がいるんだな。

なんか二人とも知り合いのようだし、パーティーでも組んでるのか。

女の子二人で冒険者をやってるんだな。


 「この依頼うまくいくかな、」


 「大丈夫だって!あたしたちなら問題なく終わるよ!」


 冒険者になったばかりなのだろうか。


 「護衛依頼を受けてくださりありがとうございます。最近物騒ですからね。」


 三人もいれば十分だと思うが、襲われないことが一番だ。


 「そろそろ出発したほうがいいですね。それじゃいきますか。」

今回で怜が最初の町から出ることに決めたそうです。

今回の話の序盤はストーリーにほぼ関係ないです。

護衛依頼でなにも起きないほうがいいが、、何も起きないよな!?そうだよな!?

次回もお楽しみに。

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