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30.変わり果てた街

いよいよ2章も山場……!

今後とも皆様に楽しんでいただけるよう頑張ります!

「ここが一箇所目の村よ」


 フローラと聖境司の案内によりクリスティーナ達がまず最初に訪れたのは、小さな村だった。この村は、東領の聖女たちの本拠地である屋敷から見て、南西の方角にある。


「ずいぶん荒れてますね……」


 畑は荒れ果て、小屋や穀倉ですらところどころ壊れていた。


「そうね。でも、東領を出てみればこれくらいの被害はかなり見られるみたいよ」


「えっ!?そうなのですか?」


「ええ。そう言えば、西領は深刻な被害は出ていなのよね」


 クリスティーナは頷いた。


(西領も今は大丈夫だけれど、油断ならないわね……今も大丈夫だといいけれど……)


「それでは、少しまわってみましょう」


「はい」



 その後、クリスティーナ達は村を一周りしてみたが、特に変わった点は見られず、魔物発生の手掛かりを得ることはできなかった。



「次の都市に行きますか?」


「そうね。ここに居ても仕方がないし」


 そうして、クリスティーナは次の都市へと向かった。移動手段は、転移魔法が使えないので馬を使った。


 高位貴族のフローラは嗜んでいるようだが、クリスティーナは乗馬の経験がないため、一緒に東領に来てもらったアイリスの従者と共に馬に乗った。



 それから暫く北西に向かって走り、先導していた2人が立ち止まったため、クリスティーナたちも馬を止めた。


「ここ、ですか……?」


 馬が完全に止まったとき、クリスティーナは呆然と問いかけた。

 

「ええ。そうよ」


 フローラは淡々と返事をしたが、それは、感情を押し殺しているように感じられた。


 何故なら、この街は先程の村と比べ物にならないほどの惨状が広がっていたからだ。


 聞けば、この街は東領でも屈指の大都市だったという。だが、今ではそんな様子をまったく感じさせないくらい、畑や家屋が跡形もなく壊れていた。


「そんな……ひどい……」


 約2ヶ月前までは、この街に人々の幸せが溢れていたと思うと、クリスティーナは魔物に対する無力さを思い知った。


(これ以上、被害を増やしたくない)


 クリスティーナは新たな決意を胸に抱いた。


「クリス、この街はさっきの村ほど安全ではないけれど、それでもまわってみるかしら?」


「はい、もちろんです」


「わかったわ。とはいえ、この街はかなり広いから、手分けして探索しましょう」


「はい」


 そこで、フローラとクリスティーナ、そして聖境司と従者、という二組に分かれた。

 二組に分かれたといっても、この街は広いため奥までは入らいないという約束をした。 



「……あの、ここで発生した魔物はみんな退治したのですか?とても強い力の魔物だと思うのですが……」


 荒れた土地を踏みしめ、倒れた家々をかき分けながら進みながら、クリスティーナは尋ねた。


「それが、わからないのよ……」


 困ったように答える、フローラの言葉の意味がわからずクリスティーナは聞き返した。


「わからない……?」

 

 フローラは東領で厄介なことが起きている、と語った。


 東領では被害が多く、また深刻であるものの、魔物を退治した事例はとても少ないというのだ。


「……それでは、今もどこかにその魔物が居るかもしれい、ということなのですか?」


「ええ、そうかもしれないわ……でも、私は他の可能性を考えたの」


 そこで一度言葉を切ったフローラは、クリスティーナの反応をうかがった。クリスティーナが何ですか、と問うと、一拍おいて、フローラは口を開いた。


「――自然消滅した、という可能性よ」


「自然消滅、ですか?」


 考えたこともないその言葉に、クリスティーナは眉をひそめ、フローラに説明を乞うた。

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