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誕生日には青い花束を

皆様お騒がせしてしまい申し訳ありません(汗)

今度こそ本当に2章開始前最後の更新です!

そう、本日はあの人の誕生日です!

是非とも、祝ってあげてください。

 季節は戻り、夏のとある日、クリスティーナは一人頭を抱えていた。

 

「誕生日の贈り物って何がいいのかしら……?」


 彼女が悩んでいるのは、誕生日プレゼント。それもヴィクトルへのものだ。

 雑談を交わす仲にもなった2人は、お互いの誕生日を把握していた。クリスティーナの誕生日は春のためもう3ヶ月以上が経っていた。


「来年こそはちゃんと祝うからね!」


 と意気込んでいるヴィクトルに、クリスティーナは何もしないという選択肢は無かった。


「でも、何を贈れば……彼の喜ぶものって……そうだわ!」


 クリスティーナは一人で思案し、ヴィクトルと仲の良い人に彼の好みを聞くことにした。



「――だからって何で俺なんだ?」


 クリスティーナは早速兄、リシュアンのもとを訪ねた。

 その経緯を話すと、リシュアンはやや不機嫌そうに顔を顰めた。だが、()()答えてはくれた。


「アイツの好みなんざ知らないが……似合う色の物でも贈ってやったらいいんじゃないか?」


「なるほど!ありがとう、お兄様」



 そうしてクリスティーナはある程度の目処を立てる事が出来た。

 

「あら、あなたがヴィクトルさんに贈り物をするのね!」


 続いて訪れたのは、フローラのもとだった。


「……別に……いつもお世話になっていますので」


「ふふふっ。でも、そうねぇ……難しいけれど、花束、なんてどうかしら?」


「花束……」


「ええ。私もこの前、第二王子殿下に薔薇の花束を頂いたのよ」


「とても仲がよろしいのですね……!あら?殿下とフローラ様って、婚約してますよね?」


「ええ。でも、別に友達同士や家族にだって花束を贈ってもおかしくはないと思うけれど……」 


「……確かに、そうですね。でも、青い花ってありますか?」


「あらあら。彼の瞳に合わせるの?」


 きゃあ、と乙女らしい顔つきになるフローラに、クリスティーナは思わず顔を赤くする。


「……兄に、彼に合う色の物を贈ったらとアドバイスしてもらったので」


「そうなのね。……それで、青い花だったかしら。そういえば……公爵邸の庭に青色の花が数種類あるわ。もし良かったら送るけれど、どうかしら」


「良いのですか……!それではお願いします!」


「ふふふっ。全然大丈夫よ。入れたい花とかはあるかしら?特に無ければ私が選んでしまうけれど」


「フローラ様ご自身でですか……!そうですね……アイリスを入れて欲しいです。他には特にないのでフローラ様にお任せします」


「アイリス…………確か、花言葉に信じる心、というものがあったわね……彼のこと、信じてるのね!」


「え、ええ……まぁ……」


 フローラの顔が一瞬強張った気がしたのは気の所為だろうか。


「わかったわ。ところで、彼の誕生日はいつかしら?」


「丁度一週間前です!」 


「わかったわ。なら、前日には届けさせるわ」


「ありがとうございます……!」



 一週間後、クリスティーナは青を基調とした花束を抱え、ヴィクトルを待っていた。

 フローラのセンスは抜群で、花束はとても美しかった。青い薔薇とカーネーション、そしてクリスティーナがリクエストしたアイリスがふんだんに使われ、見る者を涼しげにしてくれる。だが、ワンポイントにかすみ草が散りばめられ、華やかさも十分だった。


「あっ、クリス!待たせた?」


「いいえ、いま来たところよ。それより……はい!お誕生日おめでとう!」


「わあっ!凄い綺麗……!」


「お花はフローラ様に頼んだのだけれど……」


「へぇ……とにかく嬉しいよ!ありがとね」


「どういたしまして!」


「ところで、さぁ……最近は青い薔薇でプロポーズすることが増えてるんだってよ」


「プ、プロポーズっ!?」


「そ。こんな沢山使ってるなんて……ねえ?」


 クスリと笑いながら意味深長な視線を注ぐヴィクトルに、クリスティーナはムスッと頰をふくらませる。


「別にそんな意味は込めてないわ。……それに、言ったでしょう?フローラ様が選んだって」


「ふぅん?別に、クリスからのプロポーズなら良いんだけどな」


「良いって何よ」


「えぇ?通じてよ。……ま、いっか。いつか、わからせてあげるから」


 そう言って妖しげな笑みを浮かべたヴィクトルは色気を纏っていて、クリスティーナは背筋がゾクリとするような感覚におそわれた。


「――なんてね。僕は伝えたい気持ちは伝えるタイプもだから」


「……何が言いたいの?」


「ん?覚悟しておいてねってこと」


 そう言っていつも通りにこりと笑った彼は、いつもと違っていた。


「……一つ歳を重ねたからかしら」


「何か言った?」


「ふふっ。お誕生日おめでと、()()()()()、って言ったのよ」


 不思議そうに首を軽く傾げたヴィクトルに、クリスティーナは輝くような笑みを浮かべて名前を呼んだのだった。

それでは、今度こそ2章でお会いしましょう!

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