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30.青色の日記

ギリギリになってしまいましだが、約束を守れました!!


日頃より評価、ブックマークありがとうございます!


お陰様で30話まで更新することができました。

今後も楽しんでいただける作品にしていきたいので、応援よろしくお願いします。

「何!もしかして日記!?」


 ヴィクトルが大きな声を上げたため、クリスティーナはヴィクトルの視線の先にある書物に目を向けた。


「今まで見たどの青色より鮮やかだし、位置的にも当て嵌まる。これじゃない?」


「そうかもしれないわ!」


 クリスティーナは興奮した様子で背表紙の青い日記を取り出した。

 それもそうだ。1時間半探し続け、やっとそれらしき物を見つけたのだから。

 しかし、すぐにクリスティーナは視線を書物に留めたまま固まった。

 

「あれ……?」


 だが、それもそのはず。


「表紙が青色じゃないわ……」


「……って事は違うのか」


 ジョアシャンからの情報によると、その日記は()()が鮮やかな青色をしているらしい。

 だが、ヴィクトルが見つけたそれは背表紙こそ美しい青色だったが、表紙は他の書物と変わらない、小麦色だった。


 2人は落胆を隠せないまま書物を元の場所に戻した。


「……待って、もし師匠の日記が背表紙と表紙の色が違う物だったら一生見つからないわよ」


「うっ……それは……あまり考えたくないね」


「そうよね。取り敢えず今日は背表紙で探しましょう」


「うん……」


 図書館に通う事が決定してしまったような気もするが、ここは考えては負けである。


「――とはいえ、背表紙だけでも青色なのは滅多に無いものよね……」


 クリスティーナは本棚に並ぶ書物に素早く目を通しながら呟く。


「うん。……鮮やかな、っていう条件がつくと尚更ね」


 5階には様々な理由から窓が設置されておらず、日焼けする事は無い。そのためここにある書物は大抵の場合、収められた当時から色が変わっていないはずである。だが、青色の、それも鮮やかな色をした物は今まで1つも目にしていなかった。


「やばい。あと30分しかない!」


「そんな……!いえ、でも、あと1台だけよ?」


 クリスティーナの言う通り、5階入り口付近の本棚は残す所あと1台となっていた。


「!そうだね。急ごうか」


 クリスティーナとヴィクトルは左右裏表を手分けして探した。


(ん!これは……)

 

 クリスティーナは背表紙が茶色の1つの書物に目を留めた。

 クリスティーナはよく見ると、その書物の背表紙に青色の塗料がはみ出ている事に気づき、手を伸ばした。


(背表紙は茶色だけど……)

 

「……!」


 本棚から引き抜いたそれの表紙は、クリスティーナの想像通り鮮やかな青色をしていた。

 茶色の背表紙と思っていた部分は、カバーの表面が取れ、露わになった厚紙であった。


 確かめるため、中身を開いてみる。

 

「!やっぱり……。……あれ?」


 最初こそ日記らしき記述があったものの、最後の方には図説が展開され、ジョアシャンの日記ではない事は明らかだった。


「はぁ〜あ。違ったか……」


 大きな溜め息とともに、クリスティーナは独り言ちた。


「クリス?どうかしたの?」


「ええ。もしかしてと思ったのだけれど、結局違ったわ……」


「そっか……こっちは何も無いよ……」


 それきり、会話が途絶えてしまった。


(やばい……もうすぐ見終わる……)


 クリスティーナは本棚の端が近づくにつれ、今日見つかる望みは薄いと思っていたにも拘わらず焦っていた。


 何も発見できないまま終わる。そう思った時。


「クリス!ちょっと来て!」


「?何かあったの?」


 半ば諦めながらクリスティーナはヴィクトルが居る場所へ向かった。


「見て。これ」


 ヴィクトルが指で示すそこには――。


「……?何もないわよ?」


 ただ本一冊分の隙間があるだけだった。

 今まで隙間なく本が並んでいたため少々不自然な気がしなくもないが、本棚が丁度一杯になる冊数が毎回あるとは限らない。


「そうだね。でも、可怪しいと思わない?」


 ヴィクトルはそう言って怪しげに笑った。

来週はいつも通り午前0時と午後10時頃に更新します。

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