29.日記探し
あと1話は明日更新します!
約束を守れず申し訳ありません(汗)
明日は絶対更新します!(午後10時頃予定)
余談
実を言うとこの話はつい数分前に書き終えました……。
「改めてこの階って特別凄いよね」
5階まで階段を上りきり、再び目にする無数の本を前に圧倒されたようにヴィクトルが呟く。
「そうね。蔵書量がきっと桁違いだものね」
それに対しクリスティーナも辺りを見回し頷く。
が、ヴィクトルは納得した様子を見せず口を開いた。
「ん〜、それもそうだけどさ、神聖っていうか」
「神聖力がわかるの?」
「いや〜よくわかんないけど、何となく?ってそれはどうでもいいんだよ!」
何時になく不自然な言動を見せるヴィクトルにクリスティーナは首を傾げる。
「とにかく!早く探さなくちゃ!」
「?この後何か用事があるの?」
何処か慌てた様子のヴィクトルに、ヴィクトルの分も落ち着いているクリスティーナは問い掛ける。
だが、今のヴィクトルにはクリスティーナのその余裕さが余計もどかしく感じられたらしい。
「そういう事じゃなくて!急いで探さないと!」
「だから、何かあるの?」
クリスティーナからしたら、理由も無く慌てるヴィクトルにクリスティーナは痺れを切らし、棘のある口調で問い掛けた。
「……実は、制限時間があるんだよね。……けど今は詳しく話してる時間も勿体無いから探しに行くよ!」
ヴィクトルはクリスティーナの手を優しく掴み、本棚に向かって歩き出した。
「制限時間って……前に来た時に何かあったの?」
「……!よくわかったね」
「まあ、わかるでしょ。――時間を掛けられないようだから、二手に別れて探す?」
「いや……それだと迷った時に大変なことになるから止めとこう」
「……そうね」
「あー、一応魔法陣作っとけば良かった……」
「魔法陣?何のために」
「脱出用にね」
そう言うとヴィクトルはそれ以上は言わない、というかのようにクリスティーナの手を引きながら前へと進んでいった。
日記の特徴などを元にして考えられる条件に当て嵌めながら探したが、そう簡単に見つかる事は無かった。
「う〜ん。虐め程度で本を隠したのだから、そう奥まで行く必要は無いと思うのだけれど……」
階段の側、即ち5階の入口付近の本棚を重点的に見て回っている2人だが、中々目当の日記は見当たらない。
「こんな迷路みたいな造りの中、奥まで行って隠すとなるとそれなりに覚悟がいるよね……」
ヴィクトルは自分が隠す側になった場合を考えたのか顔を顰めた。
「それはそうよね……。というか、今ここに来てからどれくらい経つのかしら」
「あっ……確かに」
ヴィクトルは胸元から懐中時計を取り出すと、クリスティーナに見せながら時刻を読み上げた。
「11時半過ぎ。確か、ここに来たのが……」
記憶が曖昧なのか、視線を上にしたまま固まるヴィクトルを見て、クリスティーナが言葉を引き継いだ。
「丁度10時だったわね。ということは1時間30分経ったわけだけれど……」
「ヤバ。あと1時間くらいしか時間ない」
「……っ今まで掛けた時間を考えると本当に急がないと!」
別に今回は貴重な書物に目移りして……ということは無かったのだが、単純に書物の数が災いし、日記探しは難航していた。
「そもそも、条件が少な過ぎるんだよ……」
ジョアシャンから聞いている情報は、表紙が青い。これだけだ。
「そればかりはどう仕様もないわ」
人の記憶の問題なのだから、と溜め息をつくクリスティーナを見て、ヴィクトルはそうだけど、と返した。それから本棚に目を向け、動きを止めた。
「これって……!」




