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11.2人の休日

間違えて削除してしまい、もう一度書き直しました(汗)

内容は変化していませんが、ところどころ初めと違います。

 ある晴れた休日、クリスティーナはルシア学園の図書館に来ていた。図書館は、教室などが並ぶ本館の隣に位置している。


 この、ルシア学園の図書館は、アムールデースの図書館の中でも蔵書数がトップクラスだ。そこに、クリスティーナは調べ物をするため、来ていた。


 ……のだが。


「……あなた、どうして居るの?」


 何故か隣には当たり前の様にヴィクトルが立っていた。


「聖境司の仕事は聖女の補佐だからね。……ていうか、ヴィクトルって呼んでくれないの?あ、そういえば、今日は髪の毛結んでるんだね!可愛いよ」


「……」 


 口を開けばこれである。


 理由はわからないが、クリスティーナはやたらと呼び方に執着されていた。 


 そして、クリスティーナの服やら髪型やらをいちいち褒める。今日は、気合を入れるため、桃色の髪を高い位置で結んでいた。


「――あれ、もしかして僕の名前知らない?えっ、嘘でしょ、嘘でしょっ?」


「……知ってる」


「だよね~。有能な僕の名前を知らないはずがないよね〜」


 先程焦っていたのは何なのかというくらい表情を明るくし、頷くヴィクトルにクリスティーナは取っておきの意地悪を披露する。


「たった今あなたの名前を忘れてしまったわ」


「ひどっ。それでも聖女〜?」


「そっちこそ、本当に有能なの?」


 「有能だし。今日だって仕事終わらせてここに来たんだ〜。……まぁ、クリスに会いたいからっていうのもあるけど」


 実際、ヴィクトルは聖境司の仕事だけでなく魔術師としての仕事も熟している。


「そう。……聖女になったばかりの頃は碌に会いに来なかったくせに」


 聖女に成りたての頃、クリスティーナは一人で苦しさを耐えてきた。それは今でも根に持っている。


「ごめん、ごめん。リシュアンの説得が大変だったんだよ。でも、今は――暇を作ってでも会いに行くよ」


 いつもは見せない、真剣な表情にクリスティーナは思わず見惚れてしまった。だが、兄の名が出て来た事で、クリスティーナは首を傾げる。


「あ、もしかして僕に見惚れちゃった?……ってリシュアンとのこと言っちゃって良かったんだっけ」


 クリスティーナはヴィクトルに言い当てられ思わずムっとした。......後半の言葉は意味がわからないので無視しておく。


「……今日は調べたいことがあってここに来たの」


「うんうん。今日は1日手伝うよ」


「1日がかりになること前提にしないでよ」


 あはは、と笑うヴィクトルを軽く睨み、クリスティーナは本を探そうと歩き出した。  


「ところで、何を調べるの?」


「……結界の補修方法について」


「ふ〜ん?そんなのいつも行ってるんじゃないの?」


「そうだけど……気になることがあるの……」


 自分でも曖昧だな、と思える答えに、ヴィクトルは何の追求もなく引き下がった。



 幾つもの本が並ぶ本棚から、クリスティーナが求めている本を探す事は思いの外難しく、時間がかかった。だが、ヴィクトルが居たお蔭か、効率よく探す事ができた。


 ……クリスティーナが一番見たかった本は無かったが。

 

 そうして、ほぼ無人の図書館で、2人はそれぞれ本と向き合った。



「――ねえ、クリス。名前、呼んでくれない?」


「……2時間ぶりの言葉がソレ?」


 そう。かれこれ調べ始めて2時間程の時間が経っていた。


「だって癒やしが欲しいじゃん?……疲れたし」


 1日手伝う、という宣言は何処へ言ったのやら。だが、心優しきクリスティーナは、そんなヴィクトルに応えて上げることにした。


「わかったわ。――少し探検しましょう」

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