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リシュアン Side

リシュアン視点の番外編です!

 俺が9歳の時、妹、クリスティーナは生まれた。


 年の離れた妹は、俺に色々な感情を教えてくれた。


 自分の事だけでなく周りの事も気に掛ける責任感と自立心。好かれたいという欲望とそこからくる優しさ。何が何でも守るという愛情。


 クリスは、俺の全てだ。クリスのためを思えば何だってできた。クリスも俺を慕ってくれた。


 けれど、幸せはそう長くは続かなかった。


 ――俺が14の時、決定的な溝ができてしまったからだ。


 俺はその年、聖境司に選ばれた。最年少で選ばれたというその快挙に、両親は大変喜んだ。俺も勿論嬉しかったが、聖女にのもとへ行かなければならず、クリスと離れる事になるのが、とても寂しかった。当時5歳だった彼女は沢山泣いていた。



 ……思えば、俺がクリスの泣き顔を見たのはあの時ぐらいかもしれない。それ以前もそれ以降もクリスの泣き顔を見た記憶は無い。



 ――あれは、休暇をもらい、家に帰ったときのことだった。


 玄関まで迎えに出たクリスを見て、俺は呆然とした。


 ――クリスの何もかもが変わってしまっていた。


 一目見た時、これは誰だろう、と思った。

 記憶、というより、聖境司としての直感だった。 


 桃色の髪も、空色の瞳も、白い肌も記憶と違わない。が、根本的な何かが変わっていた。


「クリス……?クリス、なのか……?」


「お兄様?そうだよ、私だよ!ふふっ」


「本当に……?」


「もう!信じてくれないの!?酷いよ。ふふっ」


 立ち竦んだ俺の前で、クリスは笑い続け、ぎゅっと抱き着いてきた。


 俺の両腕は、行き場を失くしたように宙を彷徨った。


 近くで感じた彼女の魂は、近付く事を躊躇ってしまうくらいの清廉さは無く、禍々しくも美しい、魔力だけを感じた。


 ――彼女は悪魔になってしまった。

11話は今夜(2024/03/19)7時に投稿します。

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