表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/84

9.聖女の忠告

5人の聖女がついに揃いました!

「ただいま戻りました」


 魔法陣から教会の前に降り立ったクリスティーナは、待っていたケイティに駆け寄った。


「待っていたわ。今回は大丈夫だった?」


「勿論です。ですが、気になることが……」


「そう。皆を集めるわ」


 ケイティはクリスティーナの深刻な面持ちから事の重大さを悟ったのか、他の聖女を呼び出しに行った。



 程なくして5人の聖女と聖境司が教会に集められた。


「今回私達は西領の巡回に行って参りました」


 クリスティーナとヴィクトルは西領で見た事、感じた事を皆に話した。


「つまり、結界から神聖力が感じられなかったのね」


「はい……」


「でもそんなことが本当に起こるのかしら。見間違えではなくて?」


 クリスティーナに今日も突っかかるのは、やはりエリザベートだ。


「そんなことはありません。疑うのであればご自分の目で確かめてみてください」


「……」


 いつもと違い、言い返したクリスティーナにエリザベートは驚いたような表情を浮かべた。


「クリスティーナ、結界に綻びは無かった?」


 そう低い声でクリスティーナに問いかけた聖女はいつも落ち着いている、ジゼルという少女だ。


「……はい。見たところは」


「そう」


「……?」


 心なしかジゼルが安心しているように見えたため、クリスティーナは疑問を顔に浮かべた。


「とりあえず今日はこの辺にしておきましょう。皆さん何かわかったことがあれば直ぐに報せてくださいね」


「「はい」」


 そうして、その日のところは解散となった。


「……ふぅ」


 クリスティーナは人知れず溜め息をつく。


「お疲れ様〜」


 突如後ろから声を掛けられクリスティーナは肩を強張らせる。


「あら、驚かせてしまったかしら」


 振り返るとふわりとした笑みを浮かべる美女が居た。


 彼女の名はフローラ・ロシュフォール。公爵令嬢で第2皇子の婚約者でもある彼女だが、親しみやすさの漂う、穏やかな女性だ。


「フローラ様。本日は忙しい中報告のために呼び立てることになってしまい、申し訳ありません」


「いいのよ。気にしないで。あなたにはいつも感謝しているのだから」


「感謝……?」


 いつも感謝されるようなことをしているだろうか、と日頃の行いを思い出してみるが、思い当たる節はない。


「ええ。あなたが5人目の聖女となってから結界の補修が随分と楽になったの」


「……!そうなのですか!?」


 初めて聞いた事に、クリスティーナは驚きとともに喜びを感じる。


(こんな私でも役に立てているだなんて……!)


「本当よ。でも、だからこそウェルズリー嬢と――ジゼルさんには気をつけたほうがいいわよ」

 

「エリザベート様とジゼル様に、ですか?」


「ええ。ウェルズリー嬢は嫉妬深いもの。あなたの功績をきっと妬むに違いないわ」


「では……ジゼル様は……?」


 ジゼルは何かに興味を示すことが無い。それは人に対してもそうだ。  


「彼女は……隠し事が多いから。本心を伺うことは誰にもできない。それだけに怖いの」


 珍しくフローラが恐れを露わにした姿に、クリスティーナは動揺する。


「ご忠告ありがとうございます」


「いいえ。困った時にはお互い様、でしょう?」


 そう言うと、フローラは去っていった。


「……何だったのかしら」


 基本的にはおっとりとしている彼女だが、クリスティーナとは殆ど関わりがなかった。そのため、どうしてクリスティーナに声をかけたのか、とても気になった。


「……お兄様にも今日のことを報告しないと」


 クリスティーナは呟き意識を切り替えると、帰路についた。

続きは午後10時頃に!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ