宣戦布告
ここは、紅葉塾。
今日も今日とて、個性的な学生たちが通っている。
少しポンコツな先生や優しいギャル···生意気な双子、ツンデレお嬢様etc.....
そんな濃いメンバーの中、ごく普通の少女が1人。
それが私、望月星空。
たった今、そんな私にしつこく話しかけてくるのがこの男。
同じく高校1年の染夜流星。
雪のように白い肌。七三分けで、ムカつくぐらいサラサラの黒髪に巨峰のような目。
たまに美味しそうだなって思うのが怖いところ。
どこの高校かは知らないけど、とにかくウザい。
どこがウザいかというと···無駄に顔がいい所?
「ね〜望月?···ねーってば!」
いや、1番ウザいのは···いくら私が無視しようといつもこうやって話しかけてくる所かな。
「···何?今英語の課題やってるんだけど。邪魔しないでくれない?」
「やっとこっち見てくれた。それで、言いたいことなんだけど···」
「今忙しいから後にして」
テストの課題で忙しいから、今は極力話しかけないで欲しい。
「ねー···望月。テストで勝負しない?」
今ここで勝負を持ちかけてくるとは···やっぱりウザい。
「···勝ったら何かあるならやってもいい」
「そうだなぁ···俺が勝ったら俺とデートしてくれる?」
「いいよ。染夜が勝ったらね···」
···えっ?
デートって、あの···デート?
いや、そんな、本気な訳無いし。
「望月が勝ったらどうする?」
「私が勝ったら···1週間は私のパシリになってもらおうかな。」
染夜がパシリになったらジュース買ってきて貰おうかな。
「本当に1週間だけでいいの?」
「···1週間だけでいいよ。」
染夜。なぜ君はそんなに嬉しそうなんだい?
こうして、テストに向けて勉強が始まった。