第2話 種族:リトルウィッチの死体
ルートエデン書いてる途中に色々なインスピレーションが浮かんできたのと、丁度人外転生ものが書きたかった事もあって、この作品の設定を軌道修正しました。
具体的に言うと、ウィッチちゃんを殺して、タグにもある種族進化要素を強めました。
でも個人的にウィッチは魔物ではあるけど人外ではないと思うので、人外転生系のタグはつけてません。
というか、人型なのに人外転生とか名乗るのは自分的にアウトです。アンデッドとかSAN値が減りそうな肉塊とかなら人型でも許せるんですけどね。
最初に目が覚めた縦穴に戻って来た時、ふと何かが光ったような気がした。
「なんだ?」
光った場所には例の如く見知らぬ誰かの遺骨があり、それは鞄を持っていた。
どうやら光ったのは鞄の中にある何からしい。目が覚めた時は死体漁りに不快感が止まらなかったし、ほどほどでやめた為、目の前の鞄はノーマークだった。
とりあえず光の正体を探して鞄に腕を突っ込むと、掌サイズの手鏡が出てきた。
「鏡……何だこれ……っ!?」
【鑑定鏡:Bランク】
【対象に翳すとスキル『鑑定:LV8』の効果を得られる希少な魔道具】
思わず呟いた言葉の返答は鏡自身から返ってきた。鏡面に浮かび上がった文字は、思わず絶句する位有能なものだった。
これがあれば、今までわからなかったものがわかるようになるという事だろ? しかも翳すだけで。
戦闘中に使う余裕はないだろうが、充分有用だ。
「今一番欲しいやつじゃん…!」
情報戦に置いて有利になるのは、かなり良い。特にこんな知らない事しかないような状況だと特に。
さっそく手始めに自分の事を鑑定してみる事にした。
「そろそろ、この身体の実態も知りたいしな……ぶっちゃけ起きたら美少女でした!とか訳わからんし」
【リトルウィッチの死体:Gランク】
【ウィッチの幼体の死体。 当然、本来動くことなどないのだが、鑑定対象は動いている。 アンデッドという訳ではないようだが、どういう事なの?】
「オレが知りたいわ!」
思わず怒鳴ってしまった。
自分の想像や推測では限界があるのだ。そういう意味でも鑑定手段があるのは良い。 そう思って鑑定したのだが、鑑定鏡でもよくわからないらしい。
というか、この身体、死体だったんだな……。
あまりにも綺麗だから生きてるかと思ったわ。 胸に手を当ててみると、確かに心臓は動いていない。口に手を当ててみるが、呼吸も……しているが止めようと思えば止められるようだ。止めてしばらく立っても息苦しくなる様子はない事から、呼吸も必要ないらしい。
しかし、死体が動いているのは確かに謎だ。鑑定鏡が困惑するのもわかる。
身体に目立った傷は無いので、心因性の死なのだろうか? 孤独死とかあるくらいだし、おかしくはない。 まぁ、ただの女の子がこんな迷宮に棄てられて心が壊れない方がおかしいが、死を願ってしまう程追い詰められるのは……なんとなく悲しい。
「……やめだ。 とりあえず、生き残る事を……いや、死んでるんだけど。 そうじゃなくて」
気を取り直す事にしたが、自分でも何を言うべきか言葉が出ない。でも、言いたいことは自分の事なのでなんとなくわかる。
とりあえず持ち直したので、鑑定鏡をしまってから、当初の目的通り水源を目指して動き出す事にした。
「……行くか」
……そういえば、死体でも意識があるのは、初めての経験ではない。 或いは、あの時、前の自分の身体が原型を保っていたら、直ぐにソウスケの元に行けたのだろうか?
考えないようにしとくか。
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Lv:1
名前:ハク
種族:リトルウィッチの死体
階級:第0階梯
HP:5/5
MP:0/0
ランク:G
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