俺とステータス
思い出したら震えてきやがった…マジ怖いです…。
結局水をぶつけられて気を失いながら鍛えていたが、何を思ったのか結局他の属性魔法も使われた。火でこんがり焼ける感触は正直トラウマもんだと思う。
物理防御側も地獄だった。いきなり殴られ血反吐を吐いて倒れるを繰り返す日々だ。なぜか怪我は治っていたが。
とはいえ死にかける意味はあったと言える。これが今のステータスだ。
レイ
A:36
B:999
C:11
D:999
S:1100
スキル
なし
「いや絶対やりすぎだろこれ」
「まぁ多少やりすぎたとは思うけど、これで防御面はほぼ完璧だし気にしない気にしない!」
「んで攻撃系なんだけど、これは地道に魔物とか倒して上げよっか。なのでとりあえず冒険者になるために近くの冒険者ギルドに行こうと思います!」
……。
「色々聞いてきそうだから先回りして言っておくと、私と戦うだけよりも魔物とかと戦った方が単純にイイ経験になるんじゃないかっていうことがまず一つ。んで二つ目は冒険者になってると魔物の素材の買取に補正が掛かるからお得なわけ。これからはお金もちゃんと必要だと思うからね。更に三つ目が冒険者ギルドで身分証代わりのものがもらえるからそれが欲しいのよ」
なるほど理には叶っている。しかし…
「ステータス見られたらアウトだろこれ」
「…それに関してなんだけど、私が自分のステータスをいじれるようにレイ自身にいじってもらおうと思ってます!」
「…はぁ?俺には何のスキルもないんだが?どうしろってんだよ」
「私はレイにチカラがあることを知ってるからね!幼なじみですから!元々できてたことだからすぐにやれるようになると思うんだよね〜」
簡単に言いやがって…
「気付いてないの?初めに私のステータスを見せた時に私もスキルなかったでしょ?つまり、ステータスをいじってる私のチカラはスキルじゃないんだよ!」
「いやそんなことをみんなできたらステータスの意味ないじゃねーかよ」
「…まぁこれはあんまり言いたくないんだけど、レイも私も特別なんだよ。そのあたりは後々自分で思い出してもらいたいんだけども」
それについては詳しく話すつもりはないらしい。よく分からんが。
「まずステータスの999の9を一つ失くそうとしてみて!多分消せると思うから!」
ーーーーーーーー!!!
失くすという言葉に記憶を刺激されている気がする。
なんだかいい記憶じゃなさそうなんだが。
まぁとりあえずやってみよう。
レイ
A:36
B:99
C:11
D:99
S:1100
スキル
なし
おお、マジで簡単に消えたな…って!
「これ戻せるんだよな?またあの地獄の日々に戻るんじゃないよね?実はエリーがドSだっただけとかそういうオチ?」
「…レイがまたやりたいならやってあげてもいいんだよ♡」
絶対いやです。
「まぁそれはともかくとして、レイは自分で消したものは決してない状態に戻せたはずだから大丈夫だと思うよ」
おっほんとだ簡単に戻った。
「だから早めに鍛え上げておきたかったんだよねー。カンストさせておけばどのくらい消すかで自分でステータス調整できるようになるからさ。他人に見られるのを気にするなら自分で調節してね!」
なるほど、999のうち500失くそうと思えば499にできるわけだな。これは便利だな…
「まぁ一般冒険者くらいなら100前後にしておけばいいと思うよ!」
てことで調節したステータスは
レイ
A:36
B:94
C:11
D:97
S:1100
スキル
なし
にした。99が二つ並ぶのは気持ち悪い気がしたので微妙に変えただけだ。
「じゃあとりあえず近くの街に向かおっか!魔物と闘いながらね!」
ここしばらく全く見かけなかった魔物だ。これはまさかーーー
「エリー!お前この魔物創っただろ!」
「あら、気づかれちゃった?そだよー、レイのために創ったトレーニングベアくんです!イイ感じでしょ」
確かに軽やかなフットワークに良いパンチをしているが…
「私自身は鍛える意味ないから、これは適材適所ってやつだよ!私のチカラを有効活用してるってことで!」
ーーーこいつ、やっぱりただのドSかもしれない。
レイが魔物と出会っていないのはエリイがレイに気づかれる前に倒しているからです
そもそも気絶してばかりなので気付くわけもない