プロローグ
処女作です。投稿日時もガバガバかと思われます。
「また失くして!道具だってただじゃないんだよ!このクソ息子が!」
「…すみませんでした」
謝ることしかできないためとりあえず謝ってはおく。だがどうしようもない。気付いたら手元から無くなっている。
自分のことはなんの変哲もないただの村(地名を教えてもらっていない)の、なんの変哲もない農家に生まれたただの男だと思っている。
ただ特殊な能力というのは世の中存在するかもしれないと思う。なぜならさっきまで使っていたものが忽然となくなるからだ。
元々黒髪で(不吉だとされる言い伝えがある)いじめられていたので、盗まれたのかと最初の頃は思っていたのだがどうやらそうではないらしい。
手に持って使っている最中になくなったこともあったのだ。不自然極まりないというか、明らかにおかしい現象だった。
自分が引き起こしている可能性が高いと思ったため制御できないものかと思ったのだが、これがなかなか難しい。
結局制御出来ずに様々な物を消してしまった。親から怒られる毎日だ。
こうして冒頭のように今日も叱られたのだった。
罰として表に立たされたのだが…
「ーーーーーー!!」
「ーーー!!」
耳障りな言葉を聞き流しながら殴られる。ただでさえ黒髪でマイナスポイントのある僕がこうして外に立たされているのはいじめの格好の餌食だ。
ストレスが溜まるのは分かるがなぜ他人にぶつけるのかよく分からない。他人にぶつけなければならないわけでもないだろうに。
そんなある日のことだ。
ここまでは僕にとってはなんの変哲もない日常だった。
「殴られてもヘラヘラしやがって、ほんと気持ち悪いなこいつ」
「こいつをボコボコにしてもあんまり意味なさそうだしよぉ、他のことにしようぜ」
「いい考えがあるぞ!こいつ向こうの林で犬をこっそりかわいがってるからよー、そいつの方を甚振ろうぜ!」
あぁ、どうしてこいつらはそんなふざけた発想しかできないのだろうか。
頭が痛くなる。
「おっいいねぇ、持ってきてこいつの前でボコボコにするか!」
ーーー他者を害することしかできない低脳どもが。
頭が割れるように痛い。
「両方とも無駄飯食らいだしな!俺らで両方処理しちまおうぜ!」
ーーー処理するだと?お前たちが?
意識が混濁する。
「…あぁ、処理するのは… 私の仕事だったな」
ーーーーーーー
「…やっと見つけた!」