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鉄血神話  作者: ゆっくり猫大佐
5/10

冒険者ギルド

少し遅くなりました!

感想をいただいた方、ブクマしていただいた方、そして読んでいただいた方とても励みになります!

これからも精進して参りますのでよろしくお願いします!


以上ゆっくり猫大佐でした!

カルマンもマーカスも俺が街へ行くことには了承したが、この姿は人目を引いてしまうことが問題だった。

どうしようか皆で思案していると、パルトニョールがある提案をしてきた。


『マスターの幻惑魔法で人間の姿に化ける事が出来ますが、如何でしょう?』


まさかそんな手があったとは……そうするか。


「俺の能力、幻惑魔法で人間の姿になれるんだが、それはどうだ?」


「そんな事も出来るのか、それなら魔物だとも悟られる事もないし、いいんじゃないか?」


マーカスは俺の提案に異論はないようだ。


「まぁいいだろう」


「決まりだな。もうここには用は無い、街へ向かう事としよう」




俺たちは、近くに停泊してあった飛行船に乗り込んだ。

飛行船は金属類で作られた無骨で堅牢なもので、確かな技術力を感じられた。

動力は、魔力を蓄えた貯蔵庫からエネルギー炉に一定間隔で魔力を送り込む仕組みのようだ。魔導飛行船だな。


「悪いが、俺たちはまだお前を信用した訳じゃない。少しでも変な真似しようものなら容赦はしないぞ」


ザムドがこちらを見て言ってきた。


「あぁ分かってる」


俺は魔物という扱いなんだし、そんな簡単に信用はできないのだ。

異世界からの転生というものがこの世界にとってどんなものなのかまだ分からないため、それを言うつもりはなかった。


「これから向かう街は、魔法都市ウィズ。魔力、魔素の研究が盛んに行われている。この飛行船もごく最近開発されたばかりの試作運用中の代物だ。それに、俺らのような冒険者が集うギルドもかなり規模が大きく、発展している街だ」


「君たちは冒険者なのか」


「儂は冒険者は引退した身じゃが、ここの調査のために依頼を引き受けてきたのじゃ。これでも最高のSランクの冒険者だったのじゃよ。この二人は現役のSランク冒険者じゃがの」


「緊急の依頼が出て俺ら三人が指名され、仮のパーティを組んでいるってわけさ」


なるほど……

俺の認識阻害をいとも容易く破ったことから考えても、姿を見せた時人間に化けていなくてよかったということだ。下手に正体を誤魔化そうとするとまずいことになりそうだと思ったし、ザムドだけならギリギリなんとかなったがこの三人を同時に相手取るなんて状況になれば流石に分が悪い。

まぁ、結果として街へ行けることになったし、着いたらこの世界の情報を収集することにしよう。


話していると飛行船がふわっと浮き上がり、段々と高度を上げて西の方角に進み始めた。

眼下には広大な森が広がり、時折大きな鳥が姿を見せていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数時間後、俺は飛行船の中にまだいた。どうやら俺たちがいた森から目的地のウィズまではまあまあの距離があるようだ。俺は船内を自由に動き回れないため自室として与えられた部屋にいた。やる事も特になくボーッとしていると扉がノックされた。


「入るぞ」


と短い言葉が発せられた。この声はザムドの声だ。


「ああ、入って来てくれ」


俺が部屋に入るように促すと、ザムドが入ってきた。何か用でもあるのだろうか?


「俺に何か用か?」


「ああ、お前の街に入った後の身柄の話だ」


これは重要な話だ。流石にあちらについても自由に行動することは出来ないだろう。

何せ俺は魔物だ。魔物を街に入れることさえ危険なのに、街を自由に動き回られて何か事を起こしたら対応するのが大変だという事だろう。


「それで俺の身柄はどうなるんだ?」


「取り敢えず、お前は俺らが救助した森での遭難者ということにする。安全性の確保とお前の監視を兼ねてお前にはギルドに申請して冒険者になってもらい、俺とパーティーを組んでもらう」


なるほど。もし俺が暴れても対処ができるように近くにいると言うことか。

これは了承する他ないな……と言っても俺に拒否権などほぼ無いだろうし、冒険者というのも興味がある。


「分かった、それで頼む」


俺がそう言うと、ザムドは頷いて部屋のドアを開けて出ようとした。

だが、ザムドは何か思い出したかの様に振り向いた。

俺に近づいて来て耳元で、


「街に着いたら街の西部にある、よろず屋マリシーを訪ねろ」


と言ってきた。


「お、おう」


ああ見えて意外と面倒見がいい人柄なのかもしれない。

俺がそんな事を考えている間にザムドは立ち去った。



それから一時間程経っただろうか、大きな街が見えてきた。


『街全体が高度な数十の結界で覆われており、不法な侵入は不可能となっているようです。』


すげぇ。パルトニョールの言葉通り、街の周りには柵や壁などは一切無く結界で守られているようだ。

この世界に転生して初めて目にする街に、俺は少なからず感動に近い感情を抱いていた。この世界のグルメを堪能するのもいいかもしれない。

飛行船は街の中心部にあるヘリポートのような場所に着陸し、俺は飛行船の外に足を踏み出した。


街並みは、パルトニョールが言っていた通り前世の中世くらいだ。

石畳の街道に様々な店が立ち並び、煉瓦造の建物がほとんどだった。

行商人、冒険者など様々な人たちで賑わい、活気に満ちている。


「では、ギルドに依頼達成の報告に行き、そこで解散とする」


ザムドに付いて俺たちは街道を通り、暫くすると前方に黒い煉瓦造の大きな建物が見えてきた。

中には多くの冒険者とみられる人で賑わいを見せている。

あれが…………


「この街の冒険者ギルドだ」


「ここが冒険者ギルドか。思っていたよりもデカイな」


「まあな、この街自体が発展しているからな。ある程度発展している街は基本このぐらいの規模のギルドがある」


どうやら冒険者ギルドという組織はかなり巨大な組織のようだ。俺はザムド達の後をついていきギルドの門をくぐった。

中に入るとそこは冒険者と思われる人々の怒号や笑い声など様々な声が聞こえとても賑やかな場所だった。奥には受付がありいくつもの窓口があった。

ザムドはそのうちの一つの窓口に行き、何やら受付の女性に話している。

するとその受付嬢がとても慌てた様子で奥の部屋へと消えて行った。

そして、それから1分ほどしてその受付嬢が戻ってきた。受付嬢はザムドに何か言うとザムドは軽く礼をしてこちらに戻ってきた。


「話していたのは依頼のことか?」


「ああ。今回の依頼は普通の依頼とは違って極秘依頼だったんでな」


そしてザムドは付いて来い、と言って俺たちをある扉の前まで誘導した。そして扉の前にいる警備員とみられる者に、


「例の依頼の件で来た」


と言った。すると警備員は分かりましたと言って扉を開けた。ザムドはSランクの冒険者というだけあって顔も広いようだ。

そして俺たちが全員扉を潜るのを確認すると扉を閉めた。そこから歩いて約一分ほどで、俺たちはいかにも重役がいるといような美しい装飾が施された扉の前にいた。

ザムドは扉をノックした。


「ザムドだ、例の依頼の件で来た」


すると中から


「入ってこい」


と言うとても威厳のある低い声が聞こえて来た。

そして俺たちは部屋の中へと入っていった。

部屋の中は書斎で、豪華だが質素でもあり、センスを感じさせる調度品が置かれていた。

部屋の奥の黒い木造りの座卓には初老の頰に大きな古傷のある男が脚を組んで腰掛け、葉巻を燻らせていた。机上のプレートには『ギルドマスター』と書いてある。


「ザムド、マーカス、カルマンよ、ご苦労だった。報告か?」


「早速だが、例の依頼を完了した。三人とも手傷は負っていない。やはり守護者は倒されていて戦闘があった地点にはエネルギー値の異常を確認した。守護者を倒したのは魔物で強大な力を持っていた。なんとか討伐したが、それにより再び周囲の魔素に異常が出てしまったために生態系の異変が懸念される。また道中で遭難していた旅人を見つけて保護した。それがこの男だ」


「初めまして。アレックス=オブリソーコフという」


「ようこそ我がギルドへ。これも何かの縁だ、この街でゆっくりしていくといい」


「そうさせてもらう」


「うむ。ザムドたち三人には報酬が手渡されるが、緊急だったためにまだ渡せないのだ、すまない。報告についてはまた精査しておく。ゆっくり休んでくれ、頼りにしている」


「光栄だ、礼を言う。では、これで失礼するとしよう」


俺らはギルドマスターに一礼し、部屋の外に出た。


「じゃあ、俺はこれで」


「儂も研究所に報告をしてくる故失礼する」


マーカスとカルマンはそれぞれのいるべき場所へ向かうようだ。

ザムドと二人で廊下を通ってる最中に、ザムドがこれからの行動の方針を伝えてきた。


「これから受付でお前の冒険者としての申請を行う。それから認定のための審査を受け、無事通過したら俺とのパーティ編成の手続きをする」


審査か……気を引き締めてかかるとしよう。

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