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つい最近聞いた声に振り替えると、そこに立っていたのは…
「こないだぶりだね、鈴華」
「そうだね、ひさしぶり、アリス」
わたしを見つめてくる鈴華に、何かが引っ掛かる。
ふだんなら、この前倒れたことを一番気にして、すぐに駆け寄ってきてくれるはずなのに…。
少なくとも、いつもの鈴華なら、そうしてくれる。
「あなた、誰?」
「鈴華だよ?どうしたの?まだ具合が良くないの?」
いや、鈴華じゃない訳ではない。
話し方や、しぐさはまったく同じ。
いつもと違うのは……、眼?
ふだんはすごく温かい目をしているのに、今日の鈴華の目は…すごく冷たい。
他の所が普段と変わらないのもあってか、一度気付くとすごく違和感を覚える。
「今日、何の日だと思う?」
「え?」
鈴華が何を言ってくるのか待ち構えていたので、全く関係のない話に間抜けな声が口からこぼれた。
「今日は、アリスにとって、特別な日なの」
「…どういう意味」
…私には思い当たることは何もない。
「あなた、いいえ、前のあなたにとってね」
どういう…こと!?
鈴華が、知ってるわけがない。
だって、私の前を知っていたのは、紫音だけ…っ!
私と、紫音と、同じ記憶持ち…?
「ふふ、いろいろ考えてるみたいだけど、たぶん全部外れてるよ?」
「ねぇ…、おかしいと、思ったことはなかった?」




