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見上げてみると、目の前に広がる青い青い空。
さんさんと照り続ける太陽。
「やっぱり天気のいい日は最高だね!」
「まぶしい……」
「え?そんなことないと思うけど」
「私、日光アレルギーだから」
あまり、日光アレルギーって知られてないけど、以外と日光アレルギー持ちはいるらしい。
まあ、正確にいうと紫外線アレルギーらしいからね。
私は少しならいいけど、あまり日に当たりすぎると肌が荒れたり炎症?を起こしたりする。
「え?ちょ!初めて聞いたんだけど!?」
「だって、言ってないし」
「え?え?どうしたらいいの!?」
「うるさい。それに日陰にいたらいいだけだし」
「ぁ、よかった~」
おかしい、何でそんなに私のことで心配するのかな?
今までも何回か思ったんだけど、出会って三日目でこれは結構おかしい。
ゲームでは何もなかったんだけど、今は現実だから、何があってもおかしくないからね。
「?、アリス?早く日陰に行こう?」
「ああ、うん」
「どうしたの?」
「いや、ちょっと眠いだけ……」
昨日は鈴華のこととか今の状況のこととか考えてて、あまり眠れてないんだよね。
いや、ほんとに、眠い。
「そうだ!アリス、お昼寝する?」
「いや、さすがに二人とも寝るのはちょっと」
「ううん、寝るのはアリスだけだよ」
「じゃあ何しとくの?」
「膝枕してあげる」
……、ひざ…まくら?
まって、確かこんな感じのイベントあったはず……そう、《紫》の攻略対象ルートの後半に起こるイベント。
もちろん、主人公と《紫》の攻略対象とのだけど。
まあ、鈴華ならいいか。
「わかった」
「え?いいの!?」
「うん。ていうかもう、むり……」
「わ、わかった」
日陰に引っ張ってってくれるけど、もう眠くて意識が……。
むりだ。
「鈴、おやすみ……」
意識が完全に途切れる寸前に、頭の後ろに柔らかい感覚あるなか、誰かに頭を撫でられた気がした。