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「黄京…くん……まっ…て……」
「いや走らないと、間に合わないだろ。それとももう一回抱っこしようか?」
「そ…れは……、やだ」
確かに走らないと間に合わないけど、さすがに一階から四階まで全力ダッシュはきつすぎる。
私、体力は全然ないからね。
「黒谷、気付いてなかったのか?もうチャイム鳴ってるぞ」
「え……、ほん…と…っ?」
「ああ」
「じゃあ…もう走る必要ない……じゃない…」
「まあな。じゃあ歩いていこう」
ふぅ、やっと息が整ってきた。
まさか、チャイムに気付かなかったとは……。
「おーい、そろそろつくぞ~」
「うん。怒られるかな?」
「うっ、それは嫌だな」
よし、やっぱり遅れて入るわけだから後ろから入らないとね。
「遅れてすみません」
「ああ、黒谷さん。八坂先生から話は聞いてますよ」
「すみません」
「黄京さんも早く席についてください」
「はーい」
よかった、お叱りはなしね。
さすが八坂先生。
……、さっきから鈴華がこっちをチラチラ見てくるんだけど。
「さあ、授業を再開します」
☆☆☆
やっと授業が終わった。
今日の出来事を軽く振り替えってふと思う。
ゲームの知識を思い出して三日目で三人も攻略対象に会うなんて、絶対におかしい。
それに《青》の双子にも《橙》の攻略対象である生徒会長には一応あってるからね。
「アーリースー!今からひまー?」
「ん、一応空いてるけど」
「!、じゃあ一緒に「勉強?」
「そうそう、勉きょ……いや違うよ!?遊ぼうって言おうとしたんだよ!?」
「ふふっ」
こういういたずらはたまにするからいいんだよね。
しっかりはまってくれる人がいないと意味ないんだけど。
……、学校でできる楽しい遊びって何かあったっけ?
「で、何したいの?」
「あ、えっと、そうた!今日は天気がいいし屋上に行こうよ!」
「ん、いいよ」
確か屋上で起きるイベントもあったはず。
いつだったか忘れたから、今日起きるかはわからないけどね。
土曜日まではとりあえず毎日更新しまーす。