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「ほら、そっち早く!」

「男子は関係ある人以外廊下にいて!」

「これ、胸回り少し細くしといて!」


 おはようございます。

 文化祭前日の教室、そこは戦場でした。

 戦場のど真ん中にいるアリスです。


「はい、アリス。手、あげて」

「は~い」


 クラスで鈴華と紫音以外ではじめて話しかけてくれた奈乃 瑠香(なの るか)こと、瑠香に着せ替え人形にされ続けて一時間。

 衣装係で私の服の担当だと言う瑠香の指示に最初は戸惑っていたけど、気付けば指示を理解する前に体が動くようになりました。

 はっ!これは新手の洗脳!?


「はい、後ろ向いて」


 はい、くるっとな。

 回転したときに視界の端には私より忙しそうにしてる鈴華と黄京くんが一瞬写った。

 あの二人は主役だからね。

 ほんと、脇役でよかったってすごく思ったわ。

 ……二重の意味でね。

 クラス劇的にも、リアル的にもってこと。

 もし自分が主人公だったら今鈴華がそうなってるように強制的に主役にされてたかもしれないからね。

 私が主役をやったら心労で倒れてたと思う。

 そういうところはラッキーかな。


「はい、それ脱いで次はこれを着てみて」

「はーい」


 しばらくはこの状態から抜け出せそうにはないや。

 まあ、みんな忙しそうにしてるけど楽しそうだし、私も楽しいからいいや!

 明日は、がんばるぞ!


「アリス~、勝手に動かないで」

「ごめんね」

「別にいいけど、何でいきなり手を掲げてるのよ…」


 さあ、がんばるぞ!

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