次なる戦い
ア・バオア・クゥー砦が完成して半月。ア・バオア・クゥー砦にネーゼ村の人間が丸々引っ越ししてきた。
ア・バオア・クゥー砦からネーゼ村に道を整備するという話をしたところ有力者の全会一致でそうなったのだ。
そうやってネーゼ村の連中を受け入れるとマッサチン国から商人が旧魏府王国領から難民が押し寄せるようになった。
流石に難民の受け入れはしなかったが、食料の支援は行ったので城壁の外に難民キャンプが出来上がっていく。
スラムが形成される前に手を打つべきだろうな。
「ソロモンの認証機構を導入されては如何でしょう」
考えを読んだかのようにアルテミスが提言する。
住民全員をギルド員として登録。カードで管理するのか。
「そうだな・・・並行して本拠地にも同じ機構を導入するように指示を。そろそろゴーストタウンな光景にも飽きてきたからな」
「御意」
アルテミスが静かに頭を下げる。
そう島に白露城だけぽっんとあった本拠地もワ国との交流をするようになって少しでも見栄えを良くするために少し前から建設ラッシュが始まっていたりする。
また女神リーブラ様が島に本格的に腰を落ち着けた為か島の南端に見たことのある祠ができ、見る間に教会になり気が付くと聖堂っぽい何かに成長していた。
それを街づくりの出稼ぎに来ていた人から聞いた大陸の敬虔な信者から参拝の申し込みやら移住の嘆願書があがっているという。
そろそろ入植者を募ってもいいだろう・・・あれ?モンスター召喚して住まわせたほうが良くないか?
「いまある膨大な魔力があれば多くのモンスターが召喚できるとは思いますが・・・程々にお願いします。あと合成をされては如何でしょうか?」
アルテミスに釘を刺された。
「いまは種類を優先すべきか・・・」
とりあえず召喚陣まで出向き頭の中で合成を選ぶ。
意外に選択肢が少ないな・・・うん
まずワイトと魔法銀バットが合成できるな。
<ワイトと魔法銀バットを合成しますか?<Y> N >
Yを選ぶ。なんだか前回より手順が丁寧だな・・・
<吸血鬼に進化が可能です。軍団に合成可能なモンスターがいます。使用する場合は8%の確率で希少種に進化可能です。<Y> N >
今更だが異なる個体を混ぜた場合、意識とか記憶はどうなるんだ?
うーん。ままよとYを押す。
<ワイトと魔法銀バット。どちらを主体に選びますか?<ワイト> 魔法銀バット>
ああ、なるほど、どちらの記憶を残すかが選べるんだ・・・
魔法銀バットを選んでYを選ぶ。
<ワイトと魔法銀バットが召喚され合成されます>
小さな魔法陣が二つ現れワイトと魔法銀バットが召喚される。
ぴかっ
光が二体を包みひとつの大きな光になる。
<ワイトと魔法銀バットが合成され真祖吸血鬼になりました。>
お、希少種か?
光が収まるのと同時にタキシードに身を包んだ銀の短髪に単眼鏡を掛けた赤い瞳。青白い顔の青年が姿を現す。
あれ?魔法銀バットは女だと思ったが性別変わったのか。
「マスター。御身の前に罷り越しました。今後ともよろしくお願い申し上げます」
真祖吸血鬼が片膝をついて頭を下げる。
「希少種か?」
「いえ・・・最初の吸血鬼という意味かと」
言われてみればそうか。少し残念。
「よろしく頼む」
「もったいないお言葉」
真祖吸血鬼はすっと後ろに下がる。
つぎは・・・
スケルトンとタイタンを新規に選択する。
新規は自我?がないのかどちらを主体に選びますか?の選択は無かった。
<スケルトンとタイタンが召喚され合成されます>
小さな魔法陣が二つ現れスケルトンとタイタンが召喚される。
スケルトンとタイタンが黒い靄に包まれひとつになる。
<スケルトンとタイタンが合成されガシャドクロになりました。>
黒い靄が消えるとともに
身長6メートルのスケルトンが現れる。
よく見ると頭蓋骨以外の骨が数体のスケルトンによって形成されているのが解る。
ぼう
ガシャドクロの眼窩に青白い炎が宿る。そしてゆっくりと頭を下げると真祖吸血鬼の横に並ぶ。
ガシャドクロ寡黙なのか喋れないのか・・・
武器は持ってないな・・・ハンマーかメイスを注文しておこうか。
さてつぎは・・・
「お館様。至急お伝えしたいことが」
不意に背後から声がする。この声はハンゾウか・・・
「どうした。どこか動いたか?」
すっとおれの前に仙人のような杖を持つ背の低い髭と眉毛が顔の大半を覆う老人ハンゾウが立つ。
「新魏府王国で物価が、特に穀物や鉄の価格が上昇しています。また、ギルドを通じて傭兵の募集が・・・」
「規模は、推測で構わない」
「戦闘員が1000非戦闘員が輜重隊を含め1500」
意外に規模が大きいな・・・陶卓と猿術との間に不可侵以上の同盟でも組んだか?
「30分後に軍団長会議だ。魏府王国との因縁はこれでケリを付けるぞ」
「御意」
ハンゾウは深く頭を下げた。
☆ ☆ ☆
新規モンスター
名前 真祖吸血鬼
種族 吸血鬼
分類 アンデット
性別 男・女
性格 イビル-ロウ
STR:12 INT:19 DEX:20 VIT:5 AGI:15 LUK :12
体力35/35魔力25/25
能力:リバース(一撃死しない限り攻撃後の体力全回復)
斬撃・精神系のダメージ低下
水系・火系のダメージ増大
状態異常・土系・風系系ダメージ無効化
魔法:魔の蠱惑(精神)レベルが半分以下の敵を数ターン動きを封じる。
特殊能力:眷属化(精神)レベルが1/3の敵を殺したとき敵を吸血鬼として支配下にすることが出来る。
レベルドレイン。接触した敵のレベルを2下げる。この行為は累積する。レベル以下のドレインを受けた相手は灰になる。
装備:タキシード
備考:アンデットの貴族。夜の支配者。
日光や聖水を浴びると灰になる。ニンニクや宗教的象徴を嫌う。流れる水を渡れない。コウモリや狼に変身する。
異性の美男美女の血を啜る・・・と言われるが弱点の大半は個人的な好き嫌い程度だというので注意が必要である。
その魔眼に囚われ真祖吸血鬼に殺されたものは吸血鬼に吸血鬼に殺されたものは劣化吸血鬼になるという。
ワイトと魔法銀バットが合成されることで発生が確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 ガシャドクロ
種族 巨人
分類 亜人間
性別 不明
性格 ニュートラル-ニュートラル
STR:30 INT:1 DEX:16 VIT:20 AGI:12 LUK :5
体力45/45 魔力1/1
能力:山岳地帯での移動ペナルティなし。
魔法:なし
特殊能力:なし
装備:なし
備考:体長6メートルを超える人型でスケルトンの巨人。
戦場で恨み辛みを抱いて死んだ大勢の死体の骨が寄り集まって巨人になったという。
そのため主に古戦場での目撃情報がある。
タイタンとスケルトンが合成されることで発生が確認された
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
ありがとうございました




