表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/118

砦の名

8本足のトカゲであるバジリスクを鋼鉄の雄牛ゴーゴン

少女の姿をした霊バンシーを鎧姿の幽鬼ゲシュペンスト

に進化させたところで悪韋から拠点におれを尋ねてマッサチン国から使者がきたという報告が来たのでレベリングを切り上げて戻ると…

「あ、うん…」

チート的速さでニーダ半島の砦やここの城壁を作っていたから築城の速さはある程度予想はしていたが、それ以上に砦の大きさに驚いていた。

悪韋は巨人族だ。お任せされて際限なく材料が使える状態なら自身に快適な建物を作るのは予想してしかるべきだった。

眼前には高さ13メートル・・・3階建のビルに匹敵する平屋の砦があった。

なぜ平屋と解るか?

建物に入るための入り口が9メートル近くあったからだ。

当然のことながら城壁の門も高さは9メートル近くあった。

「城門はこのままでもいいが普通の扉も忘れるな。城壁の門兼吊り橋は車輪の通行を考慮しろ。それぐらいだな」

「ありがとうございます。マッサチン国の使者は如何しましょう」

「椅子とテーブルがいるか・・・少し待て・・・」

アルテミスに思念を送りスケルトン海賊と牡牛人間(ワーベル)にテーブルと椅子。ドラゴンメイドズにお茶のセットを持たせる事を指示。

準備が出来次第召喚する。

巨人族基準のただっ広い謁見の間の真ん中に、どうにか会見できるだけの体裁が整えられていく。

「はじめ・・・ではないようだ」

ショートカットの赤髪にひらひらのカチューシャを装着した糸目の瞳。額や喉といった急所や肩から手の甲にかけては硬そうな紅い鱗を持つメイド服姿のドラゴンメイドに案内されてやってきたのは・・・

年のころは50代後半で頭頂部はかなり寂しくその色は黒から銀色に変わっている。

目は猫のように上がっていて鼻は鷲鼻。鍛えられた体は戦士として長く鍛えられていることが分かる港湾都市ジャンの太守でマッサチン国のマーケル・ドン・ジャクスン男爵だ。

「本国に召還でもされましたか」

そう言ってマーケルに席に座るように促す。

「・・・隠しても無駄ですか」

僅かに肩を竦ませてマーケルは席に座る。

彼の部下が彼の背中を守るように背後に立つ。

「お久しぶりですなソウキど・・・閣下。このような所で直接お会いできるとは」

「まったくです。この度は迷惑を掛けますね」

マーケルは思わず苦笑いをする。

クワトロを通じて裏で工作している貴族連中を除けばマーケルはマッサチン国では唯一おれを知る爵位をもつ人物だ。

「それにしても、なんですかこのバカでかい城は?少なくともこ一か月以内では基礎工事すら行われてた形跡は無かったハズですが」

マーケルはすっと目を細めて尋ねる。

いきなりの質問だが、当然と言えば当然か・・・

「悪韋」

「はっ」

隣りの部屋で控えていた悪韋がのっそりと姿を現す。

将来的にはこの部屋と隣りの部屋との間に扉を設置して悪韋が扉を開けて入ってくるという演出はありかもしれない。

マッサチン国の人間が完全に度肝を抜かれてるのが解る。

「我が部下。巨人族でキュクロープの悪韋といいます。悪韋。見せて差し上げろ」

「御意」

悪韋は小さく頭を下げると後ろの壁まで歩いて行き、両手をぽんと合わせる。

ごと

悪韋が手を広がると1メートル×2メートルの石板が鈍い音を立てて床に落ちる。

そして立て続けに石板を作り出すとあっという間に5メートル×8メートルのレリーフを作り上げていく。

うっ

思わず声が出そうになる。

レリーフにはおれと5人の軍団長アルテミス、菜緒虎、クワトロ、イヌガミ、リペッチオ、ヘウロパが描かれている。

これ、ちょっとした宗教画だろ・・・

「おおっ」

感嘆のため息が漏れる。気のせいかマッサチン国の人間の眼におかしな色が宿ったような気がする・・・

「何もないところから岩石が作り出せる特殊能力というやつですか?」

「そうです」

マーケルの言葉を即座に肯定する。

「護岸工事に街道の整備・・・軍事的にも経済的にも大活躍出来そうな部下をお持ちのようで」

嘘偽りのない心境だろう。

「こことソロモン、それとネーゼ村との間に道を通すのはいいかもしれないな。悪韋。ここを整えたら着手するように」

「御意」

悪韋が頭を下げる。

ソロモンで生産された商品をここに運び込みマッサチン国や劉美の国に卸すのは良い手だな。

いつ次の魔法門(マジックゲート)が手に入るか解らないのだからこの辺は整備しても良いだろう。

「そういえばソウキ閣下。ここの城の名前はなんと?」

マーケルが尋ねてくる。ああ、そうか・・・マッサチン国と魏府王国の間のまったくの空白地にいきなり砦を作ったから名前がなかったな。

さて勝手に命名しても良いものだろうか?

「わ、私も知ってしまった以上は本国に報告しませんと。ちなみに地名もありません」

そうなのか・・・

「わたしが勝手に命名しても問題ありませんか?」

その問いにマーケルは静かに頭を縦に振る。いいんだ・・・ならあれがいいな。ソロモンに対となる要塞。

「この砦をア・バオア・クゥーと名付けましょう。とある地方に伝わる塔に棲む幻獣の名前です」

某国民的ロボットアニメに出てくる要塞の名前として有名だが、元ネタはアラビアン・ナイトでも触れられてる幻獣だ。

「ア・バオア・クゥー城をここに拠点を築く意味は解ります。それで関所は設けるおつもりですか?」

そういえばマーケルの治める港湾都市ジャンは周りを劉美の国と我が国に囲まれた飛び地だったな。

関所を置かれたら大問題か・・・主に塩の流通という意味で。

だがここで塩の流通を保証してやれば新魏府王国を揺さぶることが出来るか?

「それは貴国の態度次第でしょう」

微かにマーケルの身体が震えるのが見えた。


☆ ☆ ☆

新規モンスター

ゴーゴン

種族 ゴーゴン

分類 動物

性別 雄 雌

性格 イビル-カオス

STR:18 INT:6 DEX:19 VIT:20 AGI:15 LUK :2 

体力25/25魔力8/8

能力:石化のブレス(ブレスの範囲にいる複数の相手を高確率で石化させ5ターン以上動けなくする)

   毒・石化の無効化

魔法:なし

特殊能力:灼熱の血潮(ダメージを与えた相手に高熱の血を浴びせて残った体力の1/10のダメージを与える)

装備:なし

備考:体長は2メートル前後に達する鋼鉄の雄牛。

同じ名前をもつ毒蛇の髪に半人半蛇のモンスターがいるが危険度はこちらの方が高い。

バジリスクの視線が砂漠を産むようにゴーゴンはその吐く息で砂漠を産むという。

またその体内に流れる血はドロドロに溶けた鉄であり鋼鉄の身体に傷をつけても手痛いしっぺ返しを喰らうだろう。

バジリスクをレベル30まで育てることで進化することが確認できた。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。


ゲシュペンスト

種族 ゴースト

分類 アンデット

性別 不明

性格 ニュートラル-ニュートラル

STR:25 INT:15 DEX:25 VIT:25 AGI:35 LUK :0 

体力30/30魔力25/5

能力:透過(固体をすり抜ける)

   飛行(地形効果の無効化)

   精神系のダメージ小

   物理攻撃の攻撃の無効果

魔法:ゲシュペンストの雄たけび(周囲の敵モンスターの移動力を高確率で1にする)

特殊能力:死の指先(ゲシュペンストの雄たけびの抵抗に失敗したモンスターに触れることで高確率で死に至らしめる)

装備:なし

備考:戦場で死んだ騎士の魂が戦乙女によって天に導かれることなく地上に留まり続けた結果、最凶の死霊に変貌した姿。

見た目が死騎士(デスナイト)なので混同されることも多いが、混同した場合は生還することは難しいとされている。

なぜなら死騎士(デスナイト)は物理的な障害物を越えるのには時間がかかるがゲシュペンストに物理的な障害物に意味がないからだ。

バンシーのレベルを30以上することで進化することが確認された。

ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ