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賢業州侵攻 その3

時間の経つのが早い・・・

ネタが枯渇してるので一人称以外のシーンも入れていきます

賢業城から北に10キロ離れた山の麓にある森の中に小さいながら陣幕が張られていた。

陣幕の色はまわりの森に溶け込むような目立たないダークグリーンをメインにした迷彩柄。

そしていまここにいるのは、おれとリッチで軍師のアルテミス・ウッドエルフで侍大将、軍団の総大将でもある菜緒虎・剣士のクワトロ・ワーウルフのイヌガミ・ハイエルフのリベッチオといった6人の部隊長・・・いや6人の軍団長に上空で偵察任務従事している2羽の(ロック)鳥がいるだけだ。

それ以外のモンスターは既に収納している。収納してしまえば部隊を完全に隠蔽できるのは本当に便利だ。

「真なる敵の存在が確認された」

この言葉に6人の軍団長の間で空気がざわつく。

「何をざわつくことがある。いまやってることの延長だぞ」

「何をざわつくことがある。いまやってることの延長だぞ」

そう。おれの最終的な目標は女神リーブラのライバルである神様候補の二人の亜神がこの世界に呼び寄せた召喚士を滅ぼすことである。

いま領土を野心的に広げているのはこの二人を炙り出すのに最も手っ取り早いからだ。

はいそこ初めて聞いたみたいな顔をしない。

「差し支えなければ根拠をお聞かせください。あ、敵が軍団転移(チェンジ)の魔法を使用したことでしょうか?」

「可能性・・・だがな」

菜緒虎が質問と答えを同時に発言したので殊更大仰に正解だと答える。

「ハンゾウ」

「はっ」

影が滲むように揺れて作務衣姿に身を包んだ白髪の老人ハンゾウが姿を現す。

「賢業城に侵入し今回おれ達を撃退した第一功労者の情報を集めろ。噂レベルで抑えろ。火中の栗を拾う時ではない」

ハンゾウは小さく頷くと影に紛れる。

「アルミス。ハンゾウが持ち込んだギープ王国の一次資料の官報からここ2年の・・・科挙の上位合格者を武官文官問わず洗い出せ」

「はい」

「クワトロ。小さくてもいいからマッサチン国を動かせないか?」

「檄文ですか・・・やってみましょう」

クワトロはふむと小さく頷く。

「他の者は待機。状況次第では賢業城攻略を優先する」

はっ

6人の軍団長は深く首を垂れた。


-賢業城-

賢業城は酔っていた。破竹の勢いで勢力を広げていたモンスター軍団を軽歩兵にそれなりの被害は出したものの撃退したのだから当然である。

「殿・・・」

白、いや白金の毛並みの端正な顔立ちをした身長が190センチはある・・・体格からして男のような狐人間(ワーフォックス)が赤いメタリックな鱗のドラゴンスチュワードに声をかける。

「おお、蝶御史。ちゃんと飲んでおるか?」

賢業州州牧である孫呉伯夫(そんごはくふ)は目の前の白金の狐人間(ワーフォックス)の顔をちらりと見ると酒の入った杯をグイッと(あお)り酒臭い息を吐く。

白金の狐人間(ワーフォックス)、名前を蝶瑜紅琴(ちょうゆこうきん)という。

2年前にギープ王国の官僚選抜試験である科挙を主席で合格。今年から監軍御史-ここでは州牧が軍事暴走しない為の見張り-として中央から賢業に派遣されてきていた。

「殿が我が国一のいのし、武将であることは知っています。ですが、先の行動はあまりにも軽率過ぎやしませんか」

蝶瑜は孫呉の目の前の机を叩く。

「結果的に蝶殿の助力もあって撃退が出来たのだから良いではないか」

手酌で杯に酒を注ぎ、孫呉はその杯を蝶瑜に渡す。

「良くありません。軽歩兵に甚大な被害がでて、私も切り札を切らざるを得ませんでした」

蝶瑜は杯を引ったくり一気に飲み干す。

「そういえばあの魔法・・・軍団転移(チェンジ)だったか、あれは便利だな」

孫呉の顔はもっと早く教えてくれればあのモンスター軍団を相手に勝つこともできただろうにと雄弁に語っている。

その顔をみた蝶瑜は小さくため息をつく。

この力は蝶瑜自身の力ではない。彼が仕える人物の大魔法を封じた真夜中の指輪(リングオブミッドナイト)の力だ。

「酒は飲んだ。もう下がっていいぞ」

孫呉が面倒くさそうに手を振るので蝶瑜は小さく頭を下げて退室する。

「えらく不愛想ですね。いくら**の寵愛を受けているからといって不遜すぎませんか?」

「うんぁ?仕方ないだろ。俺だって御史台の長官を後ろに背負ってる奴を相手に派手に喧嘩できるかよ」

あまり顔に覚えのない男だが、あまりにも心情を汲んだ合いの手に孫呉は気分を良くして酒の入った壺をそのまま豪快に呷る。

それを見て孫呉に声をかけた男は酒を持ってくるよう給仕をしていた下女に目で合図を送る。

「ささ、嫌なことは忘れて」

男は下女から酒の壺を受け取ると栓を抜き、壺の中にこっそり何かを放り込むと孫呉に渡す。

「おう気が利くな」

孫呉は酒壺を受け取るとグビグビと音を立てて飲み干す。

「おう。なんだ?口当たりがいいな」

孫呉はグイッと口元を拭うとそのままひっくり返りゴーゴーと派手なイビキを立て始める。

あらあらと下男下女が孫呉の周りに集まってくる。

「殿には困ったものです。さあ寝所にお運びを」

男が近くにいた下男に指示を出すと、数人の下男が集まってきて孫呉を抱えて退室する。

「さあお開きですよ」

パンパンと手を叩き男は解散を宣言をした。

広間にいた全員が州牧に近づいた男の顔に見覚えが無かったのだが、それを誰も気にすることはなかった。


☆ ☆ ☆

名前 クップファードラゴン

種族 ドラゴン

分類 動物

性別 雄・雌

性格 イビル-カオス

STR:50 INT:20 DEX:18 VIT:50 AGI:18 LUK :20 

体力105/105 魔力30/30

能力:腐食性ガスのブレス(低確率で相手の基礎体力そのものを10減らす・ターン毎にダメージ10を追加)

   腐食性ガスのブレス(レベルの低い武器防具を破壊する)

火系のダメージ減少

魔法:なし

特殊能力:怒りの咆哮(被ダメージに比例して攻撃力が増加)

装備:不可

備考:陸上モンスターの頂点に君臨する絶対王者が成長した姿。

体色は深く黒光りする金属色から銅色へと変化している。

強力な腐食性ガスのブレスはさらに威力を増し武器や防具すら蝕む。

卵や幼生体のころから育成するなら飼いならすことは可能だと言われている。

洞窟での目撃情報が多い。

ブラックドラゴンをレベル60までそだてることで進化することが確認された。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。

ありがとうございました

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