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目的は図鑑ではなく・・・女神リーブラの告白 ※改題

この物語はモンスターを観察して図鑑をつくるのではなくモンスターの軍団を率いて覇を唱える戦記っぽくなります。お詫びします。

なお主人公はあくまでもモンスター図鑑を作ることを主眼としており邁進していきます。

海は広いな…と言いかけて言葉が止まる。

目の前には、幼さが残る顔に蒼い大きな瞳にショートカットのピンクの髪。

身長は150㎝前後でサイズは上から90・52・92。いわゆるけしからんちびっ子。

おれをこの世界に召喚した女神リブーラ。

「えっと何か用ですか?」

ワザとらしく不機嫌そうな声で尋ねる。

「えっとえっとえっとですね…うわーんごめんなさい」

リブーラはいきなり大声で泣き出した。

それから30分。どこにこれだけの涙が収納されているのかと感心するほど涙を流していたリブーラは不意に泣くのを止める。

「じつは・・・」

そしてぽつりぽつりと話し始める。


この世界は彼女が師と仰ぐ神が創造したもので彼女はその神の言葉を地上に住む信者に伝える天使だった。

彼女の長い長い修行結果、ついに神の資格を取るまで成長することができたのだが、神様連盟に加盟するための最終試験が課せられた。

彼女が師と仰ぐ神の弟子…つまり彼女の2人の兄弟弟子を相手にこの世界の後継者の座を争うことになったのだ。

それから100年間の協議の結果、自分がこれだと思った別世界の人間をこの世界に召喚し師の作った世界で覇を競わせることになった。


「だったら最初からそういって助力を乞えばいいじゃないか」

「それがですね、以前に召喚したふたりの方は無理して死んだり消極的になって閉じこもったりして最初のステージすら突破できませんでした…」

あ、うん、察した…ロリ巨乳女神にいいところを見せようとして無茶したり命の危険を感じて疑心暗鬼になったりしたんだな。

「で、そういう裏事情をいきなり暴露する気になったのはなぜ?黙ってりゃいいでしょ」

「騙しているのが心苦しかったのです」

リブーラはものすごく困った顔をして頭を下げる。

「まぁなんとなく、最初のマップの感じからして昔好きだったシミュレーションRPGみたいだなぁって思ってたからなぁ・・・」

「シミュレーションRPG・・・ですか?」

リブーラの顔がキョトンとなる。

貴女(リーブラ)の依頼であるモンスターの生態を調査し図鑑にしよう。その過程で邪魔する奴は排除する」

そういってリブーラの頭をポンポンと叩く。

「それでいいじゃないか。任されて」

リブーラは最初に何を言われたのか理解できず目が点になっていたが、すぐに気付いて満面の笑みを浮かべる。

「で、女神さまの加護とか何か受けられるの?」

「あ、はい。今は加速と治癒しか使えませんが、社が大きくなれば使える大魔法も増えるはずです!」

お、魔法使えるんだ。しかも大魔法・・・ああ、あれか?スモールドラゴンに掛けたら移動力が増えたあれか?あれがそうなのか?

「はいマスター」

アルテミスがすかさず肯定する。

「ところで社が大きくとかどうすれば解るの?」

「それはですね、最初に手に入れた土地の…」

そういってリブーラは両手を抱える抱えるような仕草をする。すると両手に拳大の水晶が現れた。

「いまはまだ小さな祠程度ですが、支配する土地が増えて民草がわたしを信仰するようになれば規模が大きくなっていきます」

水晶に映るものをリブーラは祠というが、どちらかというと雨が凌げる程度の屋根だけのなにかに祭られたお地蔵さんだな…


「そういえば貴女(リーブラ)が加護する人々の信仰の結果とか言ってなかったか?」

「はうぅぅぅ。100年活動も実績もない天使程度の信仰なんて簡単に廃れちゃいます。いまは前神(ししょう)の力の残滓がある程度なんです」

なるほど。

貴女(リーブラ)と頻繁に話すことはできるの?」

「祠に来て頂ければできます」

「了解」

「ではよろしくお願いします」

リブーラは深々と頭を下げると姿を消した。

<<最終クエストが達成されました>>

荘厳なファンファーレと共に体が光に包まれる。

<<スケルトンのレベルが上がり進化の条件を満たしました。進化しますか?>>

おれも進化対象なのか。

スケルトン戦士 <<スケルトン魔法使い>> スケルトン弓兵 ゾンビ

前線で戦わないので魔法使いを選択する。

<<大魔法として簡易召喚陣と収納を覚えました>>

なんだそれは…

「簡易召喚陣とは召喚したモンスターに限り魔法陣がなくても召喚ができます。収納とは隣接した配下モンスターであれば保有状態に戻すことが出来ます」

便利だな…とりあえず魔法陣の上に乗る。

「既存のロック鳥五体すべてとバットを一体召喚」

声に応じて即座にモンスターが召喚される。

索敵開始と思念を送るとモンスターたちは六方に向かって移動を開始する。

さてここで調べられるモンスターは何かな?


<<以下のモンスターが召喚できます>>

<<マーマン>> オクトパス ミズチ

収納を覚えたので2種類3体を召喚することにする。

マーマンは上半身下人身半魚の生物。いわゆる人魚だ。召喚されたのはショートカットの青い髪に碧眼の女人魚(マーメイド)と同じくショートカットの緑の髪に碧眼の男人魚(マーマン)

魚である下半身は少しだけど浮いているようだが陸地での移動は苦手そうだ。

オクトパスはまんまタコ・・・ただし体長は10メートル近い。滑るように移動するがやはり動きは少し鈍い。

そしてミズチは鋭い鉤のような大口を持つ体長6メートルの巨大ウツボだ。これは二匹とも即座に保有状態に戻した。浜に打ち上げられた魚そのものなのでここでは役に立たない。

「お前さんたちは海から海岸線沿いに北上してくれ」

マーメードたちは小さく頷くと海に向かって移動を開始する。

タコ意外に早いな…


「保有モンスター召喚」

主力であるスケルトン戦士・スケルトン魔法使い・アルテミス・ブラックドラゴン2体・ウッドエルフ2体を召喚する。

「東は海だからここからの侵攻はないだろう。ブラックドラゴンを壁にして北へ向かってくれ。ドラゴンの交代要員はすぐに送る」

命令を受けて主力が動き出す。

続けて支援のエルフとスケルトン・スモールドラゴンをそれぞれ2体づつを召喚して先発隊を追いかけるように指示する。

とりあえずはこれで様子見だ。

「敵発見」

北西に向かっていたロック鳥から思念が入る。敵は2匹のミズチ。

「敵発見」

次は北に向かっていたロック鳥から思念が入る。敵は3匹のゴブリン。


「支援が到着するまで待機」

そう命令するが北のロック鳥はゴブリンに向かって攻撃を開始する。

高い位置からの急降下。両足を突き出し爪による攻撃。

しかしゴブリンは盾を掲げてこれを防ぎカウンター気味に石斧を叩き込む。

ギャっと叫び声が上がる。

すかさず後方にいたゴブリンが石斧を叩き込む。

ロック鳥は叫び声も上げられず地面にたたき落され消え去る。

ゴブリンの体が光りを放ち・・・えっとこれは・・・

ゴブリンの貧弱だった体に若干の筋肉がつき口の下からは鋭く太い犬歯が伸びてくる。

持っていた石斧は両手持ち棍棒に盾の代わりにおんぼろながら皮の鎧を着ている。

ホブゴブリンである…まぁこちらが進化するならあちらも進化するよね。

「ゴブリンを叩け。進化したヤツはスケルトンかエルフに叩かせろ」

応と答えが返ってくる。


前線にたどり着いたブラックドラゴンがホブゴブリンたちに向かって霧状のブレスを吐く。

たちまちホブゴブリンとゴブリンの皮膚の数か所がただれる。

続いてウッドエルフが長弓を放ちゴブリンをハリネズミに変える。

スケルトン戦士がホブゴブリンにスケルトンがハリネズミでないゴブリンに襲い掛かる。

ホブゴブリンが棍棒を振り下ろす。スケルトン戦士が盾で流す。

スケルトンがゴブリンを袈裟斬りに剣を振り下ろす。

ぎぃ

ゴブリンが血飛沫を上げて倒れる。

ザン

倒れたゴブリンにスケルトンは躊躇なく剣を突き立てる。

スケルトンの体が光を放つ。


<<スケルトンのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>

声が聞こえてくる。

「どういう進化が可能か?」

問いかけるのと同時に選択肢が出る。

<<スケルトン戦士>> スケルトン魔法使い スケルトン弓兵 ゾンビ

お、ゾンビが選べるようになったじゃありませんか。

ゾンビを選ぶと進化が始まる。

骨に筋肉が血管が纏わり付き、腐ったような肉が湧き出す。グロいですグロ過ぎです。

「あ゛ぁぁぁ」

ゾンビがホブゴブリンに向かって歩き出す。


「敵発見」

北西に向かっていたロック鳥から思念が入る。

こちらは3メートルを超える巨大な人間。トロールだ。

「アルテミスとスケルトン魔法使い。エルフと戦闘に参加していないブラックドラゴンはトロールに向かえ」

応と答えが返ってくる。ロック鳥以外は結構素直だな。

「ワレ接敵ス。戦イニハイル」

北東のミズチに向かっていたタコ…オクトパスから思念が入った。

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