鞍馬家宗家の乱
登場予定軍団
第四軍
ホワイトドラゴンα
リペッチオ 和弓・細剣・硬革鎧・鉢金・籠手
緑髪ショートの祓魔士 鉾鈴・巫女服・胸当て・鉢金・籠手
ドラゴンメイド 箒・胸当て・メイド服・カチューシャ・籠手
死の狙撃手 クロスボウ・ロングボウ・鎖鎧・皮兜・狼の籠手
第五軍
レッドドラゴンβ
イヌガミ クローナックル・硬革鎧・鉢金
鞍馬香良 錫杖・胸当て・鉢金・籠手
アルテミス 雄山羊の杖・ローブ
ゾンビ 皮兜・硬革鎧・籠手
菜緒虎 同田貫・本多忠勝具足写一式・長弓
主人公 金珠の杖・ローブ・黄昏の腕輪
初月寺。先日おれに喧嘩を吹っかけ目出度くお取り潰しに近い処分を受けた鞍馬家に唯一残された百田家領にある所領であるイーガにある鞍馬家の菩提寺。
造りはまんま日本の中規模なお寺である。
門前町が形成されているということは近隣からもそれなりに参拝客がくるのだろう・・・
「到着しました」
御者である香坂雅の弟で香坂雅忠が声を掛けてくる。
江戸時代の日本風なのに馬車があるというのは最初は違和感があったが4日も見ていれば慣れてしまった。
「お館さま。確保しました」
御者の隣に座っていたはずの鳥人間鞍馬香良がドアの外から声を掛ける。
ドアを開けまず降りたのは腰にまで届く藍黒いポニーテールに猫っぽい紅い瞳の10代半ばの少女。紅い百合の柄を施した着物を着た香坂雅。
手を差し出したのは長いポニーテールの黒髪黒眼。背中に鴉の羽がついてる山伏装束の香良。
隣にはスポーツ刈りのように黒髪を刈り込んだ紅い瞳の青年。雅忠が立っている。
「これが初月寺ですか」
次に降りたのは長い金髪を頭のてっぺんでお団子状にまとめた若干のつり目の碧眼、笹穂状の耳ウッドエルフの侍大将である菜緒虎。
最後におれが降りる。
「・・・お待ちしておりました」
香良と雅忠の間にいた袈裟を着た老人がおれを見て一瞬固まる。おれがスケルトンだから仕方ないな。
ざっと周りを見回す。本堂の正面の間取りは約20メートル。引き戸の高さは3メートルはある。離れの僧房はあまり大きくないので手入れは大変そうだ。
四方の柱に屋根をかけただけの建物には青銅であろう大きな鐘が吊ってある。
「僧正。これを・・・」
おれは唐栖の頸桶を僧正に渡す。
僧正は一度拝むと恭しく頸桶を受け取る。
続いて黒糸威二枚胴具足が納められた黒い葛籠を差し出す。
「お預かりします」
これも恭しく受け取る。
「では雅殿。鞍馬家に乗り込もうか」
「は、はい」
心なしか雅の顔は引きつっていた。
「鞍馬家の暫定当主に会いたい」
初月寺から2時間ほど山奥に入ったところに鞍馬家出生の屋敷があった。
「しばらくお待ちを・・・」
門番らしい男がおれ達の方に一瞥をくれると屋敷の中に入っていく。
「雅殿・・・どうやら我々は招かれざる客のようだぞ・・・」
目の前に魔法陣が現れたのを見て雅に耳打ちする。
「それは本当ですか?」
「間違いないでしょう・・・戦力にならないあなたたちは背後に下がってください」
「それは・・・」
雅忠は顔をしかめるがおれ達の道案内ということで武装していないのだから仕方ない。
「お館さまの敵」
屋敷からバラバラと十人ほどの武装した僧兵姿の男たちが現れる。
ヒュン
僧兵の一人が弓を放つ。
チンと菜緒虎の同田貫が鳴り・・・
バキッ
乾いた音共に矢が真っ二つになって落ちる。
「第五軍召喚」
ぼっぼっぼっ
おれの周りに光の柱が立ち昇る。
即座にレッドドラゴンβ、この度イヌガミの名を拝領した二足歩行の狼ことワーウルフ、軍師であるスケルトンの上位種のひとつリッチのアルテミス、腐った死人ゾンビが召喚される。
「菜緒虎は香坂姉弟を護衛」
「御意」
すすっと菜緒虎は香坂姉弟の近くに待機する。
「蹂躙せよ」
了と答えが返ってくる。
移動してスペースが空いたところに四体の岩鳥を召喚し四方に斥候を放つ。
「第四軍召喚」
ぼっぼっぼっ
再びおれの周りに光の柱が立ち昇る。
ホワイトドラゴンαにリペッチオの名前を拝領した短い銀髪の若干のつり目の紅眼、笹穂状の耳に肌は日に焼けたようにやや濃いハイエルフのお姉さん。緑髪ショートで僧侶から進化した祓魔士。
ロングの茶髪に大きな茶色い瞳のメイド服。額や喉といった急所や肩から手の甲にかけては硬そうな鱗。背中には大きな蝙蝠の翼のドラゴンメイド。
クロスボウを構えたスケルトンの上位種である死の狙撃手が召喚される。
「なんなのこれ・・・人間で何とかなるの?」
雅の上ずった声が聞こえる。
「うぉおおおお」
僧兵が長刀を振り回しながらレッドドラゴンに突っ込む。
ガキン
レッドドラゴンは器用に長刀に噛みつく。
パキン
僅かに抵抗したあと長刀はあっけなく砕ける。
ぶん
レッドドラゴンの尻尾が僧兵をなぐ。
ぐぉぼっ
大量の血を吐きながら僧兵が吹っ飛ぶ。
弱いな・・・
「どりゃあ」
僧兵が長刀を上段に構え一番弱そうなゾンビに突っ込む。まぁそうなるな・・・
ジャ
死の狙撃手のクロスボウが僧兵の太腿を貫く。がくんと体勢が崩れた状態でゾンビの前に飛び出す。
「い、ヤメテくれ」
ゾンビにがしっと顔を掴まれ僧兵は小さく顔を振るが当然止めることもなく・・・
がぶっ
ぎぃぃぃぃやぁぁぁ
僧兵は顔面を噛みつかれて悲鳴を上げる。
二度三度ゾンビは何度も噛みつく。
やがて僧兵は動かなくなる。
<<ゾンビのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>
<<進化しますか?>>
Yを選ぶ。
どろり
ゾンビの腐った肉の部分が溶け落ち・・・腐っていないところから肉がボコボコと湧いてくる。
<<ゾンビがグールに進化しました>>
骨だけだったスケルトンに腐った肉が付き腐った死人が死人喰らいに進化か・・・この進化はどこに行くのかね?
「がぁ」
うわっグールが叫んだ叫んだ。しかも動きが俊敏だぞ・・・
グールがものすごい勢いで近くの僧兵に襲いかかる。
グールの爪からは緑色の液体がしたたり落ちていてかなり見た目がヤバイ。
がりっ
グールの振り下ろした爪が僧兵の手の甲をかする。
見る間に僧兵の手が紫色に染まる。
「平癒」
すかさず僧兵は自分の手の甲に手をかざして叫ぶ。
「ぬぅ。ただの傷ではないのか・・・根治」
どうやら解毒系の呪文らしい。紫だった手の甲は青くなり赤くなりピンクになり元通りになる。
ひゅん
グールの毒を治した僧兵の額と喉にリペッチオと死の狙撃手の矢が突き刺さる。
「はいや」
ドラゴンメイドが箒を僧兵の頭に落とす。
ぐしゃ
鈍い音ともに頭を砕かれた僧兵は地面につっぷす。
「ひゃあっはー」
イヌガミが奇声をあげながらクローナックルをクロスさせ僧兵にジャンプして躍りかかる。
僧兵は慌てて長刀を掲げるがイヌガミは正確に長刀を掲げている僧兵の指を切り裂く。
ぐぁ
悲鳴と共に長刀を落とす僧兵。
「そらよ」
イヌガミは着地すると同時に僧兵を蹴り飛ばす。
僧兵が大きく弧を描いてレッドドラゴンのほうに飛んでいく。
がぁ
ホワイトドラゴンが大きく口を開けて飛んできた僧兵をキャッチする。
ごしゃごしゃごしゃ
肉が骨ごと咀嚼される鈍い音がする。
「う、うわぁ」
残った六人がパニックを起こし屋敷の方へと逃げ始める。
「アルテミス。三度右だ」
「はいマスター。原始の闇よ」
アルテミスが雄山羊の頭の乗った杖を振ると逃げる僧兵たちの横にどす黒い塊が生まれる。
「ひぃ」
情けない声をあげ僧兵たちは黒い塊を避ける。
ひゅう
レッドドラゴンの喉が大きく膨らみ口から炎が漏れる。
ごぅ
逃げる僧兵を飲み込むよう放射線状に火炎のブレスが掃射される。
たちまちのうちに五体の消し炭か生まれ崩れていく。
<<レッドドラゴンのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>
<<進化しますか?>>
Yを選ぶ。
ボン
レッドドラゴンのレッドドラゴンの身体が炎に包まれる。
やがて炎の中から巨大な羽をもつ一回り大きな鮮やかな朱色のドラゴンが姿を現す。
<<レッドドラゴンがファイヤードラゴンに進化しました>>
「ひぃぃぃあははぁぁ」
唯一生き残った僧兵がその場でへたり込みけたけたと笑い出した。
かわいそうに壊れたらしい。
とりあえす止めを刺す前に召喚の魔法陣に乗り新規モンスターを確認する。
魔法使いに僧侶に…お……下忍…下忍きたーって選べないぞ?
「マスター。たぶん人間がいる」
斥候に放っていた岩鳥からの思念が入る。
視点を岩鳥にあわせるとそこには…鞍馬家で見た黒装束たちより遙かに忍者らしい衣装に身を包んだ長髪の老人が微動だにせず立っていた。
「グールは壊れた僧兵を見ていろ…菜緒虎は香坂姉弟を引き続き警護。おれは老人の元に行く」
了と思念が返って来た。
☆ ☆ ☆
新規モンスター
名前 グール
種族 グール
分類 アンデット
性別 不明
性格 イビル-カオス
STR:8 INT:5 DEX:4 VIT:8 AGI:6 LUK :2
体力25/25魔力3/3
能力:
状態異常の無効化
魔法:なし
特殊能力:毒の爪(低確率で相手に毒を与える)
麻痺の爪(低確率で相手を麻痺させる)
装備:服
備考:すべてのアンデットはスケルトンより始まる。
戦場や墓場で死体を食い散らかすため墓掘り人の異称を持つ。
グールに喰われた死体はアンデット化しないため戦場に出没する分には人間に危害を及ぼさない限りは放置される傾向にある。
ただ新鮮な死体を好むので結局は討伐対象にはなるという。
戦場や墓地で目撃される。
ゾンビをレベル30まで育てることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 ファイアードラゴン
種族 ドラゴン
分類 動物
性別 雄・雌
性格 グッド-ニュートラル
STR:30 INT:15 DEX:6 VIT:30 AGI:5 LUK :10
体力65/65 魔力15/15
能力:火炎のブレス(火・威力中規模ながらターン毎にダメージ10を追加)
火系のダメージ無効
魔法:なし
特殊能力:怒りの蓄積(被ダメージに比例して攻撃力が増える。)
装備:不可
備考:陸上モンスターの頂点に君臨する絶対王者が成長した姿。
体色は深い紅色から鮮やかな朱色へと変化している。
強力なブレスは火炎から大火炎に変化しており負わされた火傷は時間の経過とともに相手を蝕む。
卵や幼生体のころから育成するなら飼いならすことは可能だと言われている。
洞窟での目撃情報が多い。
レッドドラゴンをレベル40までそだてることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
ありがとうございました




