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ワ国上陸 その2

当初予定だと同盟締結するはずだったんですけど、どうしてこうなったんだろう・・・

「香良。お前裏切ったのか?」

唐栖は憎らし気に香良を睨む。

「先に(それがし)を切ったのは親父殿でありましょう・・・しかも伝来の武具を手に入れる欲から(それがし)の面子まで潰して」

香良は唐栖の横にある黒糸威二枚胴具足(くろいとおどしにまいどうぐそく)を睨む。

「なんとでも言え」

顔を真っ赤にして唐栖は叫ぶ。

「さて香良殿・・・少し下がってはもらえないだろうか」

菜緒虎は香良を後ろに下げ唐栖と対峙する。

バラバラと生き残った5人の黒装束が唐栖の盾になるべく立ち塞がる。

「曲者だ出あえ出あえ!」

おもむろに笛を取り出した唐栖は大きく息を吸い込み吹き鳴らす。

わらわらと今度は家臣らしい人間が現われる。黒装束のときと同じように鳥人間はもちろん犬人や猫人間。普通の人間も混じっている。

いや、悪韋が現れた時に派手に建物を壊しているのだからそのときに来ればいいのに・・・

がらら

部屋の後ろの壁が・・・いや板戸が開くとそこは大きな庭になっており5人ほどの弓兵が並んでいた。

「構え・・・放て」

5人は長弓を構え悪韋めがけて放つ。

かんかんかん

矢は悪韋の鎧に阻まれ乾いた音を響かせながら力なく落ちる。

「うざいな」

悪韋は家に(つか)えて動きがたいのでむんずとスライムを掴むと弓兵に向かって放り投げる。

どちゃ

スライムは弓兵の一人に命中して落ちるとすかさず取り込みにかかる。

弓兵は悲鳴を上げることも出来ず溶けさった。

「ひゃっはー」

デーモンが爪を30センチぐらいに伸ばして家臣に突っ込む。

がきっ

刀と右手の爪が交差する。

家臣とデーモンは一旦間合いを取って打ち合う。

下段下段中段デーモンの斬撃を家臣は器用に弾く受ける弾く。

デーモンが大きく右手を振り上げて袈裟斬りに振り下ろす。

がきん

家臣はこれも受け止めるが、デーモンはすっと左手を引くと爪を伸ばす。

家臣の目が大きく開かれ、デーモンは家臣の頸に爪を突き立てる。

がはっ

家臣は大量に吐血しそれでも前のめりに倒れるが、デーモンは素早く爪を引き抜くとつぃと躱し近くにいた別の家臣に襲いかかる。

しゃぐ

デーモンの爪が家臣の頸をなぐ。家臣の頸から大量の血が噴出する。

しゃ

瓶を飲み込んだような体型からは信じられないスピードでツチノコが家臣に接近する。

ばしっ

ツチノコが板間を叩きジャンプ。血が噴き出る家臣の頸に喰らいつく。

ごしっ

ツチノコがローリングすると家臣の頸にありえない空間が生まれる。

<<ツチノコのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>

<<進化しますか?>>

え?進化、なんか早く・・・いやレベルからすれば問題ないのか。

Yを選ぶ。

ばふん

濃い紫色の煙が立ち昇りツチノコを包み込む。

しゃ

音程の異なる呼吸音が周囲に響き渡り煙の中から三つの蛇の頭が現われる。

蛇の色は右から赤、白、黒・・・ドラゴンのそれである。

キ〇グギ〇ラ系な何かですか?

<<ツチノコがヒュドラに進化しました>>

え?ヒュドラはもっと首あるよね?レベルが上がると増えたりするのだろうか?

かうっ

赤い蛇が口を開くとチロチロと炎が上がり白い蛇が口を開くと空気が白く煙る。黒い蛇の口から滴ったものが床に落ちるとシュウシュウと音を立てた。

小さいので威力はそれなりだろうが、それぞれのドラゴンのブレスが吐けそうだ。


ゴーストがうご・・・え?消えた。

次の瞬間、ある家臣の一人の背後に現われて首筋を触る。

家臣はびくんと体を強張らせるとその場に倒れる。ガタガタと体を震わせて立ち上がろうとしない。

あれ・・・結構強く・・・あ、とどめは刺せそうにない。

だが育てる事かできれば結構な戦力になりそうだ・・・優先事項だな。

「オーク仕留めろ」

「ウィ」

オークが一気に倒れた家臣のもとまで走りその勢いのまま家臣の頸に大熊猫の戦斧を叩き落す。いとも簡単にゴロンと頸が落ちる。

実に簡単なお仕事である。

再びゴーストが消え一番近くの家臣の・・・

当然だがゴーストが消えて同僚の背後に出現したのを見ていたのでその家臣は慌てて背後を振り返る。

すっ

ゴーストが家臣の足元から湧き出るように姿を現す。同じ手は使わないよな。

「ひぃ」

家臣はなさけなく悲鳴をあげるがそれでも何とかゴーストのタッチを躱すことに成功する。

「ハァアアア」

一足で間合いを詰めていたオークが躱してバランスを崩していた家臣の横腹に大熊猫の戦斧を叩き込む。

ぐぽっ

一瞬にして腹が裂け中のものがまき散らされる。

鎧袖一触(がいしゅういっしょく)とはまさにこの事である。

<<オークのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>

<<進化しますか?>>

Yを選ぶ。

ばん

オークの身体が鈍い光に包まれる。

光りはその範囲を広げながらひと際強く輝く。

ぼん。きゅ。ぼん。

<<オークがレギュラーオークに進化しました>>

以前見たことがあったのでボンレスハムな残念進化をすると思っていたのだが・・・

髪が腰辺りまで伸びた以外は卑怯なまでにボンキュボンなダイナマイトボディのレギュラーオークがそこにいた。

「努力は裏切りませんでした」

レギュラーオークはさっと自らのプロポーションを確認すると大熊猫の戦斧をブンと振ってニカっと笑う。

ここまでくると豚人間(オーク)では、いや進化はもう一段階は確実に残っているんだっけ・・・

大熊猫の戦斧の元の持ち主のことを思い出し頭の隅へ追い出しておこう。


「せい」

菜緒虎の鋭い声と同時に同田貫を袈裟斬りに振り下ろす。

「がぁ」

黒装束が短く悲鳴を上げ胸から血をまき散らしながら倒れる。

5人いた黒装束はすでにあと一人である。

「ぐぬぬなんてことだ」

唐栖の顔色は既に青を通り越してどす黒い。

「父上・・・流石にここまでくると(それがし)では助命嘆願は不可能です」

香良は申し訳なさそうに頭を下げる。

「香良!お前!!」

ブルブルと肩を震わせる唐栖。いままで浮かべていなかった涙を浮かべてる。もしかして一縷(いちる)の望みだったりしたのか?

「菜緒虎。この国の国主の前で申し開きできる程度には生かしとけ。場合によってはさらし首が増えるだけだが」

「承りましたお館さま」

菜緒虎は一歩踏み込み唐栖の最後の盾である黒装束の右肩を斬り飛ばす。

黒装束は悲鳴を上げてのたうち回る。

「ま、待ってくれ助けてくれ。こ、この通りだ」

おお、唐栖がジャンピング土下座を敢行・・・って流行りなのか?

「ゴースト。動くなくなるまで叩け」

「ア」

ゴーストが瞬時に唐栖の背後に立ち、唐栖がジャンピング土下座のまま固まるまでの連打が始まった。


レギュラーオーク

種族 猪人

分類 亜人間

性別 男・女

性格 イビル-カオス

STR:12INT:6 DEX:6 VIT:13 AGI:9 LUK :5 

体力29/29 魔力10/10

能力:なし

魔法:なし

特殊能力:なし

装備:戦斧・皮鎧

備考:直立二足歩行の豚人。生物として強くなったため食欲と発情期の性欲はほどほどになった。

エルフに対する執着は相変わらずだが戦力差を無視するほど無謀ではない。

オークやホブゴブリン、ゴブリンといったものを手下に徒党を組んで村を襲う厄介な隣人。

洞窟を住処とするがなかには平原などで簡素ながら家を建てて暮らすこともある。

オークをレベル15まで育てることで進化することが確認できた。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。


名前 ヒュドラ

種族 スネーク

分類 動物

性別 雄 雌

性格 ニュートラル-ニュートラル

STR:15 INT:9 DEX:15 VIT:5 AGI:15 LUK :3 

体力12/12魔力5/5

能力:腐食ガス(相手の武具にダメージを与える)

   火炎のブレス(火・威力微笑ながらターン毎にダメージ1を追加)

   氷のブレス(水・威力微笑ながらターン毎にダメージ1を追加)

   毒・火・水系のダメージの無効化

魔法:なし

特殊能力:首は2つまで切り落とされても死なない。首が斬り落とされても10ターンで復活する。

装備:なし

備考:異なる3つの頭を持つ蛇。沼、火山、雪原に広く分布しそれぞれの生活域によって成長する頸の大きさが変わるという。

生息域によってか成長することによってか頸の数が4つまで増えることが確認されている。

ツチノコをレベル10まで育てることで進化することが確認できた。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。


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