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ワ寇襲来 その2

モンスターの説明を修正しました

「まさかこの俺が引きずり出されるとはなぁ」

身長は2メートル弱。剃り上げたであろう禿頭。頭から顔面にかけて彫られた入れ墨。

日に焼けた筋骨隆々の上半身。珠の大きさが30センチの数珠を首から下げている。

ボロボロのズボンを腰のところで荒縄で縛り、肩には2メートル近くあるトゲトゲの金棒が担がれていた。

「我は赤海入道政康(せきかいにゅうどうまさやす)なりイザ尋常に勝負」

「ソウキ軍の菜緒虎いざ参る」

菜緒虎は同田貫を正眼に構える。

「武器破壊に気を付けろ」

「了」

長い金髪を頭のてっぺんでお団子状にまとめた若干のつり目の碧眼、笹穂状の耳のウッドエルフの菜緒虎から思念による短い返事が返ってくる。

一対一の長期戦を予測して、戦力補充のためにインプを召喚する。

インプは体長10センチほどで全身は黒く背中には蝙蝠の羽。白目ではなく赤目。瞳の色は金色。ピンと尖った耳に子ヤギのような小さな角をもつ赤ん坊である。

「敵船から無粋な援護がないよう潰せ」

「アイ」

パタパタと敵船に向かって飛んでいくインプ。

「うりゃ」

政康が金棒を上段か振り下ろすが菜緒虎は僅かに身を引いてかわす。

金棒が派手な音を立てて甲板を叩き木片が飛び散る。

「はっ」

菜緒虎が同田貫を水平に構えて突くが政康は後ろに下がってこれをかわす。

「どっせい」

政康が力任せに金棒を振り回すが、菜緒虎はその隙を掻い潜って政康の左腕を斬りつける。

「やんなぁ」

政康は野太い笑みを浮かべ傷に手を当ててつぶやく。

ぼうっと淡い光が手を包み手を放したときにはすでに傷が無かった。

僧兵か?入道って名乗っていたのはハッタリじゃなかったのか。

しかしそうなると厄介だな・・・


「マスター見ツケタ。攻撃スル」

インプから思念が入る。

遠くからクロスボウを構え菜緒虎を狙っていた海賊をインプが上空から急襲する。

がすっ

インプの蹴りが海賊の側頭部に命中する。

「てめぇ」

海賊は持っていたクロスボウを振り回すが牽制にもならない。

仲間がちょっかいをかけられているのを見た近くの海賊が三日月刀を抜いてインプを追い払いにかかる。

しかし足場が不安定なうえにインプは空を飛ぶのだから攻撃は当たらない。

どん

インプが三日月刀を持っていた海賊の背中を蹴飛ばすと海賊はそのままの勢いで船から飛び出す。

ドボンという派手な音が響く。

「ちぃ」

海賊はクロスボウを生かすため間合いを取るべくジャンプ。しかし着地するタイミングで悲劇が起きる。

どかっ

海に落ちた海賊を始末に来た巨大な古代鮫であるメガロドンによる体当たりで海賊船が揺れる。

着地したタイミングで揺らされ海賊は甲板に転げる。

「トッタ」

インプが海賊の顔面を掻き毟った上でどす黒い靄を口から吐き出す。

「うぎゃぁあぁ」

頭を抱え絶叫する海賊。

大きく目を剥きだし甲板を転がり回るがやがて動かなくなった。

<<インプのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>

<<進化しますか?>>

Yを選ぶ。

インプの身体が黒い霧に包まれ、その霧からニョキニョキと手足と頭が伸びてくる。

<<インプがデーモンに進化しました>>

身長は150センチほど。肌の色は濃い藍色をしており背中には蝙蝠の羽。赤目に瞳の色は虹色。肩まで伸びた銀髪にピンと尖った耳。頭に子ヤギのような小さな角をもつ少女。

プロポーションも年相応である。

「にひひひぃ」

デーモンは八重歯をのぞかせて笑うと両手を交差させる。

しゅきん

親指を除く8本の指に30センチほどのクローが生える。

「ひゃっはー」

一番近く・・・といっても10メートルぐらい離れた所にいた海賊に飛びかかる。

しゃぐ

海賊の頭がスライスされたトマトのようにズレる。

「次は誰だぁ?」

デーモンはぺろりと舌なめずりをする。問題児だ・・・


「ヘイユ」

政康が治療呪文を自らに施した。

ヘイユああ平癒ね・・・文化もそれっぽいと呪文もそれっぽいのになるのか・・・

出来れば捕縛したいところだが、ちょっと無理だな。

「はっ」

菜緒虎が振り下ろされた金棒を避けつつ同田貫で水平になぐ。

政康のわき腹が抉られ血飛沫が舞う。

今度は治療しない。どうやら精神力(MP)が尽きたようだ。

「うらぁ」

政康の一撃が菜緒虎の右足を痛打し右足が変な方向に曲がる。

しかし菜緒虎は苦痛に顔を歪めることなく一歩踏み込む。

ちゃきっ

同田貫が返り斜め上に跳ねる。

ばしゅ

政康の身体に逆袈裟に赤い線がはしる。

「ぐぉばっ」

政康の咆哮と共に赤い線から大量の血飛沫が舞う。

「我が同胞を癒せ回復(ヒール)

勝負がついたのを見計らって菜緒虎に呪文を掛ける。

どぅ

政康と菜緒虎が同時に甲板にへたり込む。

<<ウッドエルフ足軽のレベルが上がり進化の条件を満たしました>>

<<進化しますか?>>

Yを選ぶ。

菜緒虎の身体が一瞬光り輝き手に握っていた同田貫以外の装備がバラバラと落ちる。

<<ウッドエルフ足軽がウッドエルフ侍大将に進化しました>>

光りが鎮まると同時に黒塗り十二間椎成り鹿角脇立兜に黒塗り黒糸素懸威しの伊予札胴。

いわゆる戦国武将の本多忠勝の具足に身を包む菜緒虎がいた。

ちん

菜緒虎は同田貫を鞘に納め胴鎧・鉢金・狼の籠手を拾い集める。

律儀すぎる。

「敵将討ち取ったり。降伏しろ」

ブンザエモンが大声で叫ぶと海賊たちは手に持っていた武器を捨て両手をあげた。

「いやお見事ですソウキ殿。それで船を含む奴隷や押収品は折半ということで如何でしょう?」

部下に降伏した海賊の拘束を命じて、こちらにやって来たブンザエモンは揉み手をしながら提案する。

「奴隷?」

「はい。捕縛された海賊は幹部は縛り首でそれ以外は奴隷の身分に落とされます」

張緋のような後ろ盾のある私掠船と違って自由気ままな海賊の末路はそんなものか。

「マスター。海賊の死体を引き取りたいと思うのですが・・・」

アルテミスが提案してくる。

「例の実験か?」

おれの問いにアルテミスは静かに頭を下げる。

例の実験とは死者蘇生である。

先日めでたく女神リーブラ様の祠が数人の信者が常駐する小規模な教会程度にランクが上がったのだ。

それに伴い伝道師として大の位を授かった(無・大・権・能・力・主・座・智・熾と階級がある)僧侶によると、女神の使える奇跡に死者蘇生がリストアップされたらしい。

それでいまのところ病気などの自然死はダメ、衰弱してからの事故死も無理ということで死体回収の要請があったのを忘れていた。

ブンザエモンに敵とはいえ死体を投棄するのは忍びないから我々が引き取って葬りたいとか何とか屁理屈をつけて戦死した敵の死体の引き取りを申し出る。

ブンザエモンは海賊にかけられている賞金を受け取った後にそうなるよう役所に交渉してくれると確約してくれたのだった。

それから1時間後、おれたちはワ国に到着した。


新モンスター

名前 デーモン

種族 悪魔

分類 魔族

性別 男・女

性格 イビル-カオス

STR:6 INT:10 DEX:8 VIT:9 AGI:5 LUK :3 

体力15/15魔力9/9

能力:飛行(地形効果無視)

魔法ダメージ減少

魔法:雷槍(電)

特殊能力:挑発(狙われやすくなる)

装備:なし

備考:人を困らせることに喜びを見出す悪の精霊。身長は150センチほどで全身は藍色背中には蝙蝠の羽をもつ。

耳は尖り頭には雄山羊の角を持つ。

インプをレベル10にまで育てることで進化することが確認された。


名前 ウッドエルフ侍大将

種族 エルフ

分類 亜人間

性別 男・女

性格 グッド-ロウ

STR:20 INT:16 DEX:15 VIT:21 AGI:18 LUK :15 

体力30/30魔力18/18

能力:地形森林での回避率アップ。

魔法:気合(自身の命中率と攻撃力を上げる)

特殊能力:旋風一閃(低い確率で周囲にいる複数の敵を一撃死(クリティカルヒット)させる)

装備:同田貫・本多忠勝具足写一式・長弓

備考:ウッドエルフ足軽が研鑽を積むことで得ることが出来た称号。

東にあるという弓状列島に存在する伝説の戦士オオナヌシに連なる職業のひとつ。

斬ることに特化した刀による一撃死は他のモンスターにとって脅威となるだろう。

ユニークモンスターウッドエルフ足軽をレベル50にまで育てることで進化することが確認された。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。

ありがとうございました

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