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地下墳墓の迷宮 その2

この話のダンジョン攻略組装備

菜緒虎               同田貫・胴鎧・長弓・鉢金・狼の籠手

悪韋                バルディッシュ・胸当て

スライム

柴犬人             円匙(えんぴ)・皮鎧・鉢金

鞍馬香良              錫杖・胸当て・籠手・鉢金

緑髪ショートの女僧侶        鉾鈴(ピックベル)・巫女服・胸当て・籠手・鉢金

蒼いリザードマン          三又の銛・胸当て

主人公               杖・ローブ・黄昏の腕輪

地下迷宮といった閉鎖空間の攻略で問題なのは生命活動に必要な食料の確保と食べたことで排泄されるものの始末。

損耗した武器の修復に睡眠による精神疲労の回復に明かりの確保。

もっともおれはアンデットで配下は収納することですべてが解決してしまうのでかなり楽観視している。

天井や道幅も意外に高く広く、火力のあるドラゴンやジャイアントも六体まで召還できる。

まぁ六体以上は召喚できないようだが・・・

まず編成する。前衛を菜緒虎・悪韋・スライム。後衛を香良・女僧侶・おれ。

スライムは天井に張り付いて移動しているので見た目は5人パーティー。前衛にジャイアントがいて後衛にローブ姿のスケルトン。3人の勇ましい姿の女性冒険者。

うん凄く怪しい。

召還魔法陣から離れて数歩歩いた途端、周りの風景が洞窟のそれから石畳の通路になる。

「なんだ?」

慌ててもと来た道を帰る。すると石畳の通路は洞窟のそれに戻る。

「ああ、幻影なんだ」

境目が顔の真ん中に来るようにして立つ。右半分が洞窟で左半分が石畳。なかなかシュールである。

マップを書き留める紙に六芒星を書き入れ壁に印を書き込み左手を壁につけてマッピング開始。

迷路攻略の由緒正しい方法である。回転床(ターンテーブル)転移(テレポート)とかがあるとお手上げだが、しかし誰が何のために・・・いや、あのゾンビ鬼封印のための墓所か。

ゾンビ鬼自体が地上に出てきた理由は謎だが、ここの目的はゾンビ鬼が復活しても地表に出てこれないよう迷宮の中に安置した。

やってることはミノス島の半獣半人のミノタウロス伝説と同じだ。

「誰が作ったんだろうな・・・」

「ドワーフと犬人のご先祖さまの力作ですね」

「ですわん」

ドワーフと柴犬人からの思念が入る。

なるほど。迷ったときは二人を呼んでみよう。

「マスター敵」

先行していたスライムから思念が入る。

「くるぞ」

念のため注意喚起。しかし既におれ以外は戦闘モード。

出現したのは腐ったコボルトが6体。レベルが低いのか進化先がないのか・・・

「女神リブーラの慈悲により土に還れ」

女僧侶が手をかざし叫ぶ。

ずしゅ

後列の2体のコボルトゾンビがあっという間に塵になる。レベルが高いかどうかは解らないな。

「はぁ」

菜緒虎がザンと一歩踏み込み鞘に収まったままの同田貫に手をかけ下から上に逆袈裟に振り抜く。

ザックリとコボルトゾンビの胴が裂かれる。しかし倒れない。

レベルが高い系か。

「せい」

後続からダメージを与えたコボルトゾンビに香良が錫杖を突き入れる。くの字に体を折るコボルトゾンビ。

菜緒虎は振り抜いた同田貫をチャキって返しそのまま水平にコボルトゾンビの頸めがけて同田貫を繰り出す。

ドッ

コボルトゾンビの頸が跳ね飛ばれて地面に落ちる。

「ふんぬ」

悪韋が三日月斧(バルディッシュ)で力任せにコボルトゾンビを叩く。

ゴシャ

バルディッシュの刃がコボルトゾンビの背骨に沿って走る。綺麗に2枚におろされる。

ドスン

鈍い音とともに後続にいたコボルトゾンビをスライムが包み込む。

あ、ゾンビっの体は猛毒だから食べたらマズイ。

しかしスライムに変化は見られない。

前衛だったコボルトゾンビが振り返りスライムに掴み掛る。

うん多分その程度のぬるい攻撃だと回復する量の方が多い。

ずるり

攻撃してきたコボルトゾンビの腕をスライムが飲み込む。

まぁ普通に捕食してください行為だよね・・・・

ずぶぶぶ

少しずつ飲み込まれていくコボルトゾンビ。

「せい」

飲み込まれているコボルトゾンビに菜緒虎が一撃を加えるともはや動かなくなった。

コボルトゾンビの死骸がずるずるスライムの中に飲み込まれていく。

腐った肉が溶け落ち骨だけになりその骨もゆっくりと消える。消化早いな…

ズルズルとスライムは天井へと戻る。

「経験値はイイ感じだな。悪韋は戻れ。育成を一人入れる」

悪韋を収納してリザードマンを簡易召喚する。

「無理はするな」

「了」

蒼いリザードマンが頷く。

「リザードマンのフォローを」

「了」

緑髪ショートの女僧侶が頷く。

索敵再開である。

さて、この迷宮(ダンジョン)は山にある洞窟の奥に遺骸を安置したあと周囲を整地しながら迷路にしていったか穴を掘って石を敷き詰めて迷路を作っていったのか・・・

後者がいいなぁ・・・後者ならきっちりした形になるから隠し部屋や隠し通路に見当が付けやすいから楽なのだ。

「マスター敵」

先行していたスライムから思念が入る。便利だな。

「来るぞ」

一応口に出して警告する。

出現したのは・・・体長1メートル。長い触覚に棘のある6本脚。油を塗ったかのようにツヤツヤに黒く光る恐怖の刺客!しかも6匹!!ぎぃーやぁー!!!

「gE7#3#!」

突然謎の言語を発しながら突撃する菜緒虎。うん解る解るよ。

「駆け行け火の三矢」

呪文を唱えて杖を振る。

ボボボボ

空中に3本の火の矢が現れて前衛3匹のGめがけて飛んでいく。

「ひゃっはー」

蒼いリザードマンが三又の銛を腰だめに構えて刺突。

鋭く息を吐きながら目にもとまらぬ速さでの突きによる三連撃。構えなおして上段からの振り下ろし。

ガス

胸の辺りに直撃し飛びち・・・自主規制・・・

リザードマンの一撃を喰らったGがピクピクと足を震わせやがて動かなくなる。

<<リザードマンのレベルが上がり進化の条件を満たしました。進化しますか?>>

間髪入れずYを選ぶ。

トカゲっぽい顔は人間っぽい顔になるが鹿のような角が生え硬そうな顎鬚も生える。額や喉といった急所や肩から手の甲にかけては硬そうな青くメタリックな鱗。

背中には大きな羽が生えてきて・・・ばふんと煙に包まれ・・・

<<リザードマンが進化してドラゴンバトラーになりました>>

リザードマンの女性がメイドなら男性は執事(バトラー)なのか。

執事お約束の燕尾服に手には2メートル近い細身の鈍色に光る金属の棒。

「ご主人様。今後ともよろしくお願いいたします。はっ」

優雅に一礼したあとドラゴンバトラーは持っていた棒を突き出す。

ジャラ

重い金属音とともに長い棒は鎖で繋がれた3つの短い棒に分裂したのち前列にいたGの頭部に直撃する。

「滅殺!」

菜緒虎が頭部に直撃を受けたGの体を斬る。

真っ二つなって動かなくなるG。菜緒虎の顔が情けないほど落胆したものになる。

どすっ

天井に張り付いていたスライムが後続のG二匹の上に覆いかぶさるように落ちてくる。

Gは気門を(昆虫類などの体表に開く呼吸をするための器官)塞がれたちまち動かなくなる。

ずぶずふとGを取り込んでいくスライム。

残った二匹がたちまち逃走を開始する。

「あ、追わなくていいから・・・」

追撃しようとするドラゴンバトラーたちを止める。

正直倒したところで経験値がうまい敵ではない。

ここまで二戦して気が付いたことがある。

敵が倒しても消えない。この迷宮特有のモノなのか別に理由があるのか…

ああ、召喚されてないのか…

多分これが正解。

とりあえずGでパニックを起こした菜緒虎を収納し育成枠として柴犬人を召還する。

そこから暫くは適度な遭遇戦をこなしつつ快適に迷宮の探索が続く。

ある程度調べたところでこの迷宮が定形マップであることが判明する。

「上に伸びているのかね?」

「ここは地下一階だわん。下に伸びてると思いますわん」

柴犬人は力強く断言する。

「理由を聞いていいか?」

「下に空間があるのが何となく解るだけわん」

ほぉ便利だな。

となると、このマップの埋まり具合からしてそろそろ上か下に通じる階段があるハズなんだけどな・・・

「ここに・・・隠し扉があるわん」

背負っていた円匙(シャベル)を構え、ふんふんと鼻を鳴らしながら柴犬人は断言する。

「やってみろ・・・」

「解ったわん」

柴犬人が円匙(シャベル)で壁をガンと叩くと壁が全体的に僅かに下がる。

なるほど隠し扉のようだ・・・

「マスター・・・壁ノ向コウ気配」

スライムが警告してきた。


これまでのモンスター

スライム

種族 スライム

分類 動物

性別 なし

性格 ニュートラル-ニュートラル

STR:1 INT:1 DEX:1 VIT:15 AGI:10 LUK :1 

体力30/30 魔力0/0

能力:火系、打撃系攻撃のダメージ増大。それ以外のダメージ減少。

魔法:なし

特殊能力:分裂(体力が半分になったときに分裂し片方は個体保全のため逃亡を図る)

液体の保持(核の重さの1000倍までの液体を摂取時の状態で保持できる)

最大値の1/10の体力が毎秒に一回回復する

装備:なし

備考:洞窟や湿地帯の高い場所での生息が確認されている軟体生物。音もなく忍び寄り獲物を包み込むように捕食する。

スライムの食事に遭遇するということは、どろどろに消化されていく犠牲者の姿を見る不幸とスライムという生物を認識し対処できるという幸運に恵まれたということである。

あと迷宮で動くお宝に遭遇したとき充分な備えが無いのであれば逃げることをお勧めする。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。


名前 ドラゴンバトラー

種族 リザードマン

分類 亜人間

性別 男

性格 ニュートラル-ロウ

STR:18 INT:10 DEX:8 VIT:18 AGI:9 LUK :10 

体力30/30魔力9/9

能力:河川での移動ペナルティの無効化。海での移動ペナルティ低下。

魔法:なし

特殊能力:三連撃(高確率で3回攻撃低確率で吹き(ノックバック)ばし攻撃が発生する。

装備:金属の三節棍・燕尾服・胸当て

備考:湖や沼といった陸地内部の水辺で生活する爬虫類型の亜人間の男性。

竜人と呼ばれる存在に変化することで容姿がトカゲのそれから人間に近くなっている。

また見た目と礼儀正しさと戦闘力から上流階級でもその名の通り執事として雇われていることもあるようである。

リザードマン男性がレベル10になることで進化することが確認された。

※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。



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