閑話休題その2 白露城場所
2000アクセス超え記念の閑話休題その2です
くまモン頑張れ絵のネタに乗っかるような
くまモンが無双するみたいな話にしてみました
なんかちがう気もするけど・・・
天守閣の最上階。女神リブーラが鎮座する社の前の魔法陣が異様な光を放っているという報告を受けた・・・
「ふむ・・・」
確かに変だ。踏んでもいないのに魔法陣が虹色の輝きを放っている。踏むべきか放置すべきか。
「案ずるより産むが易し…とは言いますが、ちょっとあれですね」
なんでそんなこと知ってるんですか?アルテミスさん。
「まぁいい踏んでみるか」
ん?新規が選べるぞ…今までそんなことあったか?
「いえ、ありません」
アルテミスが即座に否定する。
もしかして虹色に光っていることとなにか関係があるのだろうか
新規召喚を選ぶ・・・
なんだこれ・・・
本当に召喚できるのか?
「リストにある以上召喚は可能かと…」
しばらく考えて召喚する
「が・・・ば・・・モ・・・」
召喚されたモノは何か言いたげだが、なぜかはっきりとした声になっていない。
「いまこの大変な時期に召喚されるとは、正直驚いて」
目の前の人はぶんぶんと頭を振る。
本来なら前面に出て励ましたいんだろうなぁと思いつつも中の人の立場では難しか?
と思ったら前の人はそれまで以上にぶんぶんと頭を振る。
「いや申し訳ない。邪推だったかもしれません」
目の前の人は今度はぶんぶんと手を振る。
「せっかくいらっしゃったのです。一丁部下を鍛えて・・・」
目の前の人は大げさに両手を上げると空中から何かを取り出した。
ええっとこの長い布はあれですよね?
まぁこの方がここで殺伐とした戦いを繰り広げたりするといろいろ問題だよね・・・
「ワンコたちに告げる。いまの作業を一時中止し今からいうモノを作って欲しい」
中曲輪で上下水道の建設をしていた土木大好きワードックに声をかける。
「わん」
一斉に了と思念が返ってくる。
「アルテミスとスケルトン魔法使いはこれの装着の仕方を聞いて、この方に着せて差し上げるように」
アルテミスはぺこりと頭を下げるのでスケルトン魔法使いを簡易召喚する。
まぁこの方にはこれがないと組み合い辛いから必要だよね。
アルテミスとスケルトン魔法使いがごそごそと衣装の装着を始める。
「これより1時間後に模擬戦を行う。勝敗の如何に関わらずおれの判断で褒美を考えている」
全員に思念を送る。
勝負の如何に関わらず褒美に全員が反応する。
そこで行われる模擬戦のルールを説明する。
「ご主人様~ご命令の物出来ましたわん」
謁見の間で召喚した人と歓談していたおれにワードックから思念が入る。
「では行きましょうか」
召喚した人はこくりと頷く。
おれが召喚した人と中曲輪に降りてくると周囲が騒めいた。
身長2メートルのずんぐりとしたまっ黒な体格。まん丸などんぐり眼にまん丸で真っ赤な頬っぺた。
あんぐりと開いた口。
おれがいた世界では生まれた場所はおろか国を超え世界にその名を轟かせるマスコット。
くまモンである。
「がんばるモン☆」
リアクションと声が微妙にズレる。そういえば本来はしゃべる人じゃ無かったよね。
「ええっとこのクマと戦うんでしょうか?」
赤っぽい金髪のハイエルフのお兄さんが若干引きながら尋ねる。
お兄さんは上半身ハダカで下半身は半ズボン。不釣り合いな太いベルトは廻しの代わりといったカッコである。
これはここにいる人間型の男性陣すべての共通コスチュームである。
「クマではないくまモンだ。だいたいクマは二足歩行しないだろうが」
「いやいやそういう事ではなくて・・・」
赤毛の青年剣士が苦笑いする。
「親方様。模擬戦…相撲?の相手が2メートルとか聞いてません」
菜緒虎が抗議する。
菜緒虎は上半身をガッチリとサラシで覆い下半身はスパッツ。廻しを模した太いベルトは男性陣と変わらない。
というか相撲に出るんだ…と周りをみたらトラ美とドワーフ娘が同じカッコである。
どうやら出場するのは女性陣は菜緒虎とドワーフ娘とトラ美のようである。
たぶんドワーフ娘とトラ美は結果見えてるな…
男性陣は赤っぽい金髪のハイエルフお兄さんと赤毛の青年剣士と蒼いリザードマン。
「くまモン先生。女性と戦いますが構いませんか?」
「戦いに男女の貴賎なしだモン☆」
ですか…なんか違うようなというか本人は絶対言いそうにないような気もする…
「では始めましょうか…」
まず手をあげたのは130㎝ほどの背丈のがっしりといってもしっかりとボンきゅボンというけしからんボディ。
髪の毛は赤く、明るい茶色の瞳の目はクリッとして丸い。
マトンチョップスの巨大な髭…モミアゲがチャームポイントのちびっ子ドワーフ娘。
まずドワーフ娘が土俵に上がる。こきこきと肩を鳴らしウォームアップ。
つづいて土俵に上がるくまモン。
ドワーフ娘はけしからんボディだけど、どう見ても大人と子供です。
軍配をもったクワトロが二人の間に立って…
「八卦よいのこった!」
クワトロが軍配を上げるのと同時にドワーフ娘が肩から突進する。
それをくまモンは堂々と受け止める。
ピクリとも動かない。
ドワーフ娘が押しても引いても、くまモンが動く気配は全くない。
「ま、参りました」
数分押したり引いたりしていたドワーフ娘はゼイゼイと大きく肩で息をしながらその場にへたり込んだ。
「勝者くまモン」
クワトロは軍配でくまモンを指し向ける。
「敵は取る」
トラ美が両手をストレッチでのばしながら土俵に上がる…がピンとぼぁぼぁに膨らんだ尻尾を立てる。
「か、敵は取るにゃ」
なぜか短髪銀髪のハイエルフのお姉さんの方を見て言い直すトラ美。
銀色短髪のハイエルフのお姉さんの顔が穏やかになる。なにを言わせているのやら…
トラ美とくまモンが対峙する。
軍配をもったクワトロが二人の間に立って…
「八卦よいのこった!」
クワトロが軍配を上げるのと同時にトラ美とくまモンが同時に動く。
ぱぁーん
くまモンがトラ美の前でぱーんと手を叩く。くまモンの体型ではまずありえない展開だ。
「ぴっ」
トラ美の体が尻尾ともどもぴーんとなった状態で硬直する。見事な猫だまし。
くまモンはぴーんとなったトラ美の首根っこを掴んでそのまま土俵の外へと釣り出す。
「勝者くまモン」
クワトロは軍配をくまモンに差し向ける。
うん子供の手を捻るが如くです。
「よし僕が行きます」
赤毛の青年剣士が手を上げて土俵に上がる。
軍配をもったクワトロが二人の間に立って…
「八卦よいのこった!」
クワトロが軍配を上げるのと同時に青年剣士とくまモンが同時に動く。
青年剣士は低い体勢で不安定に見えるくまモンの下半身めがけてタックルを仕掛ける。
「むーんだモン☆」
くまモンは腕を鎌のように曲げて青年剣士の頸めがけて打ち下ろす。
おお素頸落としとは渋い技を。
青年剣士は態勢を低くして突っ込んだのが災いして地面に叩き伏せられる。
おいおい。我が軍弱すぎ。まぁ相撲はくまモンに一日の長があるか…
「勝者くまモン」
クワトロは軍配をくまモンに差し向ける。
「では私が」
赤っぽい金髪のハイエルフのお兄さんが優雅に土俵にあがる。
うん・・・身長はあるけど重さ足りないよね・・・どうだろう。
軍配をもったクワトロが二人の間に立って…
「八卦よいのこった!」
クワトロが軍配を上げるのと同時に赤っぽい金髪のハイエルフのお兄さんとくまモンが同時に動く。
ガップリ四つに組む今もっと相撲らしい展開。
ぐっ
ハイエルフお兄さんくまモンの廻しに右手をかけて投げを打つ。
ハイエルフのお兄さんの筋肉が瞬時にパンと膨らむのと同時にくまモンの足が浮く。
が、ここはくまモンが堪える。
つぎにくまモンが右足をハイエルフのお兄さんの左足の内側にかける。
そしてそのまま右足を引き寄せながら全体重を浴びせかける。
ハイエルフのお兄さんの背筋が盛り上がる。見た目華奢に見えるのになかなかの筋肉である。
しかし堪えられたのはそこまでだった。
どすんとハイエルフのお兄さんは背中から土俵に落ちる。
内掛けからの浴びせ倒し。
「勝者くまモン」
クワトロは軍配をくまモンに差し向ける。
「情けないぞ諸君」
蒼いリザードマンが首をコキコキならしながら土俵に上がる。
身長も体重も恐らくは互角。
軍配をもったクワトロが二人の間に立って…
「八卦よいのこった!」
クワトロが軍配を上げるのと同時に蒼いリザードマンがとくまモンが同時に動く。
ガップリ四つに組む相撲らしい展開。
ずずっ
リザードマンがくまモンを力任せに押すとくまモンの両足が土俵に溝を刻む。
くまモンの反撃の押し。リザードマンの足元が土俵に溝を刻む。
リザードマンが右手をくまモンの左手の下に差し込もうと試みるがあっさり弾かれる。
くまモンの右手がリザードマンの左手の下に潜り込む。こちらは成功しもろ差し状態に。
ぐいっ
くまモンがリザードマンのベルトを下から持ち上げる。
リザードマンの体がわずかに浮く。
「モン☆」
くまモンがリザードマンの足首を外側から蹴って同時に捻って投げる。
うぉ二枚蹴りなんて初めて見るぞ。
「勝者くまモン」
クワトロは軍配をくまモンに差し向ける。
「真打登場!」
菜緒虎がかぱんーかぱーんと両手を交錯させながら土俵に上がってくる。
軍配をもったクワトロが二人の間に立って…
「八卦よいのこった!」
クワトロが軍配を上げるのと同時に菜緒虎がとくまモンが同時に動く
一気に勝負をつけようと突き出されるくまモンの右腕を菜緒虎は両手でがっしり掴む。
そして体を大きく開くと、そのままくまモンを土俵の外へと引き・・・
おお、くまモンまさかの円運動で菜緒虎の後ろに回り込む。器用だな。
「モーン☆」
くまモンはそのまま菜緒虎を背後から体当たり。
「ひゃん」
なんともいえない悲鳴をあげて菜緒虎が土俵の外へと押し出される。
「勝者くまモン」
クワトロは軍配をくまモンに差し向ける。
6人が仕掛けてほぼ危なげなく勝利…あ、圧倒的ではないかくまモン。
「熊本がんばるモン☆」
くまモンが大きくガッツポーズする。
と、同時にくまモンはドロンと煙に包まれ姿を消していた。
そして後に残ったのは1メートル大のくまモン1体と30センチぐらいの小さなくまモンのヌイグルミ3体。
どうやらくまモン召喚の時間が切れたようだ。
小さなくまモンのヌイグルミは相撲に参加した女性陣に大きなくまモンは謁見の間の床の間に飾られることとなったのである。
ありがとうございました




