悪霊公 (ブームケット平原攻防戦 その2) ※ルビ設定変更
気付いた誤字はすぐに修正orz
「敵発見」
北に向かっていた岩鳥から思念が入る。
敵は・・・すべて人間で男の剣士3、女の弓兵、男の僧侶、女の魔法使い。軍の部隊というよりは冒険者のパーティっぽいな。
「冒険者のパーティとはなんでしょうか?」
アルテミスから思念が入る。
「軍に所属しない戦闘集団かな」
「傭兵のようなものでしょうか?」
「傭兵は人間を相手にする戦闘集団で冒険者はおれ達のようなモンスターも相手にする戦闘集団だ」
アルテミスの質問に答える。
「なにが違うのでしょう?」
「モンスターを相手にしているということはモンスターの弱点にも精通している手ごわい相手ということだ」
北に送った部隊を確認する。
不味いな…僧侶とアンデット3体、弓兵に岩鳥・・・相性最悪だ。
「数ではこちらが上です。行けます」
クワトロからの思念が割り込んでくる。
「僧侶にアンデットを一発浄化されたら戦力差は誤差の範囲。安全策をとる。こちらも向かうからそちらも引き寄せろ一気にすり潰す」
了と答えが返ってくる。
「いくぞ…」
針路を北へ向ける。
「うぅおぉぉぉぉ」
盾を構え三人の剣士が壁となって間合いを詰める。
僧侶と魔法使いが呪文を唱え弓兵が牽制すべく弓を引く。結構連携が取れてるな…ただ、逃げているクワトロたちの方に気を取られ過ぎだ。
「後衛の3人に突撃」
二匹のスモールドラゴン(L)に突進を命ずる。
がぁ
スモールドラゴン(L)の突進に気付いて方向を変えようとする前衛に逃げていたクワトロたちの方にいたブラッグラゴン2匹が反転突撃を開始する。
ドン
剣士3人とドラゴン4匹の激しく衝突する音が響く。
なんと互角。おそらく僧侶による肉体強化魔法を受けていたのだろう。判断は間違ってなかった。
からからから
アルテミス、スケルトン魔法使いの詠唱が完成し魔法の矢が、少し遅れてハイエルフのお兄さんとスケルトン弓兵の矢が僧侶に叩き込まれる。
「あっ」
僧侶がもんどりうって倒れる。バスンと煙が上がり僧侶が消える。
おぉ死んでしまうとは情けない。って今ごろは拠点の寺院に強制転送ってところか?
「よくも!」
弓兵が矢を放つがおれを狙っても効果薄いだろ・・・骨だし。
矢はロープを貫くが、貫く肉は無いしリバースであっという間に元通りだ。
「一人・・・いや、二人は生かして捕まえろ情報が欲しい」
「では脳筋の前衛3人は要りませんね」
クワトロが間髪入れず答える。解ってるじゃないか君~
「はいやぁ」
蒼いリザードマンが一気に間合いを詰めて銛の柄で弓兵を叩き伏せる。
「きゃん」
「大丈夫か!」
剣士の一人が気をつられて振り向く。やっぱ脳筋要らない。
ぶん
スモールドラゴンの尻尾が気をそらした剣士の顔を叩く。
「ぐおばぁ」
剣士の首がチョコットやばい角度に曲がって吹っ飛ばされる。
ぎゃぎゃぎゃ
インプが嬉しそうに剣士の周りをクルクルまわってから蹴りを入れる。
バスンと煙が上がり剣士が消える。
「魔法の炎球よ敵を滅ぼせ・・・ファイヤーボール」
敵の魔法使いの手に大きな火球が生まれスモールドラゴンを中心とした場所で炸裂する。
ドゴン
凄まじい轟音がするが・・・多分・・・
ぎゃー
あ、インプが燃えてる・・・
「癒しの手よ彼の地の輩を救い給え。ヒール」
インプについた火が消える。
そしてファイヤーボールを喰らったドラゴンたちは平然としていた。元より火に強い連中だからな。
「このおぉ」
剣士の一人が弓兵を叩き伏せているリザードマンに向かって剣を振るう。あーさっきの剣士の二の舞いだって…
どごん
スモールドラゴンの頭突きを喰らって吹っ飛ぶ剣士。そこに死騎士のランスが骸骨馬の上から振り下ろされる。
バスンと煙が上がり剣士が消える。
「俺のパーティが一瞬で全滅だと?」
愕然とする剣士の隙を見逃すブラックドラゴンではない。
がぁががぁ
その大きな咢が剣士の肩を左右から丸齧り。
「駆けろ魔法の矢」
おれは杖を指し出し呪文を唱える。
ばしゅ
魔法の矢が剣士の喉を貫く。バスンと煙が上がり剣士が消える。
<<スケルトン魔法使いのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>
え?なんですと?
<<スケルトン魔法使いが進化して悪霊公になりました>>
<<大魔法としてチェンジと大魔法楯を覚えました>>
<<軍団召喚を覚えました。一度に召喚できる軍団を編成できます>>
なんだそれは?
「チェンジは任意のモンスター2体の位置を交換できます。大魔法楯は召喚したすべてのモンスターの防御力を引き上げます」
おお、強襲魔法と防御強化魔法と軍団編成で便利さアップですか!
「このぉリリィを放せ」
敵の魔法使いが持っていた杖でリザードマンに殴りかかる。
リザードマンはリリィ…たぶんリザードマンに銛で押さえつけられている弓兵を助けるべく果敢に殴り掛かる。
かーん
硬質な物を叩く音が響く。ダメージはほぼない模様。
まぁ力がお察しな魔法使いの杖による攻撃がリザードマンの硬い鱗に覆われた体に効くかというとまぁお察しである。
「このこのこのぉ」
一発、二発、三発カンカンといい音が響くだけである。
「マーサ…もういいから・・・貴女だけでも逃げて」
息も絶え絶えに魔法使いマーサに逃げることを勧めるリリィ。
美しきかな仲間愛・・・
「そこまでですよ」
いつの間にか魔法使いの背後に回っていたのは真っ赤な皮鎧を着たクワトロ。
戦場で目立つ格好は敵集める危険と手柄を天秤に賭けるのは天才か馬鹿のやる事である。
まぁその両方の可能性はあるんだがな。あの元王子様は・・・
「降伏いただけますかお嬢さん?」
背後から魔法使いを羽交い絞めしたクワトロは優しく囁く。
「い、命の保証を・・・」
「それは保障しましょう。あとは貴女たちの態度次第だが」
二人の女冒険者は降伏することを了承した。
-☆-☆-☆-
新規モンスター
名前 インプ
種族 悪魔
分類 魔族
性別 男・女
性格 イビル-カオス
STR:3 INT:5 DEX:5 VIT:4 AGI:6 LUK :4
体力9/9魔力3/3
能力:飛行(地形効果無視)
魔法ダメージ減少
魔法:瘴気(精神)
特殊能力:挑発(狙われやすくなる)
装備:なし
備考:人を困らせることに喜びを見出す悪の精霊。体長は10センチほどで全身は黒く背中には蝙蝠の羽をもつ。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 スモールドラゴン(L)
種族 ドラゴン
分類 動物
性別 雄・雌
性格 グッド-ニュートラル
STR:15 INT:2 DEX:6 VIT:20 AGI:5 LUK :1
体力40/40魔力5/5
能力:ブレス(火)
火系のダメージ減少
魔法:なし
特殊能力:怒りの咆哮(被ダメージに比例して攻撃力が増加)
装備:不可
備考:陸上モンスターの頂点に君臨する絶対王者の幼生体。
そのブレスは強力無比。
卵や幼生体のころから育成するなら飼いならすことは可能だと言われている。
平原での目撃情報が多い。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 僧侶
種族 人間
分類 人間
性別 男 女
性格 グッド-ロウ
STR:3 INT:5 DEX:5 VIT:2 AGI:6 LUK :5
体力7/7魔力4/4
能力:なし
魔法:回復(指定す個体の体力を回復する)
特殊能力:死者の浄化(一定の確率で任意のアンデットを消滅させる)
装備:鎚矛・皮鎧
備考:神への信仰が認められ回復という奇跡と死者に安らぎを与えることが出来る。
一般人がレベル10になることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 ドラゴンメイド
種族 リザードマン
分類 亜人間
性別 女
性格 ニュートラル-ロウ
STR:15 INT:6 DEX:9 VIT:15 AGI:10 LUK :9
体力25/25魔力11/11
能力:河川での移動ペナルティの無効化。海での移動ペナルティ低下。
魔法:なし
特殊能力:お掃除(周辺の敵を一定距離まで吹き飛ばす)
装備:箒・胸当て
備考:湖や沼といった陸地内部の水辺で生活する爬虫類型の亜人間の女性。
竜人と呼ばれる存在に変化することで容姿がトカゲのそれから人間に近くなっている。
また手に持つ箒による一撃は周囲を綺麗さっぱり掃き清めると言われる。
また体を覆う鱗は皮鎧以上の硬度をもつ恐るべき戦士である。
リザードマン女性がレベル10になることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 悪霊公
種族 スケルトン
分類 アンデット
性別 不明
性格 イビル-ニュートラル
STR:7 INT:20 DEX:15 VIT:10 AGI:13 LUK :10
体力10/10魔力18/18
能力:リバース(一撃死しない限り攻撃後の体力全回復)
斬撃・水系のダメージ低下
状態異常・風系系ダメージ無効化
魔法:複数の魔法矢(火・水・風・地属性の魔法を3本放つことが出来る)
特殊能力:恐怖の視線(相手の行動を一定時間封じる)
装備:魔法使いの杖・死霊のローブ
能力:リバース(一撃死しない限り攻撃後の体力全回復)
斬撃・水系のダメージ低
精神・火系のダメージ低
状態異常・風系系ダメージ無効化
備考:すべてのアンデットはスケルトンより始まる。
魔法を極めた高位魔法使いが死の運命から逃れるために死の最奥を極めた姿。
その姿は心の弱い人間の心を壊すといわれている。
悪霊公は主に建物型ダンジョンで主に目撃されてる。
スケルトン魔法使いをレベル30まで育てることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
ありがとうございました




