リフティ湾攻防戦(その1) ※ルビ設定変更
<<進撃方向が選べます>>
眼前に提示されたものを書き連ねるとこうなる
不可 進撃可A 進撃可B 進撃可C 不可 不可
不可 アタラカ山 始めの地 リフティ海 拠点 不可
Aは東をアタラカ山脈にして北上。Bは始めの地より北へ抜けての平原地帯。Cはリフティ海岸線を北上である。
「山岳地帯は動物系のモンスターが生息し鉱物資源の入手が楽になります」
「平原地帯は人間系が生活しており情報やお金の入手が楽になります」
「リフティ海の海岸線は北に行くに従い緩やかに東へと向かいます。大きな港があり砦も確認されています」
アルテミスのアドバイスから気になるのはCだ。
「拠点防御の観点からすれば真っ先にCを落としておくことが肝要だと思うが?」
「御意」
アルテミスと菜緒虎が揃って頭を下げたのでCに出撃することにする。
ここの出発地点はすぐ側が海なのか・・・
とりあえずいつものように岩鳥を6羽召喚して斥候に出す。
続いて新規召喚
<<リザードマン>> 一般人 シャーク
一般人ってなんだよ一般人って・・・いや・・・スケルトンのときと同じか?
ゴブリンでは検証できなかったが、菜緒虎がウッドエルフ足軽になったことや今回の一般人で納得した。
似たような姿のまま多岐に進化する種族には便宜上職業名が付けられているのだ。
ゾンビはスケルトンから単一ルートに外れたので職業が付いていない。菜緒虎はウッドエルフから分岐したので職業が付いたのだろう。
ただ現時点での推論でしかないので今後も要研究だな。
リザードマン二人と一般人三人とシャークを一体召喚する。
リザードマンは名前の通り蜥蜴人だ。身長は二人とも180センチを超えている。筋肉の付き方から青い体色のが男で茶色いのが女だ。三又の銛を持っている。
一般人はやはり人間だった。戦士っぽい体躯の赤毛の青年。平均的な緑髪ショートの娘。そしてちびっ子といって差し支えない黒髪ロングの少女。長い棒を持っている。
シャークは体長8メートルのサメ。たぶんホオジロサメ。デカくなるんだろうなぁ・・・
つづいてアルテミスと菜緒虎。ブラックドラゴン4体にジャイアントといった主力を召喚。この辺はもうテンプレ。
「人間は多様性のサンプルだ。できるだけフォローしてやってくれ」
「はっ」
二人は軽く頭を下げる。
続いてウッドエルフやスケルトンといった中堅を召喚。
「スケルトン戦士、スケルトン弓兵、スケルトン魔法使い、ゾンビ、ブラックドラゴンは西に向かってくれ」
了と答えが返って移動を開始する。
「敵発見何カ変」
北西に向かっていた岩鳥から思念が入る。
意識を向けると6人のゴブリンが10数人の村人であろう一般人を襲っているのが見えた。
まぁこのパターンがいままで無かった方が不思議ではあるが・・・
「如何いたしましょう?」
「見た以上は無視できないな。菜緒虎、ウッドエルフ3人を連れて先行。ブラックドラゴンはバックアップに」
了と答えが返る。
「お前たちはこの二頭のブラックドラゴンの後ろについてゆっくり北へ向かってくれ。アルテミスはバックアップ」
3人の人間に指示するとはいと答えが返ってくる。
「あとは・・・」
オクトパスとミズチを2体づつ召喚。
「お前たちはシャークと共に海岸線を広く哨戒しつつ北上してくれ」
応と答えが返ってくる。
「おでは?」
ジャイアントが聞いてくる・・・聞いてきた?
「喋れたのか・・・」
「おう」
ジャイアントが嬉しそうに答える。
まぁ神代時代に闊歩していた古代種はドラゴンもジャイアントも相当な英知を持っていたから不思議じゃないだろ。
「当面はリザードマンと共におれの護衛だ」
「解った」
ジャイアントはドカンと胡坐を組んで座る。
「敵発見」
西に向かっていた岩鳥から思念が入る。
数はドラゴンが1・・・お、赤いドラゴンだ。サイズ的にスモールドラゴン(L)。あとそれに追随するリザードマンが2人。
「このドラゴンは火属性が強そうだなブラックドラゴンを前面に押し出せスケルトンズはリザードマンに集中」
対応を誤ると厄介そうなので軽く指示を出しておく。
一度に見つかるモンスターの数が少ないしレベルも低いな。経験値稼ぎは新兵を中心に回すべきか・・・
がぁ
赤いドラゴンが果敢にブラックドラゴンに突撃する。
ブンとブラックドラゴンは尻尾を叩きつける。
赤いドラゴンが派手にぶっ飛ぶ。
ダンダンダン。赤いドラゴンが激しく地面を踏み均す。
2人のリザードマンが慌てて駆け寄る。
ぐぼん!
ドラゴンの八つ当たり気味の尻尾による一撃がリザードマンに直撃する。
同士討ちだと!?
じゃ
紙面に叩きつけられた二人のリザードマンが煙になって消える。
ゴウ
赤いドラゴンの体からジワジワと煙が湧き出してくる。
煙はやがて小さに火になり火は炎へと姿を変える。
「えんちゃんとふぁいやー」
とある漫画のコラを思い出してつぶやく。
「なんでしょうか」
「いや、別に・・・」
アルテミスの質問に慌ててごまかす。
やがてドラゴンを包んでいた炎が消えて元より一回り大きな紅いドラゴンが姿を現した。
恐らくはレッドドラゴン。
ぎぁぁあぁ
レッドドラゴンがブラックドラゴンの肩に噛みつく。ブラックドラゴンの傷口がジュウと焼ける。
うわぁなんだそりゃ・・・
シャン
スケルトン弓兵が立て続けに矢を放ちスケルトン戦士がロングソードを叩き込む。
がぁあ
レッドドラゴンはスケルトン戦士に噛みつこうとするがスケルトン戦士は持っている盾できっちり止める。
カラカラ
スケルトン魔法使いの持っている杖ががぼぅと光りぼんやり光る棒のようなものが現れてレッドドラゴンに飛んでいく。
がっ
ブラックドラゴンの反撃。その口がレッドドラゴンの右肩をゴッソリと奪っていく。
カッツ
スケルトン戦士がロングソードを中腰になって水平に構え突進する。
「うぉりゃあぁぁぁあ往生せいやぁぁぁぁぁ」
喋れないスケルトン戦士に代わって勝手にアフレコする。
「何事でしょうか」
アルテミスと菜緒虎から慌てたような思念が入る。
いや、何でもないと返す。
サシュ
スケルトン戦士の一撃がレッドドラゴンの腹を貫く。スケルトン戦士はそのままぐりっとロングソードを捻る。いい捻りだ。
どしゅぼひゅ
レッドドラゴンが煙とともに消え大きな紅い鱗に長めの牙が残った。
<<スケルトン戦士のレベルが上がり進化の条件を満たしました>>
声が聞こえてくる。
お?来ましたよ。
スケルトン戦士の全身が光り輝き、光はその形を残したまま骨だけがバラバラに崩れる。え?なんですと?
やがて光は古ぼけた全身鎧へと姿を変え骨が一本また一本と鎧に吸い込まれていく。
兜がないので首から上は骸骨のままである。
ギシッ
鎧戦士は落ちていた白鱗のドラゴンシールドとロングソードを拾う
<<スケルトン戦士が死騎士に進化しました>>
「我が声に応えよ黄泉の軍馬」
死騎士が高らかに宣言するのと同時に地面が盛り上がる。
それは一体の骸骨軍馬だった。
死騎士は骸骨軍馬に跨ると吠える。ビリビリと空気が震えた。
「ワレ接敵ス」
村人を襲うゴブリンを見つけた岩鳥から念が入る。
「弓の射程に引き付けろ」
菜緒虎が思念を飛ばすと岩鳥から応と入る。
岩鳥は急降下で先頭のゴブリンの顔面を掻き毟る。
ぶんと手斧を振り回して迎撃をするが空しく空を切る。
周りのゴブリンも逃げる村人より襲ってくる岩鳥を迎撃すべく集まってくる。
じりじりと戦線が菜緒虎のくる方向へとズレる。
「よし・・・いいぞぉ・・・」
菜緒虎とウッドエルフ3人は背負っていた長弓を構え矢をつがえる。
「二番目に掃射!」
菜緒虎の命と共に鋭い風斬り音とともに4本の矢が弧を描いて2番目にいるゴブリンを正確に射抜く。
それを見て怯んだところに岩鳥が先頭のゴブリンに対して再びダイブ。顔面を掻き毟って再び上昇。
5匹のゴブリンは岩鳥を攻撃しようと集まってくる。
「三番目に掃射!」
ぐるんと弓が回転して菜緒虎の命令が正しく行使される。
ぎゃ
タスタスタス。ゴブリンの体が射抜かれる。
「抜刀。岩鳥の獲物は掻っ攫うなよ?」
「了解であります」
ウッドエルフ達はショートソードを抜きさってゴブリンに突っ込む。
「さて、初陣といきますか・・・菜緒虎推して参る」
菜緒虎は同田貫に手を掛けたまま走り出す。
-☆-☆-☆-
名前 一般人
種族 人間
分類 人間
性別 男 女
性格 ニュートラル-ニュートラル
STR:5 INT:2 DEX:5 VIT:3 AGI:5 LUK :1
体力8/8魔力2/2
能力:なし
魔法:なし
特殊能力:なし
装備:棒
備考:この世界でもっとも数が多い種族であるため人間と分類されている。
生物としては弱いがその豊富な知識でカバーしている。
職という概念からもっとも多くの物に分岐されるものと推測される。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 リザードマン
種族 リザードマン
分類 亜人間
性別 男 女
性格 ニュートラル-ニュートラル
STR:9 INT:2 DEX:5 VIT:9 AGI:5 LUK :1
体力12/12魔力2/2
能力:河川での移動ペナルティの無効化。海での移動ペナルティ低下。
魔法:なし
特殊能力:なし
装備:三又の銛
備考:湖や沼といった陸地内部の水辺で生活する爬虫類型の亜人間。
体を覆う鱗は皮鎧以上の硬度をもつ恐るべき戦士である。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 シャーク
種族 シャーク
分類 動物
性別 雄 雌
性格 ニュートラル-ニュートラル
STR:9 INT:1 DEX:5 VIT:12 AGI:12 LUK :1
体力20/20魔力2/2
能力:河川・海での移動ペナルティなし回避力上昇。河川・海以外の地形では移動できない回避力低下。
火系・風系のダメージ増大
魔法:なし
特殊能力:強大な咢(低確率で大ダメージを与える)
装備:なし
備考:備考:血の匂いに敏感。攻撃する際にその背びれを見せつけるため発見は容易だがその大きな咢から逃れることは難しい。
海や河川での目撃情報があるが水から出てくることはないので対応を間違えないように。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 死騎士
種族 スケルトン
分類 アンデット
性別 不明
性格 イビル-ロウ
STR:25 INT:10 DEX:20 VIT:15 AGI:20 LUK :4
体力40/40魔力15/15
能力:リバース(一撃死しない限り攻撃後の体力全回復)
斬撃・水系のダメージ低下
精神系のダメージ微増
状態異常・風系系ダメージ無効化
魔法:ヘルファイア(火・闇)
特殊能力:骸骨軍馬の召喚
装備:ロングソード・全身鎧・大盾
備考:すべてのアンデットはスケルトンに始まる。
国同士に大規模な戦闘があった古戦場跡で主に目撃される。
スケルトン戦士をレベル30まで育てることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
名前 ハイエルフ
種族 エルフ
分類 亜人間
性別 男・女
性格 グッド-ロウ
STR:18 INT:20 DEX:15 VIT:10 AGI:12 LUK :10
体力18/18魔力15/15
能力:地形森林での回避率アップ。
飛行モンスターへの攻撃力増加
魔法:雷嵐矢(風)
特殊能力:世界樹の風(3ターンに1度周囲の味方の体力を回復させる)
装備:ショートソード・皮鎧・和弓
備考:森の守護者として認められ世界樹の加護を受けるようになった。
また弓の扱いにも優れており飛行系モンスターにとっては天敵である。
ウッドエルフをレベル30まで育てることで進化することが確認された。
※性格・能力値はレベル1のときの平均でありレベルによって変動します。
「なんだ?」
ゴブリンたちは突撃するウッドエルフに気付き隊列を組むが、そこにまた隙が出来る。
三度目の岩鳥のダイブ。
ぎゃあぁあ
先頭にいたゴブリンは3度目のダイブを受けて絶叫。
「はぁっ」
菜緒虎は走りながら低く腰を落とし大きく踏み込む。
キン。鯉口を切る鋭い金属音。
パギっとゴブリンの石斧が柄から落ちる。
「はぁ」
ゴブリンの口から訝しげな声が漏れる。
やがてゴブリンの脇腹から肩にかけて線が走りずるりという音とともに斜め下へとずれ落ちる。
ぼん
断末魔の悲鳴さえ上げることもなくゴブリンは倒れた。
「殲滅せよ」
ウッドエルフたちは命令を遂行すべく残ったゴブリンに襲い掛かる。
最後のゴブリンが絶命したとき
<<ウッドエルフのレベルが上がり進化の条件を満たしました>>
声が聞こえてくる。
そして緑っぽい金髪のウッドエルフ兄さんの体が光る。
緑っぽい金髪は色は変わらないものの透き通ったものに変化する。
肌の色はより一層白くなり持っていた長弓は7尺3寸(221㎝)の大弓。いわゆる弓道につかわれるような和弓に変化した。
<<ウッドエルフが進化してハイエルフになりました>>
「ふっ。今後ともよろしくお願いします」
緑っぽい金髪のハイエフ兄さんは気障っぽく笑った。
ありがとうございました
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