ソウキ皇国の再編
チュウカナ大陸は、大陸の最南端で国を興した不死族、悪夢王リュウイチ・ソウキが率いるモンスター軍団によって統一された。
大陸を統一したリュウイチ・ソウキは、手始めにチュウカナ大陸での貨幣や計量単位、言語を再編し統一。併せて、道路や上下水道といったインフラの整備を行う。
リュウイチ・ソウキ曰く、この辺の改革は、中国の秦の始皇帝も行ったことなので優先させたとのこと。
そして、宗教のありかたを定めた。
リュウイチ・ソウキは女神リブーラを信仰するが、他人にこれを強要はしない。だからお前らも他人に信仰を強要するな。である。
この辺は地球と違って、約束を違えると天罰の形で下るので便利だとはリュウイチ・ソウキの弁。
この方針に、まず特殊進化で大名主となったウッドエルフの菜緒虎を筆頭としたハイエルフのリペッチオ、ライトエルフのアルファ、デスエルフのヘウロパといった上位エルフたちが賛同する。
そして、リュウイチ・ソウキを至高の存在として崇めはじめた。
これに真祖吸血鬼のアルブラドや地獄騎士バーンといった上位不死族が追随。
高位精霊族である悪魔神ルシファ、悪魔皇アスタルテ、大天使長実花恵瑠も承認する。
これによりチュウカナ大陸は、女神リブーラを最高神とした色々な神が存在する世界となった。
敵対した月神アリグナクは、滅ぼされた国で信仰されていた神という肩書がつき、信仰が薄れたことで神格が落ち、その他大勢の神のなかの1柱に零落する。
(悪魔堕ちしなかっただけマシという話もあるが・・・)
なお、明確なルール違反を犯したした鍛冶神の蚩尤は、神格を剥奪された上で、この世界との接続を永遠に絶たれた。
このとき女神リブーラは、奪った神格をリュウイチ・ソウキに付与しようとしたが全力でお断りしたという逸話が残っている。
つぎに、大陸が大きく四つの国に分割された。
旧ソウキ国には、ウッドエルフの菜緒虎を総帥とする千年樹連邦が建国された。
菜緒虎がトップを務めるが、そこに住むあらゆる種族が自らの代表を議員として送り込む議会制民主主義モドキで統治する国だ。
軍団からは、ハイエルフのリペッチオ、ライトエルフのアルファ、デスエルフのヘウロパといった上位エルフ。
大天使長の実花恵瑠に悪魔神ルシファと悪魔皇アスタルテといった高位精霊。
キュクロープの悪韋にコロッサスといった巨人族が議員として統治に関わっている。
旧魏府国領には兎人の劉美幻兎を国主とした劉国が建国された。
旧魏府国の政治体制であった中央集権によって獣人族が統治する国だ。
軍団からは劉美や関翅、張緋の三人を筆頭に狼人イヌガミや鬼の宇羅にハイオークの牡丹。
牛巨人ミノスに牡牛巨人牛銅。猫人のトラ美。
蜥蜴人であるドラゴンスチュワードのセバスにドラゴンメイドのエマが官僚として統治に関わっている。
旧マッサチン国領にはクワトロを国主とした、マッサチン公国が建国された。
旧マッサチン国の政治体制であった封建制で治める人族が統治する国だ。
軍団からは聖騎士クワトロや騎士フターリン。祓魔士ジャンヌや名無しだった魔導士、暗殺者、修道僧、重盾士の人が貴族に列せられ統治に関わっている。
そして、ソウキ皇国はリュウイチ・ソウキの居城である白露城のある島を唯一の領土とし、改めて千年樹連邦、劉国、マッサチン公国を束ねる皇帝を名乗った。
軍団からはエターナルリッチのアルテミスに真祖吸血鬼アルブラド。地獄騎士バーンに死の狙撃手のロビン。
ゲシュペンスト、ガシャドクロ、骸骨龍といった不死族。
それに皇帝烏賊のタコスケやゴーゴン、オルトロス、ナーガラジャ、ジャック・オー・ランタン、ジロウ・ノ・チョウチンといった動植物系モンスター。
そして身の回りの世話路するドラゴンメイドズの5人が住んでいる。
また、配下となっていたドラゴンたちはアタラカ山脈に、マーメイドのアーリエルや皇帝烏賊、メガロドン、ミズチといった海洋生活者は白露城の外周の海洋を住処としている。
ドワーフ娘の奴和や鳥人の鞍馬香良といった召喚に因らない協力者たちは自分の故郷に戻ったという。
白露城に駐在するワ国の外交官たちは、三年を区切りに交代することになった。
「君臨すれど統治せず」
ソウキ皇国が再編され、改めてリュウイチ・ソウキが皇帝位に就いたときに宣言された言葉である。
そしてその日を境に、公式の場にリュウイチ・ソウキが姿を見せることはなくなった。
後日、不死族の悪夢王である彼の武勇伝が語られるとき、最後のオチに死亡説が流れるというのが吟遊詩人の間で鉄板のネタになるのである。
ありがとうございました。