マッサチン国の分裂
この世界観を基にお話サイドに寄った話を書いてます宜しければどうぞ
チュウカナ大陸史書 偽典 菜緒虎伝
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マッサチン国との初戦を幸先よく勝利したおれたちの元に、元マッサチン国の第3皇子派の貴族の使者がやってきた。
それは、悪韋と張緋の元でも同じことが起きていた。
これは、配下の聖騎士クワトロが、元マッサチン国の第3皇子キャスパー・レム・マッサチンであり、その伝手が使えたこと。
捕らえたマッサチン国の冒険者を使って貴族連中を調略していた努力がここにきて花開いたのが大きい。
まあ、事前に攻め込むのと同時に寝返るよう交渉した貴族と、いままで日和っていて尻に火がついて寝返った貴族という違いはあるのだが。
「我ら一同、ソウキさまに忠誠を誓います」
白露城の評定の間に招待したマッサチンの貴族10人ほどが片膝を付いて首を垂れる。
この辺は流石というか手馴れている。
『臣従を承諾しますか?<<Y>> N』
配下のモンスターが進化したとき以外にこれを見るのは随分久しぶりなような気がするが、Yを選ぶ。
『マッサチン国の貴族10人が臣従しました。5人の貴族の領地の1/2がソウキ国の支配下に入ります』
『マッサチン国で辺境伯ノール・ニサン・ゴーン・ドラド3世が独立を宣言しました』
『ノール・ニサン・ゴーン・ドラド3世がノール・アリグナク1世を名乗りアリグナク神国の建国を宣言しました』
『マッサチン国でクーデターが発生しました。国王チオン・ゾク・マッサチン9世が隠居しました』
『マッサチン国でデキン・リム・マッサチン第一皇子が王に即位しました』
『マッサチン国とアリグナク神国との間で宣戦が布告されました』
これがゲームだと、終盤には起こりえないようなイベントが立て続けに発生したような気がする・・・
いや、ゲームじゃないから起こっているイベントなのか?
ちょっと考える。
おそらくチオン・ゾク・マッサチン9世は、こちらと一当てしてから降伏する腹積もりだったのだろう。
結果が散々だったから、息子に叛かれた形で表舞台から退場。
停戦派のデキン・リム・マッサチン王と交戦派のノール・アリグナク1世が仲違いしてノール・アリグナク1世は独立。
戦争状態となった。
ただ、この2か国が戦争するというのはフェイク臭いんだよな。
マッサチンと組んでアリグナクを攻めたら、戦場で後ろから撃たれそうだ。
というかするだろ。
「ソウキさま。デキン・リム・マッサチン王より親書を預かっております」
一番最後にこちらにつくと連絡してきた・・・たしか、宮廷貴族で官僚だったブルー男爵が懐から一枚の羊皮紙を取り出す。
近くにいた菜緒虎がそれを受け取り、おれの前にやってくる。
羊皮紙は蜜蝋で封印されており、マッサチン国の王家の紋章が押されていた。
「ふむ」
手紙の内容は、ダラダラと美辞麗句が連ねた挙句の「一緒にアリグナク神国を攻めよう」だ。
うん。こっそり同盟しようとか、もう少し味方を装うとか、捻ろうよ・・・
「クワトロ。降った10人の貴族は既知なのだろ?お前の好きに使え」
「はっ。戦場には?」
クワトロが小さく頭を下げる。
「貴族さまの部下が使えるか、第五軍で試験だな。バーン(地獄騎士)とセバス(ドラゴンスチュワード)を副官に付ける。あとは任せる」
「お任せください」
クワトロはチラリと貴族たちの方を見る。
貴族たちが小さく震えるのが見えた。
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第二軍
クワトロ(聖騎士)→悪韋
バーン(地獄騎士)→イヌガミ(ワーウルフ)
第五軍
→クワトロ(聖騎士)
→バーン(地獄騎士)
チャーシル(聖騎士)(マッサチン貴族子弟)
ルーヅベルト(聖騎士)(マッサチン貴族子弟)
フターリン(騎士)(マッサチン貴族子弟)
セバス(ドラゴンスチュワード)
おまけ
悪魔神にルシファという名前を付けた。
ありがとうございました