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ふぁんたじーわーるど  作者: あっぽ
9/55

戦い。

 

 森は宿屋から歩いて三十分くらいの距離にある。といっても人によって歩く早さは異なるので一概には言えない。比較的俺は早足で歩く人間なので、俺にとっての三十分は子供や老人にとっての四十五分くらいにはなるのだろうか。


 「到着っと」


 太陽が森林に光を射し、幻想的な雰囲気が漂っている。

 この森は入る場所にもよるが、木が立って草が生えてる景色がずっと続いていて、真っ直ぐに歩かずに、くねくね歩いたりしていたら迷子になる。とある物語のように物を落としながら進むか、こんな同じ様な景色を覚えれるやつがいるとは思わないが、世の中には天才と呼ばれる奴はいるので、もしかしたら有り得るのかも知れない。だが俺は生憎そんな能力は持ち合わせていないので、木に傷をつけながら歩いていくとしよう。

 この森にいるのは俺が知ってるのは緑色のスライムのようなやつとゴブリンだけだ。スライムといったら青色を想像するかもしれないが、森林の中で青なんかでいたらすぐに見つかってしまう。不意打ちや隠れるために、この世界のスライムは場所に適応しているのかもな。

 マスターも強い奴はこの辺りにはいないと言っていたがこの間のみたいなやつがいないとも限らないので逃げるための体力は残しておく。

 背中の愛剣を確認し、元気に生えている草を踏みながら森の中へと入った。



 「ふぅ...これでスライム30匹くらいは狩ったのか?」


 

 スライムは弱い。とてつもなく弱いため集団で襲ってくる。とはいっても3匹とかそこらだが。あいつらの攻撃は単純で突進してくるしかないのだ。真っ直ぐの突進なので簡単に回避できる。交わしたところに愛剣で1発殴ってやれば倒せる。ゴブリンと戦うと言っていたが、まず回復アイテムを集めるところからはじめている。

現在スライム30匹近く狩り、回復アイテムは15個。約50%くらいでドロップしている。レベル上げもあるが、剣の抜刀や振りを意識する練習も兼ねている。ゴブリンはスライムとは違い、引っかきなどの機敏な動きをする。初めて戦った時はスライムとの違いにびびってしまったが、動きは前回一度見ているし、疲労もそこまで無い。今回は意外と狩れそうだ。一定の距離を歩くと、スライムがでてこなくなり、ゴブリンが出てくる。縄張りのようなものがあるようだ。

 ゴブリンは集団で行動しないので、囲まれて危うくなることはなさそうだ。その代わりエンカウント率はスライムよりは低い。休憩しながら戦えるって考えればプラスではある。と思った瞬間...



「キキッキキー」


と奇声を喚き上げながら黄土色の生き物が襲い掛かってくる。ゴブリンだ。

左から迫ってくるゴブリンの引っ掻きを軽やかなバックステップで回避し、慣れた手付きで抜刀し、戦う体制に入る。

 

「よし、見えるぞ」


 

 ゴブリンはこっちが戦闘態勢に入ったのに気づき、一旦立ち止まる。

 こっちから仕掛けようとした時、ゴブリンが突然鳴きはじめた。鳴き声に反応し、周りの草が揺れる。


 突然の出来事で俺は驚きを隠せないが、そうは言ってられないようだ。



 草から2匹の新たなゴブリンが出現したのだ。計3匹。

 前回1匹でもあれだけきつかったのに、2回目の戦闘にして3匹はやばい。前回は仲間を呼ぶなんてことはしなかった。あの馬が何か関係しているのだろうか?

 いまはそんなことを考えている余裕は無い。ここをどう乗り切るかだ、生きるために逃げてもいい、だが俺は逃げるために日々走っているわけではない。戦うために、この世界で生きるために走っているのだ。


そう、俺の考えは最初から1つ。戦う以外にない。



ゴブリンの動きは基本、機敏な動きで錯乱させ隙を突いて攻撃をするというものだ。一匹、一匹の動きをしっかり確認し、回避した隙に攻撃すればいけるはずだ。


 一匹目のゴブリンが真っ直ぐ突進してくる。


ゴブリンに囲まれているが、ゴブリンが居る方向によければ攻撃を受けるだろう。しかし、攻撃してきた方向に回避すれば問題はない。


突進してきたゴブリンに向かい、軽くサイドにステップを踏み、カウンターのような感じで渾身の力で剣を斬り入れる。

1発目を入れ、苦しんだところに背中から2発目を入れる。


「ギュアァァ」


呻き声を上げて倒れる。


それをみて、仲間のゴブリンが一瞬怯む。

 その隙を俺は逃さずに、右側にいるゴブリンにも垂直に斬りかかる。抵抗しようとしたがその判断は遅く、剣が先に届いた。立ち上がろうとしたところに斬り入れ、もがきながら静止した。


 三匹目が敵討ちのような感情を持ち合わせてるのか分からないが、発狂し突撃してくる。一匹になってしまえば、それほど強くない。しっかりと回避し、十字に斬り落とした。気持ちが悪い声で鳴きながら倒れた。


「危なかった。」


 余裕で狩ったように見えるが、今の俺はレベルが2なのでゴブリンの攻撃を3発喰らったら死んでしまう。三匹いるとなると一回攻撃を受けてしまうとチェインを喰らい、嵌め死んでたかもしれないのだ。その点では1度も喰らってはいけないということを最優先で戦った。


「ドロップ品はーっと。」


 アイテムストレージを開き確認する。

 そこにはRAREITEMと書かれた剣があった


装備すれば能力値が見れるのだが、能力を確認しようと装備した俺の目が捉えたのは...




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