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ふぁんたじーわーるど  作者: あっぽ
21/55

Meister。

「なぁマスター」


 中々ルカの奴が来ないので、暇つぶしがてらマスターと雑談をしているのはいつもの事なのだが、今日は聞きたい事があったのでまあ話すタネには苦労しないで良さそうだ。


「ん?なんだ突然」



「名前なんて言うんだ?」


先程考えていた事だし忘れないうちにこういう事はやって置かないとな、いい加減マスターってのも違和感あるし。



「ああ、まだ言ってなかったか。アンリフ・ネフラトって名前だよ。気軽にネフラトでいい、こっちもカズサって呼んでる事だしな」


 やはり普通に横文字だな、ルカや真由花、そして俺はやはり名前からしても特殊なようだ。


マスターはルカや俺の名前に違和感とかは感じないのだろうか?

 宿屋は色んな名前を見慣れ、呼び慣れている物のような気がするし、あまり参考にはならないかも知れないな。



「短い間になるかもしれないがよろしくな、ネフラト。ところで歳は幾つなんだ?」



「女性に年齢をとか抜かすつもりはないが、ある程度見た目で想像は付くだろう?」



 見たところは結構若いが、女というのは化粧で何歳かは誤魔化せるらしいから難しい。

 


「20代後半ってとこか?あまり個人情報について知らないからなぁ、名前もさっき知ったところだし。」



「あまり話した覚えもないし、知ってたら怖いぞ。ほらルカが来たぞ飯にしよう」


 バタバタを足音を鳴らしながら洗面所で顔を洗っているようだ、忙しいやつだなと思いながらも、シャワーがあるのはマスターと俺の部屋だけだし、旅人はあまりシャワーなどと言う物を気にしないため全部屋にはないのであいつはマスターの部屋のシャワーを借りているらしい。

洗面所などは俺達しか泊まっていないので実質貸切状態なので使いたい放題なので、めっちゃ私物が置いてある歯ブラシセットとか、ネフラトがサービスでくれたのを大切に使っている。

年齢は惜しくも残念だったが、そこまで興味もなかったので本来の目的の名前が知れただけでも良しとしよう。



「改めておはよう、元気?」



「元気よ!なにその質問もっとあるでしょ?」


こいつ...元気なのは大事だろ。

何を聞いて欲しいんだよ、逆に聞いて欲しい質問を教えて欲しいので

聞いて欲しい質問を教えてくださいってのも可笑しいので女ってのは難しいものである。


「元気そうで何よりだ、また考えとくよ」




「そうね、元気は大事ね、うん。」



「おいおい、元気は大事なんだろ?元気なくなってんじゃねーか」



「そ、そうね!お腹減ったーネフご飯できた?」



「食欲が大いにあるのはいい事だ、たんと食べろ。ん?ネフ?」



「あたかもアンタが作ったみたいな言い方をするわね、それに親父臭いわよ」



「いつの間にお前らそんなに仲良くなってたんだ?名前を知らないのは俺だけだったのかよ...」



「なぁに~?仲間外れにされた気分?なんかごめんなさいね~」

 


 疎外感なんて感じていない、だっていつも独りだったから仲間外れなどは慣れているので今更気にしたりはしないが、元からルカはそんなつもりはないだろう、別に怒ったりする気もないのでノリに乗っかろう。



「べ、別に寂しくねーし。勝手に仲良くすればいいじゃない!」

先程のルカのやり方、超ドヤ顔で口角を上げ出来る限りのうざい喋り方。

渾身のツンデレ、ルカには到底敵わないが結構な上手さだと自負している。

だが男のツンデレとは誰が欲しいんだろうな、可愛くないし。


「ほんと、ごめん。私が悪かった。」


 両手を合わせて本気で謝られた...俺にはノリツッコミの才能はなさそうだ、今後一切ツンデレはやらない事を心に誓った瞬間であった。



「さ、ご飯食べようお腹減ったんでしょ?」



 ネフラト、いやネフ俺もフレンドリーにいこうと思ったがなんかルカの真似してるみたいで嫌だな、新しいネーミングを考えてみよう。

 ラト。いや違うな、フラ。おお!いいじゃないか、君に決めた!



「フラ、いつもご飯をありがとう。」



「え?どうしてそんな呼び方になったんだ?そんな呼ばれ方は初めてだ」



「まあ色々あってな、この呼び方に決めたからな。変更する気は毛頭ない」



「そこまで固く決めてるなら別に気にすることはないが今日知ったところでいきなりあだ名とは勇気があるな」



まあ普通にネフラトと呼び捨てにするつもりであったが、ちょっとルカに負けるのは悔しいので対抗した気持ちもあるが呼びやすいしな。



「ほら冷めちゃうよ早く食べよう」


机に並べられた美味しそうなご飯や味噌汁、外国人という言い方はあまり好きではないが、やはり他国の人が作る和食はイメージ通りの和食って感じがするな。日本人だとしてもここまでイメージにぴったりの朝御飯は中々お目にかかれなさそうだ。




「ほら、カズサ行くわよ!お腹ぺこぺこなんだから!」



ルカに手首を引かれ、机に引っ張られる。



「そこにあるんだから別に逃げやしねーよ」



まあ待たせるのも悪いし、大人しく席に着き両手を合わせる。



「いただきます」


という俺の声に続いて二人も声を出す。



「やっぱり美味しいな。」



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