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ふぁんたじーわーるど  作者: あっぽ
14/55

とき。

「ねぇ、本当にここにいるの?」



「ああ、誰でも最初は怖がる。俺もどきどきしていたからな」



俺達は今鍛冶屋の扉の前にいる。


 こいつの勘なのか本当に覚えているのかは定かではないが、無事にたどり着け、しかも五分程にしろ短縮はできたのは喜ばしい、少しでも早くしないと閉まったら困るからな。その時はなんとかコネで開けてもらう気ではいたけど。

こいつがどきどきしているのは鍛冶屋と言えば、多くの人が頑固親父を想像すると思う。俺も入るまではそう思ってたし、頑固でも腕は確かだろうと思ってたので勇気を持って入った。

 そしたら黒髪ポニテの少女がいたので驚いた、でもあんまり驚くと失礼かなと思ったので、その時はあまり顔に出さないようにはしてた。同じ年くらいなのでまあ気楽といっちゃ気楽だ。

 俺はこの話を歩きながらルカにしたんだけども、「嘘!あの扉の感じどう見てもベテランじゃない!絶対頑固親父がいる!」と言って信じてくれない。

 真由花に関しての特徴は結構語ったがあくまで見た目であり、俺もそこまでというか一度しか話してないため、明るい黒髪の同い年くらいしか知らない。

異性の俺より同性である、こいつと仲良くなって貰うついでに俺も仲間になれたらなと密かに考えている。


「まあ入れば分かると思う、行くぞ」


ルカを横目に、どっしりと構えたドアノブに手をかける。


「ま、まだ心の準備が...」


ルカが言い終える前にずっしとくる腕に力を込めドアを開く



「おっす、真由花いるか」



「おお、一日ぶりだね?今日はどうしたの?」



「まあ色々あるんだけど、紹介したい人が奴がいるんだ」


俺の背中で隠れているルミの肩を叩く。



「まあさっきそこで出会った愉快なツンデレ枠のルカルカだ。仲良くしてやってくれ」



「ちょっと!ツンデレ枠ってなによ!あとルカルカいうな!」



「とまあ、こんな感じの本職は芸人の面白い奴なんだ」



「もうあんたのボケにはついてけないわ...、こんな挨拶になっちゃったけど片淵瑠香です宜しくね?」


 

真由花に向かって右手を前に差し出す。



「面白い人は大歓迎!楓真由花だよ!」



差し出された右手に軍手を外してから握手を交わした。



「それで真由花、ルカが聞きたいことがあるそうだ」



「うん?答えられることなら何でもいいよ」



「ええ、カズサにも聞いたんだけど真由花はこの国で生まれたの?」



「え?違うよ...ここではないもっと別のところ。カズサはどうだったの?気になるんだけど。」



 質問がルカじゃなく俺に来るということは、ルカが俺と同じ所から来た思ってない理由は恐らく金髪のせいだな。こいつの金髪は綺麗だ、本物のブロンドと比べても大差ないレベル。

 こいつも別の世界から来ただろうと感じているように、真由花にも俺に対して何か思うことはあるのだろう。



「ああ、俺はこいつと同じところだよ。」


とルカの方を向き、真由花に伝える。



「こいつに尋ねたら、他にも同じ所から来た可能性がある奴に心当たりがあるって言うから案内してもらったらここだったのよ」



真由花が真面目な顔になり口を動かした



「なるほどね、じゃあ正直に言った方がいいみたいだね、私だけ仲間はずれは寂しいし、別の国というより別の世界から来たんだ、日本ってところ。」



その言葉を聞き、俺とルカは目を合わせ頷いた。



「まあそうじゃないかとは思ってたけどな、俺達も同じだ。こいつは金髪だが信じてやってくれ」


ルカは俺に向かい若干むすっと頬を膨らました



「同じだよ朝起きたら全く知らない、この世界にいた。真由花は鍛冶屋もやるくらいだし結構前からこの世界にいるの?」



「そうだねー、でもニ週間くらい前だからそんなに変わらないかな?鍛冶屋をやれたのは、戦うのは怖いって村長さんに伝えたら丁度空いてる家があるって簡単な鍛冶を教えてくれてそこから毎日やってたら上達しただけだよ」


 人によってこの世界に来た時間はばらばらの様だ。見た感じルカは俺よりは後だろう。


「へぇ、まあ戦うだけが全てじゃないしな。真由花が戦ってなくて良かったと思うぜ、そうしないと俺の鞘作って貰えないからな。」



「あはは、そう言って貰えると助かるよー、興味が無いって分けじゃないんだけど生き物を殺すことに抵抗が...ね。」



「そうだな、俺でも最初はあったしそれが普通だから気にするな、なあルカ?」



「ええ、そうね。私も出来れば戦いはしたくないんだけどお金がないからね。カズサのあの鞘は真由花が作ったんだね、ちょっと羨ましいけどお金ないから...」



「そうだね、昨日か一昨日だったかな?いきなり乗り込んで来て鞘作らないと潰すぞって脅されて泣く泣く。。」


俺だけに顔が見えるようにテヘっとベロを出しはにかむ。



「ちょっとあんたそんなことしたの!意外と恐ろしい奴ね...」


ルカが冗談だと分かってノッかる。



「まあ冗談はそこまでにして、あの鞘俺もう使わないし同じ剣だしサイズはぴったりの筈だしやるよ」



「いいの?結構お金かかったんじゃないの?」


ルカが申し訳なさそうな顔の中にも嬉しさを隠し切れてないようだ



「まああの剣は使わないしな、だが1つだけ約束してくれ。もう無茶はするなよ」



「わ、分かってるわよ。死にたくないしね。」



「え?カズサはあれあげたらどうするの?剣無くなっちゃうんじゃないの?」


心配そうな顔で此方を見る。



「ああ、その事か。俺にはこいつができたんだ」



ストレージを開き、大切に閉まっていたドュリンダナを実体化させる。





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