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ふぁんたじーわーるど  作者: あっぽ
10/55

新たな力。

「ドゥリンダナ...?」


 何か元ネタがあったりするのだろうか。昔の逸話とか伝説には疎いので分からないが、誰かに聞いたら知ってたりするのだろうか?

 橙色に輝く刃、飾りのない漆黒のように黒い柄。男なら誰しも最初に抱く感情は、


「なにこれカッケェー」


だと思う。 いま使ってる剣よりは小さく、片手剣サイズなのだが、小さいながらもしっかりと重量を感じる、持っただけで強くなった気分になれる。肝心な能力値はこれまた凄く、いまの剣の五倍はパラメータが上のようだ。

 

胸を高鳴らせながら、素振りをしてみる。

 

 ブンブンと風を切る音が気持ちよく、両手剣の重量に慣れてたからか疲労がほとんど感じられない。

 強い剣と体が軽くなったお陰で、これまでよりも楽に戦えそうだ。

ゴブリン三匹くらいならなんてことはなさそうだが、安全に戦い気持ちもあるので、できれば一匹ずつ倒したい。武器は強くなっても防御は紙だしな。

 奴等のように俺も仲間がいれば三匹でもどんとこい状態なんだけど、あの村には戦いそうなやつはいない。真由花は多少戦えそうだが店のことがあるしな。無理矢理連れ出す手もあるが、万が一のことがあったらと思うととてもできない。若い連中がほとんどいなく、いたとしても戦うのかは分からない。この状況では仲間を作るのは難しそうだ。

 

そろそろレベルが上がるんじゃないかと思い、蓄積経験値を開く。


レベル2 総経験値1964 次のレベルまで230


 ゴブリンをあと三匹くらい狩れば上がりそうだ。ゴブリンも経験値と金が同じようだ。ゴブリンさんマジ経験値うまい。

レベル1から2に上がったときは気づかなかったが、何か変化するのだろうか?攻撃力とかの補正が高くなるのかな。そんな事よりも、早くこの綺麗な刀身を持つ剣を試してみたくてうずうずしてしまう。

 

 体力も回復したので重い腰を上げ、パキパキと木の枝を折りながら歩く。

 3分ほど歩き、遠くに人型が見える。


 

 「ゴブリンか、一体のようだ」


 一体とは言え、油断はしてないけない。仲間を呼ぶことがあるようだし。

周りに注意するが他にいる気配は感じない、如何せんまだ実戦経験は少ないため信憑性には欠ける。仲間を呼ばれる前に倒してしまおうと、静かに近づく。

 意外と気づかれない、不意打ちは心臓がバクバクするのであんまりやりたくはないものだな。アサシンプレイは俺には向いてなさそうだ。

 

 二メートルの距離まで近づいたところでゴブリンが俺に気づく。


 仲間を呼ばれる前に倒してしまおうと、走って距離を詰める。

柄はないためずっと左手で握っていた、太陽の日差しでまるでダイヤモンドのような輝きをしているドゥリンダナを人間にとっては心臓に当たる場所へ突き刺す。

 ゴブリンの胸元から緑色の血が大量に噴出す。足元にゴブリンの血溜まりができ、苦しそうな声を出しながら倒れる。


 ゴブリンに弱点があるのかは分からないが、1撃で仕留められたのはでかい。前使ってた両手剣ではニ回は斬らないと倒れなかった。あの重いのを振り回すのは隙がでかいし、筋力も使う。この調子なら三匹出てきても勝てそうだ、ゴブリンの動きにも結構慣れてきた。とりあえずはレベル上がるまで狩るとしよう。あとニ匹だけども。



 一匹で行動してるやつを狙い、剣の一振りで終わる。さすがはレアアイテムと書いてあるだけの性能は誇っている。

 レベルは上がったかな?と確認する。


レベル3 総経験値2264 次のレベルまで2970


 レベルが上がってもなんのアクションも無いため自分で確認をしないと気づかない。しかし、何も上がった感覚はない。これがゲームの中だったならHPバーがあるので、分かりやすく上がるんだろうが喰らったダメージは自分で実感というか、出血や痛みなどで判断しないといけないので凄くわかりにくい。

 回復アイテムを使うと、出血や痛みが回復する。攻撃を受けたら痛いので使っとくかーって感じできたのもあるし、現在までにそこまでの重傷を負っていないため、どこまでが回復できるのか分からない。痛いので、できるだけ攻撃を受けたくないのが本音である。


 まあ何かしら強くなっただろうと淡い期待を抱きながら、ドロップ確認するためにストレージを開く。

 

 「ん?なんだこれ?」


 剣技と書かれたアイテムがある。ここから連想できるのはスキルくらいしか思いつかないんだけど。でもやっときたかって感じはする、なんとなく有るような気はしていた。だってあの50レベルの馬、普通に戦って勝てそうな相手じゃなかったぜ。

 ゴブリンからのドロップなのか、はたまたレベルアップのお陰なのか。もう一レベ上げないと分からないな。それとも二つとは全く関係なしに、あの剣を入手したからなのだろうか。どちらにせよ使ってみるとしよう。剣技と書かれた所をタップする。

 この技を習得しますか?【yes】【no】【捨てる】

一応、捨てることができるということは実体化できるようだな。いま実体化させる必要は無いので、【yes】をタップし、習得する。


 「あれ?何も変わらない...?」


 特に何も変わった様子はない。

もしやと思い、スキルと思想してみる。




いつもと同じように、何の音もなく静かに光の板が出現する。


「何かを習得することで出せるようになるのか、全く戦ってない村の連中は知らないだろうな、真由花にも聞いてみるとしよう」


出現した光の板をしっかり視認すると、


【片手剣スキル】【Lv1】 【クロスブレード】


 と表示されている。スキルにもレベルあるのかよ、しかも片手剣かよ。両手剣じゃないと鞘がないため持ち歩かないといけないという面倒臭さ。

 このスキルは名前的に十字斬りのようなものだろう、どうやって発動させんのかな?


 「ゴブリンでも探して試してみよう」


丁度昼時にかかったのだろうか、太陽が真上に感じられる。


さらに森の奥へ向かい、いそいそと歩きだした。






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