『 彼女を異星人にしてしまった僕の方が凄い、話/ある意味どちらも男のロマン 』
「私たちヘレム星人の皮膚は水分を弾くの。だから私に傘は必要ないわ」
そう言って佐々木京子は豪雨の中に飛び出していってしまった。
僕は一人、傘を差し出したまま取り残されて。
二週間後の雨の日。
「傘忘れちゃって困ってたの」
小雨の中を、佐々木京子は相合い傘で歩いて行く。
「……」
異星人の肌質すら変えてしまうなんて、イケメン、おそるべし。
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「ち、違うんだ。誤解なんだ。僕はそんなつもりじゃない。そんなつもりで透視眼鏡を作ったんじゃない、かけてるんじゃないんだよ」
僕の話を聞こうともせず、女性は無表情のままどんどん近付いてくる。
「僕は女性の下着が裸が見たかっただけなんだ。純粋に性的欲求を満たそうとしただけで、その、誰にも言わないから」
怖い顔の小さなエイリアン達が、ふくよかなお胸の操縦席から僕を睨みつけていた。