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フェル・アルム刻記  作者: 大気杜弥
第二部 “濁流”
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第一章 “力”を求める者 (五)

五.


「な、なんだあ!?」

 ルードの部屋は突如、まばゆい光に包まれた。夢の世界に赴こうとしていたルードは、がばりと起き上がり片手をかざして、光がどこから発しているのか探しはじめた。

 〈帳〉かライカ、どちらかのいたずらかと最初は思った。だが〈帳〉がこのようないたずらをするわけがないし、女性であるライカがルードの部屋に、夜半に入り込むなどというのも考えにくい。

(じゃあ、いったいこれは……?)

 ルードは光の正体を見つけた。それは壁に立てかけてあるひと振りの剣。土の力を持つ聖剣ガザ・ルイアートであった。

 彼は恐る恐るガザ・ルイアートに触れてみた。別に熱いわけではない。意を決したルードは柄を握りしめ、鞘から剣を抜き放ち、剣をかざした。

 刀身がまばゆく光り輝いている。

(これは……すごいぜ……。これが聖剣の本当の力なのか?)

 ルードはかつて二回、聖剣を手にしたことがあるが、今はその時とは比べものにならないほどの“力”にみなぎっていた。大地にみなぎる活力が、全てこの剣に集結したかのようである。

 しかし、ルードはかつてのような恐怖感を感じなかった。剣が、ルードを所持者として認めているから。それもあるが、運命に立ち向かうことを固く誓った今のルードの精神が強固であることをも表している。

 ルードは剣の圧倒的な“力”を感じ取っていたが、それも一瞬。剣は光を失い、ただ鈍く銀色に光るのみとなった。

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