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フェル・アルム刻記  作者: 大気杜弥
第一部 “遠雷”
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第一章 銀髪の少女 (四)

四.


 同じ頃。

 その男は、ちろちろと儚げに点るろうそくの火以外明かりのない、漆黒に覆われた部屋の中で、身じろぎ一つせずに長いこと立ち尽くしていた。

 聞こえるのは、その者の発する静かな息遣いのみ。男の両の眼はしっかりと開かれていたが、それは己が周りの暗黒を見据えているのではない。遠いところにある別のものを見ている、もしくは意識を遥か遠くに飛ばし、思念に耽っている様子だった。

 ややあって、彼は深く息をつき、ひとりごちた。

「何なのだ、今感じた異質な感覚は? ……干渉だというのか? だとすれば、由々しき問題だ。野放しにしてはおれぬな……」

 男のいる空間に徐々に明るみがさしてくる。

「〈帳〉よ。あの時、お前が我に語った言葉が、まさか真実となろうとはな。うかつだった。だがな、世界の流れを変えるわけにはいかないのだ。いかな手を用いてもな――!!」

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