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0話

此方の物語は不定期に作者のやる気とリアル仕事の息抜きにより更新予定です…




……も…し……


………ゆ……う……


勇……しゃ…………さ……ま……


せ……か……いを……


…………



********


「おーい、あんちゃんその荷物こっちにやってくれ」

「了解っす~」

幾分の月日が経ち、この不便な世界にも慣れた…

御伽噺に出てくる『異世界』からの『召喚』されし者…


今、俺はこの世界での『英雄』とされず、元の世界にも戻れず、旅から旅への根無し草をやっている…

(まあ、彼奴…『召喚術行使者』からの監視はされてるらしいがね…)


「ぼーっとしてんな~あんちゃん」

「え、すいません」

「いや、コレが手間賃だ助かった。」

「コレで今晩の宿代になります。ありがとうございます」

「い~て事よ!まさか、あんちゃんが手伝うだけでこんなに早く済むとは思わなんだ」

「ええ、見かけに依らず傭兵なんてやってますとね」

「お?帯刀してないから、分からんかったが…」

「戦が無いんで今はただの旅人ですよ~」

「あ~今は、何処も平和だからな~。あんちゃんにとっては商売あがったりって~事か…」

「俺は独り身なんで…野党に成らず、旅から旅への根無し草をさせて貰ってます」

「目的地は決まってるのかい?」

「はい、隣国の王都に…」

「そうか…これから出発つなんでな…世話になったついでに護衛を頼もうかと思ったが…逆だな…」

「いえ、お気遣い傷み入りますが、これも一期一会と言う事で」

「残念だがあんちゃんも、たっしゃでな」

そう旅の商人さんと別れ、宿に向かう途中…

足下から燐光が迸り、そう昔、学生だったあの日と同じく…

俺はこの世界から消失した…


*********


ゆ…う……しゃ……さ……ま……


「勇者さま……大丈夫でしようか?」

「う…ここは…」

「異世界からの召喚…元の世界とは違う世界とお思い下さい」

「いや…経験済みですので、大体は理解してますが…」

「え?そうなのですか?」

と、周りを見渡して見ると…

白一色の比較的広い部屋…

下から蒼い燐光が仄かに登って来るが、 どうも台の上に寝かされているらしい。

(道理で三半規管がおかしいく、クラクラすると思った…)

「ちょっと…暫くうつ伏せになったりしても良いですか…」

「あ…ええ…構いませんが…」

「申し訳ないけど、少し時間を置いてから」

「その時には、お話を聴いて頂けますか?」

「まっ話だけは聴きますよ」

「では…」

と立ち去って行く女性らしき人…

うーうー唸って(結構マジに辛い)居ると、暫くしてパシュと云う音が鳴り、人の気配が無くなる。


辛さが和らぎ、少し眠った後…

人の気配があり、目を覚ますと、傍らに白いワンピースを着た女性?が…

いや…普通、女性に?を付けるのはどうかと俺も思う。

だが、その頭(両耳の辺り)に金属の尖った部品は…


唖然とする俺の傍らで硝子のコップに入った水?を差し出す 女性…

「御加減は宜しくなりましたか?コレをお飲み下さい…いえ、只の水ですよ?」

と、口を少し付けてからくれる…

有り難く頂く…

「えと…まず自己紹介とこの世界の話をさせて頂きます。私の名は『エルカ・グラン・イオ』周りの者からはイオと呼ばれています」

水をゆっくり飲みながら首肯にて話を続けて貰う

「ここは『グラン・アダー・ランド』我々『エルフ』の最後の王都です」

中身の飲み終わったコップを渡し、先を促す

「この度、あなた様を…いえ…勇者様を『召喚』させて頂いたのは…」

神妙な雰囲気に呑まれそうに成りつつ…

「地上からの侵略者を撃退して頂きたいのと、地上出入り口付近一帯の掃討、並びに、拠点作成の補助を願いたいのです」

「国の名前は…聞いたこと無いな…この付近の地図とかは?と言うか、どれだけ侵略者達が侵攻していて、ここはどういった場所なの?聞いてる限り地下っぽいけど…」

「はい、でしたら…古い物ですが周囲の地図を用意致します。後、現在地下200階に居まして、侵略者は地下150階まで侵攻しています。因みに、侵略者は『蛮族』『獣魔』『妖魔兵』『人族』が確認されています…数は確認しているので5000の混成部隊…」

「人族って人間?」

「ええ、残念ながら」

「此方の戦力は?」

「全戦力ですと、魔導兵50、一般兵100と私…あと、恐れながら勇者様のみです…」

「全戦力で151と俺か…」

「その内前線に居るのは115です…後の35は街の防衛・巡回と中継基地の維持です」

「中継基地と言うことは…前線基地も在るのか?」

「一応、地下175階に中継基地、並びに、攻撃拠点を151階に要塞化済みです」

「それが救いか…ところで魔導兵って何が出来るの?」

「1日1回のフレイムバーストランス、1日5回のフレイムボール、1日10回のフレイムブリットが放てます接近戦は期待しないで下さい」

「前線には?」

「現状魔導兵は40人が10人ずつ交代で休憩を、一般兵は75人を25人ずつ休憩で廻しています。」

「俺にどうしろと?」

「それは、この階に禁忌の部屋があり、其処にあると云われる2つの魔導書『生命の書』と『偽りの書』を使い、助けて頂きたいのです」

「つーか、それ判ってるならアンタらがやれば良いのでは?」

「いえ…その2つの書を使いこなすには、制限がありまして…まず、実際戦った事がある者を、尚且つ対等未満の者しか呼べず、使役出来ないと言う事が1つ目の制限…」

「他には?」

「はい、2つ目は『異世界』での戦闘経験者であり、細部まで理解している者、と言われてます」

「と言う事は、俺に『向こう』で戦った事のある、敵対者もしくはモンスターを創造してくれと?」

「ええ…」

「断ったら?」

「非常に困ります…この勇者様を召喚した呪式は送還出来ませんし、新たに召喚するには5年~10年の呪力蓄積が要ります…ですので、この私を…ゆっ勇者様に…さっさささささげても…」

「いや…そんなに緊張されても…と言うかよく両親が承諾したな?」

「いえ…私の両親は真っ先に前線にて…」

「いや…すまん…」

「街の娘達でも…成人しているのは私だけで…うっ」

「そんな人身御供的に言われても…あ~分かったから…泣くな!」

「ずっずみばぜん…」

「可愛い顔が台無しだぞ…手伝ってやるから…ほれ、ハンカチ」

「不束者ですが宜しくお願い致します…」

「とりあえず、落ち着け、そういうのは侵略者を追い出した後でな?」

「はい、でしたらさっそく禁忌の部屋へ…」

「あ~、連れて行ってくれ」


こうして二度目の召喚世界での…俺の生活が始まったのである



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