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第二章・沙也(さや)
「ただいまー!」
仕事から帰った沙也は、ねむっている美桜を見ると、その向かい側のもうひとつのソファに座り、つぶやいた。
「この年で仕事するのも、大変だな」
沙也は今、十九歳。
高校を二年で中退し、美桜の面倒をみるために、働きにでている。もちろん、美桜の両親からの仕送りは、毎月きちんとあるのだが。
沙也の両親は、沙也が幼いころ、交通事故で亡くなっている。昔は祖母に育てられていたのだが、その祖母も、沙也が美桜と暮らし始める直前に他界した。
沙也はさみしそうに、目をつむった。
そのまま沙也は、ねむってしまった。
ちいさな居間に、美桜と沙也の寝息だけがきこえていた。




