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沙也の瞳
……あれ?
美桜は首をかしげた。
今日は月曜日……!? 学校がある日だ! どうしよう……
美桜はちらりと奈々を見た。奈々は、今日が学校のある日だと、気づいているのだろうか。
「奈々」
奈々は呼びかけに気づかない。
「奈々……奈々!」
「……え?」
奈々はハッとした様子で美桜を見た。
「美桜……何?」
「今日、学校がある日じゃない?」
美桜が言うと、奈々は微笑んだ。
「今日は千里のお葬式で、私たちのクラスだけ授業がない日なの。きっと、沙也さんに連絡が行ってるよ」
「二人とも!少し静かにしてて!」
いきなり(さや)、沙也の声が割り込んできた。
「はい」
美桜は少ししょんぼりしながらも、心の中では笑っていた。ほっとした気持ちと、沙也の声が冗談めいていたからだ。
だが、沙也が言ったのは、冗談ではなかったようだ。
目が怒っている。さっきの来美のように、沙也の瞳はぎらぎらしていた。
「沙也姉ちゃん、本気で怒ってるの?」
美桜が尋ねると、沙也は我に返ったかのように部屋中を見渡した。
その目は、元の茶色い沙也の目に戻っていた。




