依頼
翌日、美桜は朝早く目覚めた。
部屋を出ても、沙也の姿は見えない。
まだ寝ているのだろうか。
そのとき……
ピーンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
「はぁい」
出てみると、奈々だった。
「あっ、奈々」
奈々と久しぶりに会った美桜は、少し照れくさかった。
「どうしたの?」
美桜が聞くと、奈々は少し笑って言った。
「沙也さんに、お願いがあって来たの」
「沙也に?」
「うん。千里を殺した犯人を、捕まえてほしいの」
あれ? 美桜は思った。なんで、沙也が探偵をしているって知ってるの? 千里が他殺だってことも、一般の人は知らないはずなのに。
ふいに、後ろから声がした。
「私に事件の依頼?」
沙也だった。
奈々は沙也に頭を下げると、言った。
「どうか、千里を殺した犯人を、捕まえてください」
沙也はにっこりと笑った。
「うちの美桜からの依頼と同じね。よろしく」
沙也の目は、笑っていなかった。
沙也は尋ねた。
「お名前を教えてくれない?」
「奈々です。宮園奈々」
奈々が丁寧に答えた。
プルルルルル
電話が鳴った。沙也が受話器をとる。
「はい。大川です。あ、荷田さん。調べがついたんですね。えっ?たったの二人?はい、今行きます」




