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守ってみせる
その後、捜査を警察に任せ、沙也と美桜は帰宅した。
家につくなり、沙也は、ポケットから四つ折りにした紙を取り出した。
あの時沙也が無意識に、たたんでポケットに押し込んだのだった。
その紙を広げ、沙也はため息をついた。
「面倒な事件ね…。デパートアリアールで働いている人も大勢いるし。よし、ここは警察に任せよう」
沙也はさっと立ち上がり、どこかへ電話をかけた。
美桜が近くに行くと、沙也はスピーカーホンボタンを押してくれた。
「もしもし?ああ荷田さん。至急調べてほしいことがあるのですが」
「何ですか?」
「デパートアリアールで働いている人全員のアリバイを調べてください。昨日の件と今日の件の両方で」
「はい。至急調べます」
「よろしくお願いします」
ピッ。沙也は電話を切り、美桜を見た。
「なあに?」
美桜が尋ねると、沙也は答えた。
「これから先も、つらいことが多くおこると思う。だけど私は…」
「私は?」
うつむいていた沙也が、顔を上げた。
涙が見えた。
沙也の涙は、強い涙だった。
「美桜だけは、私が守ってみせる」
美桜の目も、涙で曇ってきた。




