第99話 準決勝
「それでは、第七試合――
アレンさん vs エリスさん、開始です!」
「アレンくん!久しぶりだね!!」
「あはは...そうですね...」
「アレンくんの強さを間近で見たからこそ、戦いたいってずっと思ってた。」
「そうなんですか?」
「だから――出してくれない? 本気。
私も、全力で行くから」
「分かりました。」
「私も結構強いから。あんまり舐めないでね!!」
「もちろん、だけど、怪我はさせないようにします。」
「やっぱり優しいね...アレンくんは。」
「優しくないですよ...」
「いや、優しいよ。ずっと見てたんだから。」
エリスは微笑み、続ける。
「だから本気で勝ちに来て。
私はね、何の血筋もないアレンくんが、色んな大きいものに立ち向かっていく姿を後ろから見ていた。それでアレンくんを好きになった。まぁ最初は容姿に惹かれたんだけどね。」
「血筋なんて関係ないです。守りたいって気持ちがあるだけですから。」
「そうだね。私もアレンくんのように誰かを守りたい。そのためにも、勝たせてもらうよ。」
「ええ。やりましょう。」
【レビュラ解放】
【地氷冬華】
エリスが剣を振るった瞬間、
アレンの足元が、凍りついた。
いや――
凍結は一気に広がり、フィールド全体を覆っていく。
氷の大地の上で、エリスは余裕の表情を浮かべる。
「このままじゃ、動けないよ!!
私に三回斬られて終わり!どうするの!!アレンくん!!!」
――氷か。
確かにまずい。
魔王の力で筋力を上げれば抜け出せる。
だが、足場が滑る以上、まともな攻撃はできない。
なら――。
アレンの足元の氷が、じわじわと溶け始めた。
今まで、アレンが使ったことのない能力。
――魔王の炎の力。
アレンは魔王の力で身体を強化し、
足元に炎を宿す。
「……やっぱりなんでもありすぎ...その能力」
アレンは、剣にわずかに魔王の力を宿し、
エリスと刃を交える。
「力勝負ね。
私、結構強いわよ」
――ダメだ。
押し切られる。
軽い動きが得意なのかと思えば、
こんな重い攻撃まで……。
次の瞬間。
エリスの剣が、折れた。
「……っ!?」
折れた剣を手に、エリスはなおもアレンを突こうとする。
だが、すぐに動きを止め、息を吐いた。
「……はぁ。ダメね。
こんなところで、熱くなっちゃ」
折れた剣を見下ろし、苦笑する。
「剣が折れたなら、私の負けだわ。
審判さん、私、敗北で」
「第七試合、勝者――
アレンさんです!」
「エリスさん、ありがとうございました」
「少しは力、出してくれたけど……
まだまだ、残してるでしょ」
悔しそうに、しかし楽しげに笑う。
「悲しいな〜。もっと行けると思ったんだけど...。アレンくん。頑張ってね!!! 」
「ありがとうございます。エリス先輩。」
――おい。
三年のエリスさんまで、あの一年に……!?
――氷が溶けてたけど……炎を使うのか?
――すげぇぞ……あの一年!
――勝ったのね、アレン。
必ず、私があなたを倒す。
全員倒して――私が、優勝する。
「続きまして、第八試合――
ナナミさん vs ケーレさん、開始です!」




