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第22章 無相蓮華空相・顕現(前編)

◇ とある街道/朝


朝の街道は、やけに平和だった。


乾いた土。

ゆるい起伏。

遠くで、生活の音が切れずに続いている。


――だからこそ。


前方が、うるさい。


スレイが、全力で走っていた。


その肩の上。

シオン。


小さな足が、

スレイの鎖骨あたりで、

ぶらぶらしている。


シオン

「わー」


シオン

「たかい」


完全にご満悦。


スレイ

「だからって!!

 なんで私が肩車なのよ!!」


叫びながらも、

速度は落ちない。


スレイ

「白羽ちゃん!!

 これ、絶対おかしいでしょ!?

 役割分担ミスってるでしょ!!」


白羽は、少し後ろ。

落ち着いた歩調のまま、即答する。


白羽

「でもスレイさん、

 いちばん体力ありますし」


スレイ

「そういう問題じゃないの!!」


シオンが、

スレイの髪を掴む。


がっちり。


シオン

「えい!」


ぐい。


スレイの身体が、右に引っ張られる。


スレイ

「ちょっ!!

 それ、操縦桿じゃないから!!」


シオン

「こっちの方が、まっすぐ」


ぐい。


今度は左。


スレイ

「行ってない!!

 全然まっすぐ行ってない!!」


シオン

「むぅ」


ぐい、ぐい。


スレイ

「やめろって!!

 首が! 首がもげる!!」


白羽

「スレイさん、進路が蛇行してます」


スレイ

「原因この子だからね!?」


その騒ぎの、少し後ろ。


雛は、歩いていた。


ヴォイドの、半歩外。

守られている位置。


視線は前。

だが――


(……来てる)


胸の奥が、

わずかに、冷える。


距離ではない。

方向でもない。


“格”が、違う。


雛は、一度だけ息を整える。


(……遺乃)


名前を出さない。

出した瞬間、

自分の足が止まるのが分かっている。


前方では。


スレイ

「白羽ちゃん助けて!!

 この生き物、私を乗り物だと思ってる!!」


白羽

「シオンちゃん、掴むなら――」


シオン

「ここ?」


スレイ

「そこが一番ダメ!!」


完全に視線が持っていかれている。


――今だ。


雛は、歩調をほんの少し落とした。


それと、ほぼ同時に

ヴォイドが足を止めた。


騒ぎは続いている。

誰もすぐには気づかない。


雛は自然な流れで、

ヴォイドの横に並ぶ。


声は低い。

周囲には届かない。


「……ヴォイド様」


一拍。


雛は、

言葉を探す。


(一度殺されかけた相手)


(それでも……)


「……どうか、行かせてください」


感情は乗せない。

事実だけを置く。


ヴォイドは、前を見たまま。


一瞬の間。


ヴォイド

「いってこい」


即断。


雛の喉が、

一度だけ鳴る。


ヴォイド

「ただし、約束しろ」


雛は、視線を上げる。


ヴォイド

「絶対に、帰ってこい」


命令でも、

励ましでもない。


“前提”。


「……はい!」


短く。


――その直後。


ヴォイドは、

ほんのわずかだけ身を寄せた。


言葉は、低い。

周囲には、届かない。


雛の耳元で、

何かを告げる。


雛の目が、

思わず、丸くなる。


一拍。


「……え?」


すぐに、

息を吸う。


驚きは、消えない。

だが――迷いは、ない。


「……はい!」


「やってみます!」


声は、明るい。

それでいて、覚悟がある。


雛は、一歩下がる。


その動きに、

誰も気づかない。


スレイは、まだ叫んでいる。


スレイ

「白羽ちゃん!!

 この子、絶対わざとやってる!!」


シオン

「たのしい」


スレイ

「楽しくない!!」


雛は、背中を開いた。


黒い羽根が、

一斉に展開される。


ためらいはない。


雛は、そのまま――

一気に、飛び立った。


街道の端。

人の気配が、薄れる方へ。


――振り返らない。


数歩遅れて。


白羽がようやく異変に気づく。


白羽

「あれ?」


白羽

「雛……?」

 

スレイ

「……え?

 どこいったの!?

 あいつ」


シオン

「ゆくえふめい?」


スレイ

「え!? いつの間に!?

 ねえヴォイドさん!!」


ヴォイドは、

前を向いたまま言う。


ヴォイド

「……雛は行った」


それ以上、言わない。


スレイ

「あのバカ、勝手に……」


白羽は、

小さく息を吐いた。


白羽

「大丈夫ですよ」


白羽

「雛は強いんです。

 私たちが思ってるよりも、ずっと」


この先で雛は――

もう一度、"最強"と向き合う。



◇ 忘れ去られた村近くの街道/昼


昼の街道は、静かだった。


踏み固められた土。

乾いた風。

遠くで、鳥の声。


そこを――

がたごと、と。


小さな荷台を引きながら、

遺乃が歩いていた。


荷台には、

布袋。

干し野菜。

少量の豆。

瓶に入った塩。


どれも多くはない。

けれど、無駄もない。


遺乃は、荷台の取っ手を両手で握り、

一定の歩調で進んでいる。


その口から、

小さな歌がこぼれていた。


♪ うーんしょ

♪ よいしょ、よいしょ


♪ 村の皆さまのためですの

♪ 今日も運びますの


音程は、正確ではない。

でも、楽しそう。


遺乃は、少しだけ胸を張る。


♪ 豆とお塩と

♪ あと少し


♪ 笑顔があれば

♪ 十分ですの


がたごと。

荷台が小石に乗り上げる。


遺乃

「……あら」


一拍。


遺乃

「ふふ。

 急ぎませんわ」


歌は、また続く。


♪ ゆっくりで

♪ いいのですの


♪ なくならないよう

♪ 大事に、ですわ


村の入口が、見えてきた。


屋根。

畑。

洗濯物。


見慣れた景色。


遺乃は、ほっと息をつく。


遺乃

「……もう少し、ですわね」


そのとき。


ひらり、と。


遺乃の視界の端を、

何かが横切った。


黒い羽根。


落ちるには遅すぎる。

舞うには静かすぎる。


遺乃の足が止まり、

歌が途切れる。


遺乃

「…………」


荷台の取っ手を、離さない。

だが、指先の力が変わる。


ひらり。


もう一枚。


黒い羽根が、

昼の光の中で、ゆっくりと落ちた。


遺乃は、荷台を――

そっと、地面に置く。


がたん。


音は、小さい。


遺乃の表情から、

さっきまでの柔らかさが、

すっと消えた。


遺乃

「……あら」


声は、静か。


遺乃

「これは……」


見覚えがある。


忘れるはずのない色。

忘れたふりをしていた兆し。


遺乃は、

スカートの裾を軽く整える。


姿勢を正す。


迎え撃つためではない。

逃げるためでもない。


――“向き合う”ため。


遺乃

「……なるほど」


小さく、息を吐く。


遺乃

「買い出しの帰りに、

 お客さまですのね」


ひらり。


三枚目の羽根が、落ちた。


その影の向こう。

村へ続く道の、少し先。


空気がわずかに歪む。


遺乃は、荷台を道の端へ寄せた。


そして――

来る者を待った。



遺乃は、空を見上げた。


黒い羽根が、

一枚――

二枚――

間を置いて落ちる。


そこに、いた。


昼の空。

白く乾いた光の中に、黒が浮いている。


人の形をした影。

背に広がる、黒い羽根。


風に揺れもせず、

落ちることもなく、

ただ“そこに在る”。


遺乃の目が、わずかに見開かれた。


遺乃

「……まあ」


驚きは、声より先に、呼吸に出た。


遺乃

「雛……さん?」


間違えようがない。

確かに、“終わった”はずの存在。


遺乃

「生きてましたの」


雛は空中から遺乃を見下ろしていた。

その視線には、怒りも、憎しみも、ほとんどない。


ただ、確認するような冷たさだけがあった。


視線が、ゆっくりと下がる。


道の端。

置かれた荷台。


麻袋。

瓶。

布包み。


量がある。

一人分じゃない。


「……その荷」


遺乃は、動かない。


「あんた一人のじゃ、ないわね」


一拍。


「誰かの分?」


返事はない。


雛は、荷台をもう一度見る。


「……あんたみたいな、人殺しが」


黒い羽根が、わずかに揺れる。


遺乃は、目を逸らさない。

表情も、変えない。


沈黙。


雛は、短く息を吐いた。


「……答えない、か」


一拍。


「まあいいわ」


雛の視線が、遺乃に戻る。


「理由なんて、どうでもいいの」


声は低い。

感情を削ぎ落とした、決断の音。


遺乃はその言葉を聞いて、

ほんのわずかに目を細めた。


遺乃

「顔つき……変わりましたわね」


雛は、ほんの一瞬だけ視線を外す。

白い昼の向こう、遠い光を見て――


「……そうね」


短い。

けれど、軽くはない。


「あなたに負けたあの日から……

変わらざるを得なかった」


雛は、再び遺乃を見る。


「だから」


「ここで終わらせる」


言い切り。

迷いの入る余地はない。


「三千年前から続いた――

 この物語を」


昼の光が、

二人の間に、乾いた影を落とす。


遺乃は、静かに一歩、前へ出た。


袖はもうまくってある。

構えはない。


だが、世界の側が、

彼女に合わせて息を詰める。


遺乃

「……よろしいですわ」


声は穏やか。

けれど、退かないと決めた者の響き。


遺乃

「では――始めましょう」


雛の背後で、黒い羽根が開く。


一枚、二枚ではない。

数える意味を失った“死の兆し”。


羽根が、空から降り始める。


静かに。

確実に。


黒が、昼の空を覆い始めた。



――次の瞬間。


雛は羽を振らずに

地面に視線を落とす。


何もないはずの場所。


「――《生滅終焉・白夜》」


音は変わらない。

風も止まらない。


ただ――

“終わるための仕組み”だけが、外れた。


空間が、きしむ。


遺乃の背後。

荷台の先。


そこに、滲むように――

道が現れた。


影。

屋根。

壁。


隠されていた村が、

昼の光の下に、

あっさりと、姿を現す。


遺乃

「………は?」


思考が、追いつかない。


雛はもう遺乃を見ていない。


「……なるほど。

そういうこと」


そう言って、

そのまま走り出した。


村へ。


遺乃

「……え?」


雛は、村の境界を越える。


遺乃

「――ちょ、ちょっと待ってくださいませ!!」


ようやく、声が出る。


遺乃

「そこは……駄目ですの!

 ええと……!

 説明が必要な……!」


雛は、止まらない。


遺乃

「無断……!

 いえ、侵入では……!」


言葉が迷子。


雛は、村の中へ入った。


遺乃の顔が、

じわじわと赤くなる。


遺乃

「……あの」


遺乃

「待ちなさい、ですわ!!」


スカートを押さえ、

荷台を放り出し、

慌てて追いかける。


遺乃

「戦う流れでしたでしょう!?

 今のは、明らかに……!」


雛は、振り返らない。


遺乃

「ちょっと!!

 本当に!!

 待ってですわ!!」


昼の光の中で。


戦場になるはずだった場所は、

いつの間にか、

“日常の延長線”に変わっていた。


雛は、遺乃を完全に無視して、

村へ侵入し。


遺乃は、

事態を理解できないまま、

全力で後を追っている。


――決着は、まだ先。


だが、

主導権だけは、

完全にひっくり返っていた。



◇ 忘れ去られた村/昼


雛が、村の中へ足を踏み入れた――

その瞬間。


白が、増えた。


道の脇。

石垣の影。

畑の縁。

家と家の隙間。


人が踏まない場所だけを選ぶように、

白い花が咲いている。


一輪じゃない。

いくつも。いくつも。


雛の喉が、冷たく鳴った。


(――名を持たない白い花)


ここは、“数”が多すぎる。

村の人口を数えなくても分かる。

生活の余白すべてが、白で埋まっている。


雛の目が、ほんのわずかに細くなる。

それは確信の形だった。


(……この花の数だけ……)


遺乃の手が、背後から伸びる。


がしっ。


指が、雛の手首を掴んだ。


遺乃

「ちょっと、おいたが過ぎますわ」


声音は、いつも通り上品。

しかし。


掴んだ瞬間――

世界の裏側で、歯車が噛み合う。


“縁”が、静かに組み替えられる。


雛の存在。

ここに立っている理由。

次の一瞬へ進むための前提。


それらを――

まとめて、切り落とし始める。


遺乃

「わたくしの村に無断で入る輩は、

 死んでいただきますの」


第二災《無相むそう》。


殺す、という結論だけが、

音もなく、正確に、確定へ向かう。


雛の視界が、わずかに歪む。


――来る。


そう理解した、

まさにその刹那。


少女

「あ、お姉ちゃんだ」


間の抜けた声。


遺乃のすぐ後ろ。


少女

「なにしてるの?

 新しいお遊び?」


空気が、べしゃっと潰れた。


遺乃

「――っ」


殺害処理、未成立。


遺乃の指先が、

掴んだまま固まる。


振り返る。


そこには、

布袋を抱えた少女が一人。


首を傾げて、

ただ、不思議そうに見ている。


雛は、手首を軽くぶらぶらさせる。

そして、にこり。


「はじめまして」


遺乃

「!?」


「私、雛っていいます」


一拍。


「この子の……友達です」


遺乃

「――――っ!?」


空気が、

一瞬だけ凍り――

即、溶けた。


少女

「え、お姉ちゃんにお友達!?

 はじめて見た……」


遺乃

「い、いえ……その……!」


「さっき、道で会って

 お話してたら」


遺乃

「……っ!」


「すっかり意気投合しちゃって」


遺乃

「してませんわ!!」


声が裏返る。


少女

「仲よくなった?」


「うん」


少女

「へー!いいじゃん」


納得が、秒速。


少女

「お姉ちゃん!

 お友達にはお茶出さなきゃね」


遺乃

「………」


少女

「さ、おうちいこ!」



遺乃

「ちょっと待ちなさい」


声は低い。

だが、いつもの調子だ。


遺乃

「わたくしのお屋敷は、

 不届き者を迎えるような

場所ではありませんの」


少女は、きょとんとした顔で言う。


少女

「え?」


一拍。


少女

「いつも通りじゃん」


遺乃

「……いつも通り、ではありませんわ」


少女

「前もお姉ちゃんちで、お茶飲んだよ?」


遺乃

「それは――

 あなたが無理やり入ってきただけですの」


少女

「えー」


全然気にしていない。


少女

「お姉ちゃん、はやく」


ぐいっぐいっ


遺乃の手を引く少女。


遺乃

「……あなたは、本当に遠慮というものを」


少女

「でも、いつもいいって言うじゃん」


遺乃

「言ってませんわ」


「ほら、もう案内されてる」


遺乃

「…………」


完全に、逃げ道がない。


遺乃

「……狭いですわよ」


それは、拒否ではなく、

いつもの注意だった。


「大丈夫」


遺乃

「どこがですの」


少女は、もう前を歩いている。


声を上げながらも、

遺乃は歩みを止めなかった。


――第二災《無相》。


世界を裁く存在は、

今日もまた、

慣れた足取りで、

自分の家へ連行されていく。



◇ 遺乃の屋敷(ボロ家)/昼


少女はもう、戸の横で待機していた。

“いつもの”みたいに、当然の顔で。


少女

「ここ、ここ」


遺乃

「もう!

 誘導しないでくださいませ」


遺乃の言葉が途切れた瞬間、

少女が勝手に戸を開けた。


ぎぃ……。


開いたのは扉だけではない。

現実も、開いた。


中。


天井は布。

軋む床。

壁は補修跡だらけ。

棚は歪み、器は揃っていない。


そして――

部屋の中央、堂々と斜めに割れた姿鏡。


(………え、これ)


言葉が出ない。

出ないのに、視線だけが情報を拾いすぎる。


(天井の布、何……)

(しかも鏡、割れてない?)

(床、なんか鳴ってるし)

(ていうか、“屋敷”……?)


遺乃は、雛の沈黙を“評価”と受け取ったらしく、

微笑んだまま言う。


遺乃

「……何か言いたいことが、おありで?」


雛は、必死に言葉を探す。


「……あの」


遺乃

「……?」


「強く生きてる」


遺乃

「なにがですの」


「家が」


少女

「うん。よく鳴くよ」


遺乃

「な、鳴きませんわ」


遺乃の目が、ほんの少しだけ細くなる。

怒ってない。


ただ、“変な角度で褒められている”のを、

処理できてない顔。


遺乃は一拍置いて、

いつも通りの上品さで言う。


遺乃

「適当に座ってくださいませ」


少女

「わたし、ここー!」


少女は勢いよく部屋の奥へ走る。


――そのとき。


がんっ。


少女が、低い棚に肩をぶつけた。


少女

「あ」


次の瞬間。


引き出しが、半分ほど飛び出し――

中から、紙束がばらばらと舞い上がった。


白い紙。

薄く黄ばんだ紙。

折り目のついた、何枚もの紙。


空中で、ひらひらと。


遺乃

「――っ!」


声が、明らかに違った。


遺乃

「それは……っ!」


遺乃は、考えるより先に動いていた。


床に落ちる前に、

舞い上がった紙を両手で掴む。

拾う。

押さえる。

かき集める。


動きは速く、

どこか――必死だった。


遺乃

「触ってはいけませんわ!!」


少女

「え?」


視界の端で、

紙の一枚が、床を滑る。


文字がある。

細かい。

整いすぎている。


内容までは――見えない。


遺乃は、その一枚にも気づき、

素早く拾い上げる。


一瞬だけ。

本当に一瞬だけ。


“上品”が、剥がれた。


遺乃は紙束を胸に抱え、

深く息を吸う。


そして、

何事もなかったように微笑む。


遺乃

「……古い覚え書きですわ」


声音は、いつも通り。


少女

「なにそれ?」


遺乃

「子どもが知る必要はありませんの」


ぴし、と。

珍しく言い切り。


少女は肩をすくめた。


少女

「ふーん」


それ以上、追及しない。


遺乃は紙束を引き出しの奥へ押し戻し、

鍵のない引き出しを、念入りに閉めた。


ぎ、と音がするほど。


遺乃

「……失礼しましたわ」


遺乃は向き直り、

わずかに咳払いをしてから、

台所へ向かう。


棚は歪んでいるのに、

所作だけは、相変わらず整っている。


少女

「お姉ちゃん、お茶上手だよ」


遺乃

「当然ですわ」


即答。


「当然……」


“この家で当然”が成立しているのが一番怖い。


湯気が立つ。

茶の香りが、部屋の隙間を埋めていく。


遺乃は菓子皿も出した。

質素だが、置き方だけは妙に“きちんと”している。


遺乃

「どうぞ」


「ありがとう」


少女

「わーい」


三人で、食べる。


雛は一口かじって――止まる。

甘い。素朴で、変な雑味がない。


「……おいしい」


遺乃

「当たり前ですわ」


また出た、“当たり前”。

しかも、腹立つくらいちゃんとおいしい。


雛は、言葉を選び損ねる。


「その“当たり前”は、どこで習ったの」


遺乃

「礼儀作法の話ですの?」


「味の話」


少女が、

口の端に菓子くずをつけたまま頷く。


少女

「うん。お姉ちゃん、お茶上手」


遺乃

「当然ですわ」


雛は湯呑みを持ち上げ、ひと息つく。


湯気の向こうで、

割れた鏡が斜めに笑っている。


――そのとき。


少女が、何気なく言った。


少女

「でもさ」


「ん?」


少女は菓子をもう一口かじり、

“いつもの話”みたいな顔で続ける。


少女

「お姉ちゃんって、えらいよね」


遺乃

「……急に何ですの」


少女

「だって」


一拍。

本当にただの世間話のテンポで。


少女

「自分だけ、こんな暮らししてるんだもん」


雛の手が、ぴたりと止まった。


遺乃

「……っ」


声にならない音が喉で潰れる。

湯気が、やけに静かに揺れる。


少女は気づかない。

気づかないというより、気にしない。


少女

「私たちには、

 ちゃんとした家を用意してくれてるのに」


少女

「雨、入ってこないやつ」


少女

「風で、天井落ちないやつ」


遺乃は俯いている。


“無相”の顔のまま、

湯呑みの縁を指でなぞっている。


上品な動きだが、

爪の先だけが少し硬い。


少女

「だからさ」


少女は笑った。


子どもっぽいのに、

変にまっすぐな笑い方。


少女

「私、お姉ちゃん大好きなの」


遺乃

「――しっ」


即。


遺乃

「余計なことは、

 言わなくていいんですの」


口調はいつも通り。

けれど声だけが、ほんの少しだけ“折れて”いる。


少女

「えー、いいじゃん」


遺乃

「だめですわ」


雛は、湯呑みを持ったまま黙っていた。


さっき見た“家の歪み”が、

今は別の形に見えてくる。


――荷台。


村の外で、遺乃が引いていた荷台。

ぎっしり積まれていた物資。


(あれは……自分の分じゃない)

(この村に渡すため……?)


雛は菓子を一口、ゆっくり噛む。

甘いのに、胸の奥が少し冷える。


「……」


遺乃

「あなた、何を考えていますの?」


雛は答えない。

代わりに、湯呑みを置いた。


「……お茶。

 お代わり、もらってもいい?」


遺乃

「……どうぞ」


「ありがとう」


遺乃は立ち上がり、湯を注ぐ。

その背中は小さい。

けれど、妙に揺るがない。


三人分の、静かな昼。


その中心で、雛だけが

“状況”を、遅れて飲み込もうとしていた。



◇ 遺乃の屋敷(ボロ家)前/昼下がり


戸を開けると、昼の光がすっと差し込んだ。

風が一度、家の中を通り抜ける。


雛は、外へ一歩出てから振り返る。


「じゃあね」


少女は、少し驚いた顔をした。


少女

「もう行くの?」


「うん。用事」


遺乃(小声)

「あなた、用事なんてないでしょうに!」


雛はほんの一瞬だけ

視線を逸らした。


思い出すのは低い声。


(――学校に行け)


少女は雛に小さく手を振る。

雛も、それに応える。


遺乃

「わ、わたくしも行きますわ」


――そこで。


雛は、少女の目線までしゃがむ。

にこり、と“いい子の顔”。


「ねえ」


少女

「なに?」


「このお姉ちゃんね、今日――

 もっと遊んでくれるって」


遺乃

「は!?」


少女の目が、きらっと光る。


少女

「ほんと!?」


「うん。さっき言ってた」


遺乃

「ぐぅ……」


遺乃

「し、仕方ありませんわね」


再度、敗北。


遺乃は扇を閉じるみたいに、表情を整え――

雛の耳元へ、顔を寄せる。


遺乃(ごく小声)

「……この村に、

 少しでも危害を加えたら」


一拍。


遺乃(ごく小声)

「殺しますので、ご承知おきを」


声は柔らかい。

丁寧で、静かで、疑いようがない。


雛は、瞬きひとつ分だけ止まってから、

小さく笑った。


雛(同じく小声)

「安心して。

 今日は“別の用事”だから」


遺乃は、にこりともせず離れた。


雛は何事もなかったように手を振る。


「じゃ、お願いね」


遺乃

「お願い、ではありませんの!!」


少女

「お姉ちゃん、いこ!はやく!」


遺乃

「……っ、急かさないでくださいませ……!」


遺乃は少女に引かれて、家の前から一歩、二歩。

そのたびに、逃げ道が遠のいていく。


雛は踵を返した。


路地の角へ向かいながら、

背中越しに言う。


「すぐ戻るから」


遺乃

「戻らない顔ですわ!!」


少女

「お姉ちゃん、はやくー!」


遺乃

「……もうっ」


雛は一度だけ振り返る。


少女の笑顔。

遺乃の、負けた顔。

そして――本気の警告。


それを胸に刻んで。


(――学校へ)


雛は、ひとりで学校へ向かった。



◇ 忘れ去られた村・路地/昼さがり


雛は、ひとりで村の道を歩いていた。


背後では、

少女の声と、遺乃の言い返しが、

まだ少しだけ続いている。


やがて、それも遠ざかった。


雛は歩きながら――

ドレスの内側へ指を滑らせる。


紙が一枚。


さっき、遺乃の家で

空中を舞った、あの紙。


雛は足を止めた。


村の道は静かだ。

人の気配も、足音もない。


そっと、紙を開く。


整っているのに、

公式文書の形式ではない。


記録というより――

引き受けたものの一覧のように見える。


──────────────────────────────

《顕現記録》


顕現方式:無相蓮華空相むそうれんげくうそう顕現けんげん

備考:本人の希望による

──────────────────────────────

《記録:二千五百三》

・家を壊した

・家族の期待に応えられなかった

・役目を果たせなかった

・生きていること自体が、恥だと思った


「忘れられたい」

──────────────────────────────

《記録:二千五百四》

・私の血は汚れている

・生きているだけで、命を狙われる

・名を名乗ることが許されなかった

・子を持つ資格がないと告げられた


「もう、誰の系譜にも属したくない」

──────────────────────────────

《記録:二千五百五》

・正しいことをしたつもりだった

・だが、誰も救われなかった

・選ばなければならなかった

・選んだ結果、人が死んだ


「それでも、私は生きてしまった」

──────────────────────────────


ページの下。

他よりも、筆圧が強い。

書いたとき、迷いがあったのが分かる。


──────────────────────────────

《記録:二千五百六》

・最重要機密への不正接触

・組織命令の無視

・研究倫理の逸脱


補記:

・「世界の救済」を名目として行動

・自身の正しさの証明を優先

・親友および部下を、目的達成のために利用


総括:

・救済ではなく、選別を行っていたと自己判断


「それでも私は、

 やり直せると信じてしまった」

──────────────────────────────

《記録:二千五百七》

・殺害行為への長期反復的関与

・幼少期より処理役としての運用

・対象の生存可否を理解した上での実行

・情動反応の摩耗

・殺害行為の手順化


補記:

・当初は、対象の表情・声を記憶していた

・一定数以降、記憶は残らなくなった

・行為を「苦痛の短縮」「慈悲」と認識していた


総括:

・行為の本質は、殺人であると自己判断


「もう、血を扱えません」

──────────────────────────────


雛は、そこまで読んで、

紙を閉じた。


そこにあったのは、

罰とも、裁定とも言い切れないものだった。


ただ――

その人が、

背負ったまま消えたいと語った重さ。


(……少し、違う)


喉の奥で、

言葉にならない感覚が沈む。


(管理……では、ない)


紙の端が、

指先でわずかに揺れた。


(記録……?)


(それも、

 遺乃が……引き受けたもの、か)


はっきりとは言えない。


だが、そう考えると、

いくつかの違和感が、

静かに収まる気がした。


雛の脳裏に、

村の風景が浮かぶ。


畑を耕している人。

洗濯物を干す人。

石で遊んでいる人。

笑っている人。


そこにあるのは、

裁かれる側の気配ではない。


雛は、紙を折った。


元の折り目に、

さらに一つ、重ねる。


丁寧に。

しまい直す、というより――

扱い直すように。


……戻しかけて、

ふと、手が止まる。


ページの一番下。


筆圧の違う、二つの記録。

新しい番号。


(……最後の、二人)


名前までは追わない。

胸の奥が、嫌に冷えた。


雛は紙をしまい、

再び歩き出す。


足音は、変わらない。


けれど――

胸の奥で、

答えに限りなく近い“仮説”が、

静かに、形を持ち始めていた。



◇ 忘れ去られた村・学校/昼さがり


小屋の外まで、声が漏れていた。

笑い声。机を引く音。炭の擦れる音。


雛は、入口の影で足を止める。


(……ここ)


小屋の中を覗く。


板の前に立つ人物――白衣の名残。

背筋がまっすぐで、声は落ち着いている。


助手はその横で、

子どもに囲まれ右へ左へ引きずられながら、

それでも笑って応対している。


雛の喉が、わずかに鳴った。


(ヴォイド様の言う通り……)


信じていなかった、というより。

信じてしまうのが怖かった。


(やっぱり、いた)


あの夜に、終わったはずの二人。

“生きてはいるが、どこにも属せない”二人。


それが今、

子どもたちに引っ張られながら、

「待ってください~!」とか言ってる。


胸の奥が、少しだけ痛い。

罪悪感、とは呼びたくない。

でも、呼ばなければ別の言葉が見つからない。


(百音の能力を奪ったのは――私)


覚えているのは雛だけで、

百音はくったくもない笑顔で笑っている。


雛は、入口に立った。


「……すみません」


先生が振り向く。

助手も、子どもを抱えたまま首を傾げる。


助手

「あ、はい。

 新しい人ですか~?」


その声が、柔らかすぎて。

雛の脳裏に、別の声が重なる。


『痛みって、余計ですから』


あの夜。

赤に沈んだ世界で、

百音がそう言った時の声。


雛は一拍遅れて、笑いそうになる。

笑えるはずがないのに。


先生

「はい、どうされました?」


――完全に、他人行儀。

やっぱり、覚えていない。


雛は頷いて、言葉を選ぼうとする。


そのときだった。


子ども

「わー!

 おねえちゃん、くろいの!」


子ども

「ひらひらしてる!」


「……え?」


雛は一拍置いて、姿勢を正す。


「これは別に――

 奇抜でも、変でもなく――」


次の瞬間。


ぐいっ。


「――っ!?」


背後から、

ドレスの裾が思いきり引っ張られた。


黒いレースがばさっと広がり、

フリルが一斉に暴れる。


「ちょ、ちょっと……!」


子ども

「すごい!」

「いっぱいついてる!」


別方向からも。


ぐいっ。

ぐいっ。


「や、やめ……っ!」


後ずさる。


「だめ!

 これは展示物じゃ――」


――ずるっ。


裾を踏まれた。


「あっ」


ずこーん。


どすっ。


「!?」


雛の背中に、

女の子がそのまま着地。


子ども

「のれた!」


さらに。


どすっ。

どすっ。


左右から、追加。


子ども

「たかーい!」

「ふわふわー!」


「ちょっ……!

 ちが、これは……!」


完全に押さえ込み。


「ま、待って!

 人の上に積み上がる遊びでは――!」


その光景を見て。

同時に動く。


助手

「はいはい~!

 降りますよ~!」


先生

「そこまでです」


即・回収。


子どもたちは、

両脇からひょい、と持ち上げられる。


子ども

「えー」

「もうちょっと!」


助手

「おねえちゃんは、

 遊具じゃないですよ~!」


先生

「次に乗った人は、

 外で立たせますからね」


子ども

「はーい……」


終了。


雛は、床にぺたんと座ったまま、

数秒、動かない。


「…………」


ゆっくり立ち上がり、

スカートを直す。


(……子供、苦手)


咳払い。


「……し、失礼しました」


声は、

いつもの三分の一。


「先生に……

 少しだけ、お話があります」


先生は雛を見る。

次に、子どもたちを見る。


一瞬。

視線が高速で往復する。


先生

「今は授業中なのですが……」


助手

「だいじょうぶですよ~!」


即答。


助手

「この子たち、今とても――」


子ども

「せんせー!」

「こっちー!」


助手

「――はい! ちょっと待ってくださいね~!」


助手は振り向いた瞬間、

二人の子どもに両腕を掴まれた。


ぐいっ。


助手

「あ、あれ?

 腕が……増えてます~?」


子ども

「せんせー、みてー!」

「つぎこれー!」


助手

「順番! 順番ですからね~!」


その足元で、別の子が転ぶ。


助手

「あっ、危な……!」


反射的にしゃがむ。

――その瞬間。


別の子が背中に乗る。


助手

「わっ!? ちょ、ちょっと~!」


子ども

「せんせー、もういっかい!」


子ども

「つぎ、わたし!」


子ども

「おろしてー!

 またのるー!」


助手

「前も言いましたけど~

 乗り物じゃありません~!」


百音は、背中に子どもを乗せたまま、

さらに別の子に袖を引かれている。


完全に、戦場。


雛は、その様子を一瞬だけ見た。


――十分だ、と判断する。


雛は一歩だけ前に出て、

先生の視線に、静かに入る。


声は上げない。

けれど、確実に届く距離。


「……今は、ここでは話せないことです」


先生の視線が、

百音から雛へ戻る。


一瞬で状況を測り直し、

結論だけを抜き出す。


先生の目が、すっと細くなる。


先生

「外でお願いします」


短く。


助手

「先生~?」


先生

「助手ちゃん?

 ここ、少し任せますね」


助手

「え、私ひとりですか~!?」


子ども

「せんせー!」

「こっちもー!」


助手

「はいはいはい~!

 増えないでください~!

 分裂しないでください~!」


完全に収拾がついていない。


雛は一度だけ、

助手を見る。


彼女は笑っている。


雛は何も言わず、

先生の後を追って、

小屋の外へ出た。


背後から、まだ聞こえる。


助手

「順番ですからね~!

 あっ、靴! 靴は脱がせないでください~!」



◇ 学校裏/昼さがり


子どもたちの声が、

壁一枚ぶん遠くなる。


先生は立ち止まり、

雛に向き直る。


先生

「それで、話とはなんでしょう?」


雛は一呼吸して口を開いた。


「"F計画"」


先生の目が、一瞬だけ止まる。


「その調査レポート、見せて」


瞬きが、わずかに遅れる。


先生

「……どこで、その名前を?」


「質問は後」


「原本、あなたが持ってるのよね」


先生の視線が揺れる。

それだけで、雛は確信する。


(当たり)


雛は、胸の奥が少し冷えるのを感じた。


――この人は、まだ“研究者”だ。

そして、罰を背負って生きている。


先生

「……理由を聞いても?」


雛は、少しだけ間を置いた。

言葉を探す、というより――

選ぶ間。


「昔のあなたと、同じよ」


先生の眉が、ほんのわずかに動く。


「理由もなく、

 ただ、“危険だから”」


「そんなくだらない理由で、

 殺される者を守るため」


風が抜ける。

校舎の向こうで、子どもの笑い声。


雛は、最後に視線を上げた。


「それと――」


言葉を区切る。


「この村の“核”にいる子がいる」


「遺乃……

 あの子自身を守るためよ」


言い切り。

迷いも、飾りもない。


先生は、何も言わなかった。

問い返さない。

否定もしない。


ただ、静かに聞き、

ゆっくりと息を吐く。


先生

「……少し、待っていてください」


それだけ言って、

校舎の方へ戻っていく。


雛は追わない。

背中を見送るだけ。



どれくらい経ったかは、分からない。

時間を測る気もなかった。


やがて、足音。


先生が戻ってくる。

その腕に、古い資料の束。


紙は擦れ、

角は丸く、

何度も開かれた痕がある。


先生

「……これが、F計画の調査レポートです」


雛の手に、渡される。


その瞬間。

後ろから、別の気配。


助手

「先生~?」


百音だった。

子どもを一人、手を引いている。


子ども

「せんせー、つぎなにするの?」


助手

「あとでね~」


百音は雛を見る。

初対面の顔。


警戒も、恐怖もない。

ただの、穏やかな視線。


雛は、一歩だけ百音に向いた。


「ねえ、一つ聞いていい?」


百音

「はい~?」


「あなた……今、幸せかしら?」


一瞬も迷わない。


百音

「はい~」


にこり。


百音

「とっても幸せです」


百音

「村の人は優しいですし」


百音

「子供たちは可愛いですし」


百音

「それに……」


ちらっと、先生を見る。


百音

「大好きな先生と、

 ず~っと一緒にいられますし」


それだけで、十分みたいな顔。


雛の胸の奥で、

何かが――すっと軽くなる。


雛は、資料を胸に引き寄せた。

ぎゅっと、強く。


ふっと、笑う。


「……そう」


「なら、よかった」


一歩、後ろへ。


「貴女達のこれからに――」


一拍。


「幸多からんことを」


それ以上は言わない。

振り返らない。


雛は、そのまま歩き出す。


背中越しに、

小さな気配が重なる。


先生は、少し迷ってから、手を上げた。

ぎこちなく。

研究室ではしなかった仕草。


助手も、それを見て、慌てて真似をする。


助手

「いってらっしゃいです~」


声は小さい。

でも、ちゃんと届く。


子どもたちは、もっと素直だった。


子ども

「ばいばーい!」


子ども

「またねー!」


何人もの手が、ばたばたと振られる。

揃っていない。

でも、楽しそうだ。


雛は、振り返らない。

それでも――

その気配は、背中に残る。


学校を離れ、

村の道へ。


(――遺乃のもとへ)


胸に抱いたレポートは、

ただの紙の束じゃない。


誰かが、殺さずに済む可能性。


そしてもう一つ。


もう、奪わなくていいと、

そう思える理由。


それを抱えたまま、

雛は静かに、歩いていった。



――前編・了


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