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第18章 禁忌の先に立つ者(前編)

◇ 街道/夕


二人分の足音が、静かな街道に続いていた。


瓦礫混じりの地面。

夕とも夜ともつかない薄暗さ。


ヴォイドは前を向いたまま歩いている。

速度は一定。

迷いも、無駄もない。


少し後ろを、シオンがついてくる。


――が。


今日は、やけに視線が忙しい。


前を見る。

ヴォイドを見る。

それから、何もない後ろを一度だけ振り返る。


シオン

「あかいの」


ヴォイド

「……」


返事はない。

だが、耳は向いている。


シオンは少し考えてから、ぽつりと言った。


シオン

「さっき」


シオン

「おしっこ、って、いってた」


ヴォイド

「……ああ」


淡々。


シオンは真剣な顔のまま、続ける。


シオン

「でも」


シオン

「あかいのの、おしっこは」


シオン

「……もっと、がまんできない」


ヴォイド

「……」


沈黙の質が、ほんの一瞬だけ変わった。

シオンは気づかず、結論を置く。


シオン

「だから」


シオン

「べつのりゆう」


ヴォイド

「……何だと思う」


シオン

「……むちゃ」


短い一言。


シオン

「たぶん、むちゃをしてる」


ヴォイドの歩幅が、わずかに揺れた。

止まらない。

だが、変化は確かにあった。


シオンはそれを見て、きゅっと口を結ぶ。


そして――

急に、前へ出た。


ヴォイドの進路を、横切るように。

ずい、と立つ。


小さな体。

でも、動きに迷いがない。


シオン

「だから」


シオン

「シオン、がんばる」


腕を腰に当てる。

どこで覚えたのか分からない、偉そうなポーズ。


そして、後ろを指す。


シオン

「ぱぱは」


シオン

「……うしろ!」


ヴォイド

「……」


シオン

「いまは」


シオン

「シオンが、まえ」


その言い方が、

やけに堂々としていた。


ヴォイドは、数秒だけシオンを見る。

上から、静かに。


ヴォイド

「……分かった」


一歩、下がる。

本当に、半歩ぶん。


シオンはそれを確認して、小さく頷く。


くるりと前を向く。


シオン

「……いく」


空気が、わずかに変わった。


静かに。

けれど、はっきりと。


世界との距離が、少しだけ開く。


絶界静域が、薄く滲み出す。


恐怖も、攻撃衝動も、

まだ形になる前に沈んでいく。


シオンは歩き出した。

サイト1の方向へ。


ヴォイドは、半歩後ろからついていく。


夜へ沈みきる直前の街道に、

二人分の影が並んで伸びていた。


――その影の、少し先。


何もないはずの空間が、

呼吸みたいに、わずかに歪んだ。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》近郊


突然、

空気が歪んだ。


音も、前触れもない。

ただ次の瞬間――

瓦礫の影、何もなかった場所に、“像”が湧いた。


輪郭の曖昧な人型が、

にじむように立ち上がる。


一体。


……否。


ほぼ同時に、もう一体。


ヴォイドの視線が即座に跳ねる。


ヴォイド

「……幻影災厄ミラージュ・カタストロフ


像の揺れ。

同一の歪み。


ヴォイド

(解析が……終わった、ということか)


その瞬間、

ミラージュが動いた。


距離を無視した跳躍。

刃のような輪郭。


不意打ち。


ヴォイドが踏み出しかけた、その前に――


シオン

「ぱぱ、──さがって」


声は低いがはっきりしていた。


シオンが前に出る。


足を踏み込んだ瞬間、

空気が鳴った。


ぱき、と。


絶界が立ち上がる。


攻撃は届かない。

否――進めない。


ミラージュの突進が、

見えない壁に叩きつけられ、弾かれる。


シオンは止まらない。

弾いたまま、距離を切る。


――また、湧く。


別方向。

背後。


シオン

「……!」


腕を振る。


絶界・極小展開。


侵入を成立させようとした“揺れ”だけが切り離され、

ミラージュは音もなく崩れた。


だが――終わらない。


また、湧く。

さらに、湧く。


位置はランダム。

間隔もない。


湧いているのではない。

空間そのものが、

因果投射座標として“上書き”されている。


シオンは弾く。

走る。

弾く。

走る。


一体ずつは止められる。

でも、同時は無理だ。


三方向から、同時に現れる。


絶界を張る。

間に合う。


……が、その隙に別の歪みが生まれる。


胸の奥が、ぎゅっと縮む。


(……おいつかない)


息が浅くなる。


(……ぱぱ、まもれない)


その瞬間。


胸の奥から、

別の感情が滲み出た。


(……こわす)


静かで、冷たい衝動。


(……ぜんぶ、こわせば)

(……こなければ)


手が震える。


指先から、黒い靄のようなものが、

ゆらりと滲み出した。


それは外へ向かわない。

指先から、胸の奥へ――

戻ろうとしている。


シオンはそれを見て、息を呑む。


(……だめ)

(……ぱぱと、やくそくした)


ミラージュがさらに湧く。

空間そのものが侵されている。


限界まで張りつめる。


――そのとき。


頭の奥で、

“触れられた感覚”だけが、跳ねた。


音が戻った日。

世界が戻った日。


手が、頭に置かれた――あの瞬間。



◇ 《回想》 五年前/無音の村


世界は、静かだった。


音がない、というより――

世界が、音を返してこない。


風は吹いている。

草も揺れている。

だが、その動きに音が伴わない。


ヴォイドは足を止めた。


(……絶界)


即座の判断。

それは結界でも封印でもない。


世界との接続そのものが、

内側から切られている。


遠く。

村があったはずの方向。


因果の歪み。

災厄反応。

発生と同時に閉じられた痕跡。


(……暴走したか)


歩を速める。


そこに村は、なかった。


焼け跡でも崩壊でもない。

ただ――

切り取られている。


家屋があった場所。

生活の痕跡。

すべてが、なめらかに消えている。


(……子供一人が、抱えるには大きすぎる)


その中心。


一人の少女が、座り込んでいた。


金髪。

小さな身体。

膝を抱え、俯いたまま。


声は聞こえない。

だが、泣いている。


音ではなく、

空気の揺れが、それを伝えてくる。


未制御。

絶界そのもの。


ヴォイドは近づき、

その前で膝をついた。


視線を合わせる高さ。


そして――

何も言わずに、

少女の頭に手を置いた。


次の瞬間。


空気が戻る。

音が戻る。


風の音。

草の擦れる音。


少女の嗚咽が、

はっきりと聞こえる。


小さな手が、

ヴォイドの服を掴む。


ぎゅっと。


世界が、

再び繋がった。


それが――

最初の接触だった。



泣き声が収まったころ、

ヴォイドは腰を下ろした。


少女は、

いつの間にか膝の上にいる。

逃げるでもなく自然に。


ヴォイドは言う。


「……名前は」


少女は、少し考えてから。


「……シオン」


一拍。


「そうか」


それ以上は聞かない。


「シオンのこと」

「こわく、ないの?」


消えた村の跡を見る。

何もない地面。


それから、

膝の上の小さな体を見る。


震えは、もうない。


「……怖くない」


それだけ。


「……こわしたの」


ヴォイドは、

その頭に手を置く。


撫でない。

ただ、触れる。


「壊したんじゃない」


低く。


「守ろうとして、閉じただけだ」


「……でも」

「……ぜんぶ、なくなった」


「そうだな」


否定しない。


「だが――

 お前が悪いわけじゃない」


シオンが、顔を上げる。


「一人で、抱えすぎただけだ」


一拍。


「次は、違う」


「……つぎ?」


「次は――

 俺がいる」


シオンは、

しがみつく力を強める。


「……ぱぱ」


「俺は、

 お前の父親ではない」


首を振る。


「……いや」

「ぱぱ」


迷いはない。


ヴォイドは、息を吐いた。


「なら、約束しろ」


「その力を、

 『壊すため』に使うな」


「『守るため』に使え」


「……うん」

「わかった、ぱぱ」


「……本当に分かったのか」


次の瞬間。


「ぱぱ!」


抱きつく。

全力で。


涙が落ちる。

だが――


世界は揺れない。

音も消えない。


絶界は、閉じない。


ヴォイドは、

その背に手を置いた。


強くは抱き返さないが、

離さない。


それで、十分だった。


――こうして。


壊れた世界の中で、

ひとつの約束が結ばれた。



◇ 《回想・了》再び、現在へ


空気が歪んだ。


形成しかかった“殲域”の重さが、

前方へ収束しはじめる。


防御でも隔離でもない。


――殲域。


幻影災厄の輪郭が揺らぎ、

世界との接続を失いかけて滲み始める。


だが同時に、

シオンの呼吸が乱れた。


壊したい。

止めたい。

終わらせたい。


その衝動が、

《絶界・殲域展開》として

成立しかけた、その瞬間。


ヴォイドが、一歩近づいた。


静かに迷いなく。


そして――

シオンの頭に、手を置く。


力は込めない。

能力も使わない。


ただ、触れるだけ。


次の瞬間。


――ぱきん。


形成しかかった領域が霧散した。


胸の奥に溜まっていた冷たい圧が、

ゆっくりと解けていく。

指先の黒い靄は、いつの間にか消えていた。


最初から存在しなかったかのように、

空気が元に戻る。


重さが消え、

世界が応答を取り戻す。


シオンの身体が、わずかに揺れた。


ヴォイド

「……シオン」


低く、静かな声。


ヴォイド

「お前に、その力は似合わない」


責める調子ではない。

事実を置くだけの言葉。


一拍。


ヴォイド

「俺のことを守るために、

 前へ出たんだろう」


前方。

残るミラージュの群れへ視線を向けたまま。


ヴォイド

「……十分だ」


それだけ。


シオンは、一瞬だけ唇を噛んでから、頷く。


シオン

「……うん」


小さく。


そして――一歩近づき、ヴォイドに抱きついた。


シオン

「ぱぱ」


ぎゅっ。

力は強くないが、確かに。


ヴォイドは、一拍遅れてその背に手を置く。


短く。


ヴォイド

「よく、踏みとどまった」


それが、彼なりの労いだった。


次の瞬間、

ヴォイドは前に出る。


因果の超越。


殴打でも衝撃でもない。

ただ触れただけ。


だが――

幻影災厄が成立させていた因果が、

まとめて断ち切られる。


再生はない。

増殖もない。


“続き得ないもの”として、

世界がそれらを処理する。


音もなく、

すべてが消えた。


静寂。


シオンは、ヴォイドの服を掴んだまま、呟く。


シオン

「……ぱぱ」


少し照れた声。


シオン

「やっぱり、好き」


ヴォイドは、ほんの一瞬だけ視線を落とす。

それから。


ヴォイド

「……行くぞ、シオン」


一拍。


ヴォイド

「よく、頑張った」


シオン

「……うん!」


二人は並んで歩き出す。


因果観測第1研究所。

《サイト1》へ。


世界は、もう遮断されていなかった。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》/地下研究区画・第一研究室


白い室内だった。


天井、壁、床――

すべてが均一な白で統一されている。


中央の台座だけが、異様だった。


歪な鉱石。

石というには不完全で、

結晶というには歪みすぎている。


無数のケーブルが突き刺さり、

脈動する光が、淡く遅れて色を引きずる。


周囲のモニタには、

数式、因果構造、解析途中のパラメータが

滝のように流れていた。


研究員は五名。

全員が白衣姿を着用している。


リゼは、その前に立っている。


白衣にタイトスカート。

青い長髪を無造作に流し、

手袋越しに端末を操作していた。


リゼ

「……再抽出率は?」


研究員A

「ゼロ因子、再抽出完了しました」


研究員B

「干渉ノイズ、想定値以内です。位相安定」


研究員C

「幻影災厄、再生成プロセスに移行可能です」


淡々とした報告。

成功を前提にした声色。


リゼは、モニタに一度だけ目を走らせる。


ほんの一拍。


考える、というより――

置く場所を選ぶみたいな間だった。


リゼ

「タナトスロアで」


即答。


研究員たちの指が、一斉に動く。


研究員A

「了解。投射座標、タナトスロアに設定」


研究員B

「因果投射ライン、接続」


研究員C

「再生成フェーズ、開始します」


低い駆動音が、室内に満ちる。


石がわずかに強く光った。


リゼは、その様子を見つめながら、

少しだけ首を傾げる。


リゼ

「……でも」


独り言のように。


リゼ

「タナトスロアなら、対処できますよね」


研究員たちが、一瞬だけ視線を交わす。


リゼは、当たり前のことを言う調子で続けた。


リゼ

「だって――

 レイファちゃんが、いますから」


研究員たち

「……」


数秒。


研究員D

「……そういえば」


恐る恐る。


研究員D

「レイファ長官と、リゼ局長って……

 仲、よかったんですか?」


空気が、ほんの少し緩む。


リゼは、ぱっと表情を明るくした。


リゼ

「とっても仲よかったですよ」


即答。


リゼ

「いつも競い合ってました」


研究員E

「競い合う……?」


リゼ

「はい。運動能力は、

 レイファちゃんに惨敗でしたけど」


一拍。


リゼ

「学問は、全勝でした」


リゼ

「えっへん」


胸を張る。


研究員A

「な、なるほど……」


研究員B

「それは……今も変わってないかもしれませんね……」


リゼは、少し懐かしそうに笑った。


リゼ

「ふふ。でしょう?」


そのままモニタへ視線を戻すと、

進行バーが一定速度で伸びている。


再生成フェーズ:安定。

因果固定:問題なし。


研究員C

「再生成、完了しました」


リゼは深く息を吸う。


リゼ

「ありがとうございます。

 本当に、助かりました」


そして、何でもない調子で。


リゼ

「……さて」


リゼ

「どこまで通用するか、

 見せてもらいましょうか」


石が、淡く、強く光った。



研究員たちは作業に戻りながら、

つい、リゼの背中を気にしてしまう。


(局長さ、今日テンション高くない?)

(めっちゃ怖いこと言ってる……でも、かわいい……)

(タナトスロアにしれっと投げたよね……自分の古巣に……)


リゼは端末を置き、

軽く手袋の指を鳴らした。


リゼ

「再生成は安定していますし、

 監視ログも回りますね」


研究員

「局長、監視は――」


リゼ

「大丈夫です」


にこっ。


リゼ

「ちょっと外すわね」


研究員

「外すって、どちらへ……?」


リゼ

「コーヒーです」


研究員

「コーヒー……ですか?」


リゼ

「安心したら、急に喉が渇いちゃって」


軽い足取りで、扉へ向かう。


背中越しに、もう一言。


リゼ

「続き、よろしくお願いしますね」


扉が閉まる。


残された研究員たちは、

ゆっくり顔を見合わせた。


研究員

「……今の、

 ラスボスが休憩に行くところだった?」


研究員

「言い方やめて。

 かわいいのに怖いのが一番怖い」


研究員

「わかる……」


静かな研究室に、

再び駆動音だけが残った。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》/地下研究区画・通路


研究施設らしく妙に高性能な給湯ユニット。

リゼは紙コップにコーヒーを注ぐ。


香り。

熱。


リゼ

「……ふふ」


口元に運ぶ前に、もう楽しそうだ。


リゼ

(観測は、落ち着いて)

(結果は、きちんと)


一口。


リゼ

「……あ。苦い」


でも飲む。


二口目で、少し慣れる。


リゼ

「うん。これこれ」


そのまま、上層行きエレベータへ。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》/上層・展望区画(監視室)


扉が開く。


壁一面のモニタ。

熱源、位相、因果反応。

そして中央――外縁の戦闘映像。


リゼは、コーヒー片手に、

てくてくと中央へ進んだ。


画面の中には赤い焔。


百音のナイフが、

無駄のない軌道で距離を詰める。


リゼは、ぴたりと足を止める。


百音が踏み込む。

刃が、スレイの脇腹を裂いた。


肉が割れ、血が遅れて弾ける。


リゼ

「あっ」


思わず、声が漏れる。


リゼ

「とっても……いい……」


ストローを、くるくる。

楽しそうに回す。


リゼ

「今の、深さちょうどだね」


さらに一撃。

太腿。

筋を、正確に断つ。


スレイの脚が抜ける。


リゼ

「あぁ…」


今度は、ちょっとだけ残念そう。


リゼ

「そこはねぇ……

 もう一拍だけ、体重ほしかったかなぁ」


百音が、距離を詰める。

首。

血管。


リゼ

「そうそう、そこ」


身を乗り出す。


リゼ

「……ほらほら」


刃が、喉元を割った。


血が、流れる。


リゼ

「――っ」


肩が、ぴくっと跳ねる。


リゼ

「……あは」


小さく、息を漏らして笑う。


一口、コーヒー。


リゼ

「やっぱり……

 百音ちゃんの刃筋、きれい」


まるで、

出来のいい実験結果を眺めるみたいに。


だが――

百音は、止める。


わざと。

終わらせない。


リゼ

「……あーあ」


頬を、少し膨らませる。


リゼ

「もう」


リゼ

「そこで殺れたでしょ?」


声は柔らかい。

言っていることは、完全に処刑指示。


リゼ

「今の間合い、完璧だったのに」


リゼ

「“喉”、

 いけたよね?」


百音は、なおも追い込む。

遊ぶ。

嬲る。


リゼ

「……百音ちゃんの、悪いところ」


くすっと笑う。


リゼ

「“よしよし欲しい病”が出ると、

 死合い、すぐ長引かせちゃうんだから」


小さく、ため息。


リゼ

「先生、

 そこ注意したでしょー?」


完全に、

“出来のいい教え子”を見るテンション。


その瞬間――


スレイの身体が、わずかに軋んだ。

何かが溜まり、空気が歪む。


リゼ

「……ん?」


首を傾げる。


リゼ

「……なに、それ」


興味津々。

嫌な予感ではない。


次の瞬間。


――ピッ。


監視室に、無機質なアラート音。


〈侵入警告〉

〈正面入口前〉

〈未登録因果反応〉


リゼ

「……あ」


画面から、名残惜しそうに視線を外す。


リゼ

「もう来ちゃった」


リゼ

「えー……

 いいところだったのに」


コーヒーを、くいっと飲み干す。


リゼ

「じゃあ」


リゼ

「観戦は、ここまでですね」


踵を返す。

足取りは、やけに軽い。


リゼ

「――百音ちゃん」


楽しそうに、くるりと振り返って。


リゼ

「続き、

 あとでちゃんと見せてね」


エレベータへ向かう背中は、

まるで遊園地に向かうみたいだった。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》/正面入口


破壊された隔壁の向こう。


男が一人。

そして、その傍らに少女。


リゼは、まず男を見る。


(……未登録因果反応)


(でも、資料で見た挙動と一致する)


“零絶”。


そう呼ばれている現象。

人格の有無すら、確定していない存在。


――今は、踏み込まない。


視線を、隣の少女へ移す。


小柄。

無表情。

けれど、逃げない。


ここでようやく、リゼは一歩前に出た。

手を下げ、姿勢を正す。


リゼ

「はじめまして」


穏やかで、はっきりした声。


リゼ

「私は、リゼ・アウレリア」


一拍。


リゼ

「元・タナトスロア所属にして、

 因果観測第1研究所――

 サイト1の、対災厄適応局 局長です」


低い駆動音の中で、

その肩書きだけが、はっきりと残る。


肩書きを隠さない。

相手が“何者か”だからこそ。


そして、もう一度少女を見る。


リゼは、

ほんの少しだけ膝を折り、

視線を下げた。


リゼ

「あなたは……

 第四災《絶界ぜっかい》」


確認の間。


リゼ

「シオンちゃん、で合ってるかしら?」


問いかけ。


命令でも、分析でもない。


シオンは、一拍置いてから。


シオン

「……うん」


小さく。

でも、はっきり。


その反応を見て、

リゼの表情がわずかに緩む。


リゼ

「こんにちはー」


微笑み。


リゼ

「いきなり、驚いたでしょう」


リゼ

「怖くはないかな?」


シオンは、少しだけ考える。


視線を上げ、男のほうを見る。


それから、またリゼへ。


シオン

「……だいじょうぶ」


その一言。


それだけで、十分だった。


(……ええ)


(この子は、

 “観測対象”じゃない)


リゼは立ち上がり、深く息を吸う。


今はまだ、

理由も、思想も、裁定も――話さない。


リゼ

「ありがとう、シオンちゃん」


穏やかに。


リゼ

「ここは少し危ない場所だから」


リゼ

「あとで、ちゃんとお話しましょう」


その言葉は、

“約束”に近かった。


男――零絶の存在は、

その間、ただ黙って立っている。


それでいい。


今は、まだ。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》/地下研究区画・第一研究室 前通路


低い駆動音が、一定のリズムで響いている。


その中を――

ヴォイドは迷いなく歩いていた。


進行方向は、研究室の最奥。

ゼロ因子が保管されている区画。


リゼは、二拍遅れて我に返る。


リゼ

「……え?」


一瞬、きょとん。

次の瞬間、慌てて前に出る。


リゼ

「ちょ、ちょっと待ってください!」


ヴォイドは、止まらない。


リゼ

「待ってくださいって!

 普通――話とか、ありますよね!?」


早足になる。


リゼ

「名乗るとか!

 目的のすり合わせとか!

 倫理的な――」


ヴォイド

「依頼が最優先だ」


足を止めずに短く。


ヴォイド

「X-0マテリアルを回収する」


それだけ。


リゼ

「……は?」


完全に想定外。


リゼ

「え、えっと……

 それで終わりですか?」


ヴォイド

「終わりだ」


そのまま歩く。


リゼ

「ちがうちがうちがう!!」


ついに、腕にしがみつく。


ぎゅっ。


リゼ

「ちょ、待ってください!!

 話を! 話を聞いてください!!」


ずる。


ずるずる。


引きずられる。


リゼ

「なんか思ってたのと違う!!

 もっとこう……

 思想とか! 議論とか!!」


床を滑る白衣。


リゼ

「火花バチバチなやつ!!」


ヴォイド

「知らん」


引きずる速度は変わらない。


その横で、

シオンが静かに見下ろしている。


シオン

「……あの」


リゼ

「はい!?」


即答。


シオン

「……ひっぱられてる」


リゼ

「見れば分かります!!」


シオン

「……いや」


少し考えて。


シオン

「……さっきから、

 ずっと」


一拍。


シオン

「……お話、

 きいてもらえてない」


リゼ

「――っ」


図星。


リゼ

「……!」


ぎゅっと、

しがみつく力が強くなる。


リゼ

「……お願いします」


声の調子が、変わる。


リゼ

「少しでいいんです」


リゼ

「私の話を、

 聞いてください」


ヴォイドは、

初めて足を止めた。


振り返らないまま、

一拍。


ヴォイド

「……五分だ」


リゼ

「五分!?」


即、顔を上げる。


リゼ

「いえ、五分は短――」


ヴォイド

「十分なら、行く」


リゼ

「……っ」


一瞬、迷って。


リゼ

「……休憩スペース、あります」


早口。


リゼ

「コーヒーもありますし、

 座れますし、

 その……落ち着いて話せます!」


シオン

「……ジュース、ある?」


リゼ

「あります!」


即答。


シオン

「……ぱぱ。

 シオン、のどかわいた」


ヴォイド

「……仕方ない」


リゼ

(えっ……)


ヴォイド

「案内しろ」


リゼ

「は、はい!!」


勢いよく立ち上がる。


さっきまで引きずられていたのが嘘みたいに、

しゃきっと前に出る。


歩きながら、ちらっと振り返る。


リゼ

「……ちなみに」


リゼ

「あなたが、その子を連れている理由も」


一拍。


リゼ

「なんとなく、分かりました」


シオンは、少しだけ首を傾げる。


シオン

「……ほんと?」


リゼ

「ええ」


やわらかく、微笑む。


リゼ

「でも、それは――

 ちゃんと座ってから、ですね」


ヴォイドは何も言わない。


ただ、

その後ろを歩いている。


目的は変わらない。


けれど――

進路だけが、少しだけ曲がった。



◇ 因果観測第1研究所《サイト1》/地下研究区画・休憩スペース


簡素な部屋だった。


長机が一つと椅子が三つ。

壁際に、給湯ユニットと自動補充式の飲料棚。


研究施設の中では、

いちばん「人が休むため」に作られた空間。


だからこそ、ここだけが少し不自然だった。

――世界がどれだけ歪んでいても、

「休むための家具」が、同じ顔で置かれている。


リゼは、先に腰を下ろした。


紙コップを両手で包む。

中身は、少し濃いめのコーヒー。


一口。


喉を通す熱で、

ようやく現実に戻る。


息を整える。


――逃げるためじゃない。

――判断を、終わらせるためだ。


リゼ

「……改めまして」


視線を上げる。


男。

その隣に座る少女。


リゼ

「私は、リゼ・アウレリア」


リゼ

「元・タナトスロア

 対災厄適応局 局長です」


肩書きは淡々と。

誇りも、言い訳も込めない。


一拍。


リゼ

「あなたが来た理由も」

「おそらく目的も」

「もう分かっています」


ヴォイドは答えない。

否定もしない。


リゼ

「これから」


リゼ

「私が、

 ゼロ因子を持ち出した理由―――」


一拍。


リゼ

「そして、

 それが“もう終わった理由”を」

 

リゼ

「お話しします」


机の上に端末を置く。

だが、起動はしない。


今日は、データを見せる日じゃない。

検証をする日でもない。


――結論を、置く日だ。


それを聞いた側が、

もう「知らなかった側」へは戻れなくなる日。


リゼ

「タナトスロアは、

 これまでに何人もの“災厄少女”を

 処理してきました」


事実として。

感情を挟まず。


リゼ

「世界の共通認識では、

 災厄は先天性のものです」


リゼ

「生まれながらにして、

 少女は“災厄だと判断される”」


リゼ

「だから制御できず、

 だから危険で、

 だから――処理される」


言葉は淡々としている。

だが、机の下で指がわずかに強張った。


リゼ

「でも……私は、ずっと疑っていました」


一拍。


リゼ

「“本当に、そうなのか”と」


リゼ

「だから、ゼロ因子を調べました」


リゼ

「ゼロ因子は、

 災厄に関する因果構造の痕跡を保持する

 “媒質”として管理されている」


リゼ

「……要するに、

 記録媒体になり得る物質です」


一拍。


リゼ

「そして解析中に、私は

 “人為的なログ”を見つけました」


ヴォイドの視線が、ほんのわずかに動く。


リゼ

「完全な可読ではありません」


リゼ

「ノイズ。

 欠損。

 改竄痕もある」


リゼ

「でも――

 読めた“形式”がある」


机の上。

見せない端末を、指で二度叩く。


リゼ

「計画名」

「日時」

「被験者識別子」

「試行履歴」


一つずつ、指を折る。


リゼ

「……試行は少なくとも九十七回」


リゼ

「同一系列の条件下で、

 段階的に繰り返されていました」


空気が、静かに重くなる。


リゼ

「最終更新日時は――

 三千二百五十年前」


一拍。


リゼ

「そして、“計画名”の断片だけは

 ノイズ越しに一致しました」


リゼ

「《成立基盤補修計画(Foundation Project)》」


リゼ

「通称――F計画」


その瞬間。

ヴォイドの呼吸が、ほんのわずかに止まる。


リゼ

「……ここから先は、

 “読めたこと”と“読めなかったこと”を

 分けて話します」


視線を下げない。


リゼ

「まず、読めなかったこと」


リゼ

「このログからは、

 F計画の“目的”が確定しませんでした」


リゼ

「何を達成しようとしたのか」

「成功条件は何だったのか」

「誰にとっての“修復”なのか」


リゼ

「そこは、欠損している」


一拍。


リゼ

「次に、読めたこと――

 つまり観測事実です」


声が、研究者のそれになる。


リゼ

「事実①

 被験者が存在した」


リゼ

「事実②

 試行が九十七回継続している」


リゼ

「事実③

 各試行のログに、

 生体を媒介とした“世界干渉”の痕跡がある」


リゼ

「……痕跡、という言い方をしたのは

 そのものが読めたわけじゃないからです」


リゼ

「でも、

 世界側の応答――

 因果・認識・連続性の層が

 “押された形”が残っていた」


一拍。


リゼ

「次に、

 “データとして確認できた特異点”について

 説明します」


声が、完全に研究者のものになる。


リゼ

「事実④」


リゼ

「各試行ログの中に、

 世界干渉の直後――」


リゼ

「因果・認識・連続性の応答が

 同時に破綻した地点が

 複数、記録されています」


リゼ

「この地点は、

 世界側の成立応答が一時的に失われた

 “特異点”と呼ぶべき状態です」


一拍。


リゼ

「特異点は、

 恒常的な状態ではありません」


リゼ

「世界が“耐えきれなかった瞬間”だけが

 点として残っている」


リゼ

「そして――」


視線を上げる。


リゼ

「その特異点が、

 試行系列の中で

 "七回"、確認されました」


リゼ

「時系列上、同時ではなく

 順に段階的に出現しています」


一拍。


リゼ

「ここまでが、

 “データとして確定している事実”です」


一拍。


リゼ

「次に理由――推論です」


リゼ

「災厄が先天性なら、

 “計画”“被験者”“試行履歴”は不要です」


リゼ

「自然発生の現象に、

 九十七回の反復実験ログは付かない」


淡々と。

だが鋭い。


リゼ

「つまり――

 少なくともこの系列においては」


リゼ

「災厄反応は、

 “生まれたもの”ではなく

 “成立させられたもの”です」


一拍。


リゼ

「さらに、特異点の直後に記録されている

 存在反応を解析すると――」


リゼ

「後世に観測される災厄反応と、

 完全に同型の挙動を示していました」


断定。


リゼ

「因果干渉」

「認識の歪み」

「存在継続条件の逸脱」


リゼ

「いずれも、

 自然発生の現象として説明するには

 一致度が高すぎる」


一拍。


リゼ

「さらに重要なのは――」


リゼ

「これらの反応が、

 特異点“以前”には存在しないことです」


リゼ

「特異点を境にして、

 初めて観測される」


淡々と。

だが鋭い。


リゼ

「以上を踏まえた推論として、

 私はこう結論づけました」


目線が、まっすぐに上がる。


リゼ

「結論」


リゼ

「災厄は、

 世界干渉の結果として発生した

 特異点を起点に」


リゼ

「世界と不整合なまま

 成立してしまった存在反応です」


リゼ

「生まれつき存在したものではない」


リゼ

「しかし、

 意図して作られたものでもない」


一拍。


リゼ

「世界に直接触れた結果、

 想定外に“残ってしまった”」


リゼ

「それが、

 原初災厄――

 プロト・カタストロフの始点です」


沈黙。


ヴォイドの呼吸が、

ほんの一瞬だけ止まる。


椅子も、体も、表情も変わらない。

ただ――

「止まった」という事実だけが残る。


リゼ

「以上です」


短く。


リゼ

「ここまでが、

 ゼロ因子から得た“確定情報”」


一拍。


リゼ

「これ以上、

 石を調べる必要はありません」


リゼ

「私が欲しかった“答え”は、

 もう出ましたから」


机の上のケースを見る。


リゼ

「ゼロ因子は、

 あなたに返却します」


視線を上げる。


リゼ

「これは――

 もう“武器”でも」

 

リゼ

「“切り札”でもない」


リゼ

「ただの、

 役目を終えた媒介です」


一拍。


リゼ

「それが――」


リゼ

「私の、答えです」


それは勝利宣言ではない。

だが、敗北でもない。


真実に辿り着いた者だけが、

静かに置ける結論だった。




沈黙。


リゼは、ゆっくりと息を吸った。


それから――

椅子を引き、立ち上がる。


リゼ

「……少し、席を外します」


説明はない。

だが、迷いもない。


ヴォイドは何も言わない。

止めもしない。


数分後。


扉が開く。


リゼが戻ってくる。

両手には、小さな収納ケース。


今度は、隠さない。


机の上に置かれたそれの中身を、

ヴォイドは一目で理解した。


歪な鉱石。


X-0マテリアル。


――接続が、切れた。


それは感覚で分かる。

因果の張力が、完全に失われている。


これ以上、

幻影災厄ミラージュ・カタストロフが生成されることはない。


本物だ。


リゼ

「これは、もう“答え”ではありません」


ケースを、机の中央へ。


リゼ

「ただの媒介です」


押しつけない。

投げない。


ただ、返す。


リゼ

「……石は、お渡しします」


沈黙。


リゼは、もう一度だけ息を吸った。


覚悟を整えるための呼吸。


リゼ

「……では」


リゼ

「ここからは、私の問題ですね」


声音が、はっきりと低くなる。


リゼ

「私は、明確に罪を犯しました」


逃げない。

誤魔化さない。


リゼ

「すべての責任は、私にあります」


一拍。


リゼ

「処分が必要なら、受け入れます」


そして――

言葉を選ぶように、続けた。


リゼ

「ですが……ひとつだけ、お願いします」


視線は逸らさない。


リゼ

「百音ちゃんと」


リゼ

「私についてきてくれた研究員たちには、

 手を出さないでください」


言い訳はしない。

功績も、成果も並べない。


リゼ

「彼らは、私の選択に従っただけです」


一拍。


リゼ

「責任は、全部――

 私が引き受けます」


リゼは、視線を逸らさない。

恐れているのではない。

逃げ道を、最初から捨てている。


沈黙。


ヴォイドは、

机の上のケースに手を伸ばした。


躊躇はない。

確認も、儀式もない。


歪な鉱石を収めたケースを、

ただ静かに持ち上げる。


留め具が、音もなく閉じられた。


その瞬間、

机の上には何も残らなかった。


それから――

ほんの一歩、距離を詰めた。


音もなく。

ためらいもなく。


リゼの前に立つ。


リゼ

「え?」


リゼは、思わず瞬きをした。

何かをされると思ったわけではない。

ただ――

予想していなかった動きだった。


ヴォイドは、何も言わない。


ただ、

リゼの頭に、手を置いた。


力はない。

撫でるでも、押さえるでもない。

触れているだけ。


――一瞬。


だがその瞬間、

リゼの内側で、何かが静かに噛み合った。


(……ああ)


理解が、先に来る。


評価ではない。

赦しでもない。


観測された。


自分の行為が、

世界の側から“数えられた”。


それだけで、十分だった。


リゼは、ほんのわずかに目を伏せる。

口元が、ほんの一瞬だけ緩む。

だが、すぐに戻す。


研究者が、

結果を受け取ったときの顔。


ヴォイドは、手を離す。


そして、短く言った。


ヴォイド

「裁くのは、俺じゃない」


感情も、評価もない。

事実だけを置く声。


立ち上がる。

シオンも、椅子から降りる。


リゼ

「……」


一瞬、言葉を失う。

だが、追わない。


ヴォイド

「行くぞ」


シオン

「……うん」


二人は、踵を返す。


ヴォイドは、扉へ向かいかけて――

一度だけ、足を止めた。


振り返らない。

声だけが、静かに落ちる。


ヴォイド

「禁忌を侵し」


ヴォイド

「世界を敵に回し」


ヴォイド

「それでも、真実に近づこうとした」


一拍。


ヴォイド

「……悪くない」


それ以上の評価はない。


ヴォイド

「ここから先は――

 自分の答えと向き合え」


そのまま、歩き出す。


一拍遅れて、

シオンが立ち止まった。


小さな身体が、

くるりと振り返る。


リゼを見る。


少しだけ迷ってから――

手を、胸の前まで上げる。


シオン

「……ばいばい」


小さく。

でも、はっきりと。


それだけ言って、

すぐに前を向く。


ヴォイドの後を追い、

扉へ向かう。


扉が静かに閉まる。


残されたのは、

リゼ一人。


休憩スペースに、音はない。

機械の駆動音も、足音も、もう聞こえない。


リゼは、しばらくその場に立ったまま、

扉を見ていた。


やがて、

自分の額に、ほんのわずかに触れる。


そこに残っているのは、

痛みでも、熱でもない。


――確信だ。


研究者が、

ひとつの答えに辿り着いたときの、

あの静かな手応え。


リゼは、ゆっくりと息を吐いた。


世界は、まだ動いている。

裁定も、追及も、ここから始まる。


それでも――

今は、これでいい。


そう判断して、

彼女は静かに立っていた。



――前編・了

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