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白羽の少女と静かな世界

白羽の少女と静かな世界

作者:イナホ
世界には魔法がなく、代わりに“災厄(カラミティ)”と呼ばれる異能が人にだけ宿る。
災厄を抱いた者の周囲では、理由のない死が起き、不吉が連鎖し、街がひとつ静かに沈むことすらある。
国も宗教もこの現象を制御できず、人々は災厄を 「世界が憎んだまま生まれてしまった存在」 として恐れてきた。

そんな世界で、寡黙な男・ヴォイドは、死をばらまいてしまう銀髪の少女を拾った。
誰も近づこうとしなかった少女に、彼だけは当たり前のように触れ、言葉を返し、生きている人として扱った。

戸惑いながら見つめたその背中は、不思議なほど静かで、強かった。
名前を呼んでほしいと思ったのも、誰かの帰りを待ちたいと思ったのも、生まれて初めてで。
ただ、彼が火を起こす音や、ふいに緩んだ口元が胸に残って離れなかった。

理由も言葉もいらなかった。
気づけば、――「この人のそばにいたい」と思っていた。

国家・組織・裏社会が災厄を排除しようと動く中、
世界の理から外れた男と、死を背負った少女が、静かで残酷な旅路を進んでいく。
触れれば死ぬ少女と、なぜか死なない男が紡ぐ、凍える世界の片隅の物語。
第2章 白羽が生まれた夜
2025/11/29 11:54
第19章 裁きの外の祝宴
2026/01/11 23:16
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