終幕【ラルド√】
※共通ルートシナリオも入っています。
また、次回エピソードより完全にシナリオが分岐します。
キャラクター 一人一人の個別の内容になるため、目次から
〝一番好感度の高いキャラクター〟
のシナリオ(エピソード)に飛んでください。
「ベリルッ!」
背後から、ラルドが私の名を呼ぶ声が聞こえ、振り返る。
「あ、ラル────わぷっ!?」
ガバッと勢いよく抱きしめられ、身体がよろける。
だが倒れる心配もなく、私の身体はラルドによって支えられていた。
「ラ、ラルド……!?」
「怪我は……よし、無いな。よかった……心配させるな馬鹿」
ラルドは私が無傷であることを速やかに確認すると、安堵の表情を浮かべてすぐに、短く息を吐いた。
※
皆が私を囲み、身を寄せ合う。
「わっ!? ちょ、みんな!? くるし……っていうか人前! 人前だから!」
「二人から聞いたよ、誰かが登録票を……。ごめん……ごめんね、運営に問い合せたんだけど、間に合わなくて……。君に無茶をさせてしまった」
「お前な……一人で行くんじゃねぇよ! お前が傷付く姿を想像したら……俺……」
「……ええ、本当に。寿命が縮む思いだったのですよ」
「ついでに、なんで止めなかったんだって、コイツらからすげぇ怒られたんだからな!」
「そ、それはごめんなさい。二人の制止を無視して出て行ったのは私なのに……」
二人が責められている姿が目に浮かび、とても申し訳ない気持ちになった。
「でも、ほら、大丈夫だったでしょう? 実は少しだけ緊張していたのだけれど……みんなの姿が見えて、安心したの。ありがとう、信じてくれて!」
「ふっ、あれで緊張していたとは、よく言う」
「……あ、そうだ、見ていてくれた? 最後の魔法! どう? 私のこと、怖くなった?」
今こうして心配して来てくれた時点で、皆私を恐れていないのだということは明白だったが、意地悪く聞いてみる。
そんな私の心中を察してか、一番最初にセシアンが困ったように笑った。
「もー分かってるなら聞かないでよ? そんなの思うわけないっしょ! すっっげーかっこよかった!!」
「うん! まさか光魔法まで使えるなんて、驚いたよ! 審査に来ていた王宮魔導師たちが、君と話をしたがっていたよ」
「……あー、それはとても面倒くさそ……いえ、光栄なのだけれど……」
「今面倒くさいって言いかけ───ッふぐ!?」
パシッとセシアンの口を手で塞ぐ。
君は何も聞かなかった、いいね? という気持ちで微笑むと、セシアンはうんうんと頷いた。
「コホン。ルデンの方から、やんわり断っておいてくれると助かるわ。久々にゴッソリ魔力を使ったせいか、さすがに今日は疲れてしまって」
「ふふ、分かった」
「この後は、後夜祭もあるしね〜!」
打ち上げだー! とセシアンがバンザイをする。
「あ、そっか。そういえば……」
交流祭最後の演術が終わると、学園で後夜祭という名のパーティーを行うのが恒例になっているようで。
「交流祭ももう終わりが近づいてきたね。みんなで演術に出ることがてきて、本当によかった! また一つ、君たちと共に思い出を作ることができたよ!」
「あぁ、勝ててよかったな! つっても最後はベリルのおかげっつーか、一人勝ちだったけどな!」
「いいえ、これはみんなで勝ち取った勝利よ。姉様とも話すことができたし……全部みんながいてくれたおかげ! ふふっ、ありがとう!」
今日の日ことを、私は一生忘れないだろう。
あの日の出来事を上書きし、錆びついて止まっていた時計の針が再び動き出す。
「私、今、とっても幸せよ!」
皆の優しい笑顔が、私を包む。
感謝を込めて、彼らに心からの笑顔を向けた。
────こうして、私たちの交流祭は無事終わりを迎えたのだった。
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