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RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
デート編 セシアン√

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58/147

Select4:セシアン



【選択肢】


▶︎セシアン



※共通ルートシナリオも少しだけ入ってます。



次回エピソードで選択肢の分岐があります。

会話の内容が変化するため、目次から好きな選択肢のシナリオに飛んでください。

なお、選択肢が分岐する場合、後書きの方に選択肢を記入します。




 


「オレも立候補していい?」


 立候補してくれたのはセシアンだった。


「寄り道するなよ」


 ラルドに釘を刺されたセシアンは、胸を張って答えた。


「しないしない♪」


「信用ならんが……まぁいい。では残りの人員で設営だな」



 ※


「設営場所はどうなさいますか?」


「ん〜あんま人の往来が気になんないとこがいいよな?」


「僕らがシーラに着いた時、最初に見た海岸辺りはどうかな?」


「お、いいんじゃねぇか? あとで合流すること考えたら分かりやすい方がいいし」


「それじゃあ早速準備に取りかかろうか!」



 ───────────────────



 設営班と別れた私たちは、バーベキューの食材を買いに市場へと向かった。



「ねぇリルちゃん。手ぇ出して?」


「手? こう?」


 言われた通りに手を差し出すと、彼の大きな手が私の手を包み込み、指と指が絡むような形で重なり合う。

 セシアンは満足そうに頷いた。


「うんうん♪ せっかくのデートなんだから、こうでなくちゃねー。さ、行こっか♪」


「………………デート? これは買い出しじゃ────て、こっちは市場への道じゃないけど……」


「露店を少し見て回るくらい大丈夫だよ。ほら、こっちこっち〜」


(もう……ラルドから寄り道をするなと釘を刺されたばかりなのに)


 そう思いつつ、彼に手を引かれるがままついて行く。


「あ! あの露店に出てる食べ物、美味しそー! お菓子かな?」


 彼の指す方から甘い匂いが漂ってくる。

 焼き菓子のようだが、中に甘いクリームが入っているようだ。


「ね、せっかくだし食べてみない?」


「……帰ったらみんなに怒られちゃうわよ?」


「言わなければ怒られないからヘーキだよ♪」


(そんないい笑顔で言う台詞じゃないわ……)


 そんな会話をしている間も漂う甘い香りが、私の鼻をくすぐり誘惑する。

 そしてついにその誘惑に負けた私のお腹は、きゅるると小さく鳴いた。


「!」


「あははっ、よし、食べよう! 買ってくるからここで待ってて」


 そう言って、彼は足早に屋台へと向かってしまった。

 人の邪魔にならないよう道の端で待っていると、焼き菓子を2つ持った彼が戻ってきた。


「お待たせ〜! 2種類あって好みが分からなかったから、どっちも買ってきちゃった。カスタードクリームとチョコレートクリーム、どっちがい?」


 彼に差し出された焼き菓子は本当に美味しそうで。


「……………………カスタードクリーム」


 短い葛藤の末、共犯になることを受け入れ焼き菓子を受け取った。

 焼き菓子はとろけるような甘さと食感で、ひと口食べただけで虜になってしまった。


「その様子じゃ気に入ってもらえたみたいだね!」


「ええ、とっても美味しいわ! ありがとう、セシアン!」


 私が笑うと、セシアンも嬉しそうに笑った。


「あ、口元にクリームついてるよ」


「えっ────」


 どこ?と問う前に彼は私の頬に軽く触れ、親指で口元をなぞった。

 親指で掬ったクリームを、彼はそのままペロリと舐める。


「ん、うま。カスタードの方も美味しいね?」


 脳内の処理が追いつかず、その行為を理解するのに時間がかかった。

 そして、理解したと同時に耳まで熱くなっていくのを感じる。


「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


(な、ななな、な……舐めっ!?)


 彼の舌が指のクリームを掬った時の映像が、頭の中を行ったり来たりしている。

 女性との関係に慣れている彼にとっては何事でもないのかもしれない。

 この私の反応も、もしかしたらおかしいのかもしれない。

 けれど……。


(あまり友人と出かける機会がなかったから……何が正解なのか分からないわ)


「ん? どうしたの? あ、チョコレートクリームの方も食べてみたくなっちゃった? ひと口食べる?」


 私の動揺など知る由もない彼は、呑気にそんなことを言いながら焼き菓子を差し出してくる。


(なんだか……色々考えていたのが馬鹿らしく思えてきたわ)


「なーんてね、これじゃ関節キスになっちゃ────」


(さっきの仕返しに、少し多めに食べてやるんだから!)


 私は彼の提案通りに、差し出された焼き菓子をひと口、大きめにかじる。

 その際彼の指に唇が触れてしまったけれど、気になんてしない。


(あ、チョコレートも美味しい)


「ん、ご馳走様」


 私は短くお礼を言い、彼から離れた。


「!?!!!?」


 彼はパクパクと何かを言おうとしてはやめてを繰り返している。


(ははーん、ひと口でこんなに食べられるとは思ってなかったのね? ふふ、もう食べちゃったもの。返してと言われても返せないんだから)


 得意げにペロッと唇を舐めると、その瞬間、彼の頬がみるみるうちに赤くなっていく。


「……」


 彼の反応が予想外すぎて、私も目を丸くしてしまう。


「な……んで、そこで照れるの……」


「……そりゃ…………照れるでしょ。ちょ、今あんま見ないで……」


 彼は顔を背け、自分の顔を片手で覆う。


 その後食べた焼き菓子の味が、よく分からなくなった。



「……あ、リルちゃん喉渇いてない? オレ買ってくるけど」


 焼き菓子を食べ終えたタイミングでセシアンが声をかけてくれた。





【選択肢】


お願いする

断る



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